塩﨑香織のレビュー一覧

  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    痛みに関して、脳神経学や認知心理学もふまえた最新の解説

    「痛みは脳がつくるものであり、わたしたちの安全装置兼守護者であり、組織損傷の通報者ではない」というこれまでの常識を覆す内容
    膝の外科手術のプラセボ効果については知っていたが、オープンラベル・プラセボは驚いた
    持続痛には編み物が良いらしいが、今後医療や製薬業界がどう変わることができるか

    感覚に対する認識が変われば、情動や思考や社会や文化まで全てに影響を及ぼす思われるが、そういった意味では革命的な内容であるかもしれない

    0
    2025年08月07日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    目から鱗の本です。痛みはダメージによる直接的なリアクションではなく、脳が作り出す感覚である、というエビデンスベースで示された最新の疼痛医学が、多くの持続性の痛みに悩む人の痛みだけではなくQOLの改善への道標となることを願います。私自身の経験や知見ならも、納得感がある内容でした。慢性痛に悩む人に本書を薦める価値を感じました。

    0
    2025年06月29日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    痛みとは組織損傷の尺度と一般的にみられているし、医師もそのように考えている。その方が説明しやすいという点もあるがそうだとすると組織が治癒したにもかかわらず持続する痛みは心因性と処理されて厄介なものとしてしか扱われない。
    しかし、痛みには身体の末端から脳まで伝わる痛みの信号というのはなく、侵害受容器、侵害信号というのもがあるだけで、それを受けた脳が痛みを作り出しているだけである。
    痛みは安全装置であり、免疫系などと協力して、身体を危険から保護する役割を担っている。持続痛などは継続的な痛みに脳がオーバーヒートしている状態であり、保護装置が適正に働いていない脳を適正な状態に戻すための対応が必要であり

    0
    2025年03月20日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    数学の先生に貸していただいた本。返すまでの期間が短く、焦って飛ばし読みしたのであまり読み込めなかった ><
    それでも十分に面白いと思える内容だった。

    数学の本といっても難しい話が沢山出てくる訳ではなく、数学が世の中でどのように使われているのか、数学にまつわるトピックなどについて書かれていた。

    数を使わない民族の話が面白かった。日本語でよかったって思うことの一つに数字の数え方がありますよね。またいつかしっかり読み返したい

    0
    2025年02月27日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    齢を重ねると毎日どこかしら痛い。痛みはどこから来て、どこかに消えていく可能性はあるのか?誰もが願う痛みからの回避に昨今の研究は進んでいると感じた一冊。

    0
    2025年02月24日
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「タコの心身問題」に続いて、哲学を生物学(または生物が活動する様子)からボトムアップした本。翻訳者が異なるからか、ことば遣いの端々に幾ばく難解なきらいがある(読点と読点の間が長い)ように思える。が、おもに頭足類を扱った前著より、時代もいきものもさまざまな分野から取り扱われていて、なんというか、「とっちらかりながらおもしろい」。本著のテーマの主格はおそらく『経験』で、これは、あっさり「どれにあってどれにない」とは片付けられない。表現しづらいが(たぶん読まれたほうが早いでしょう!)、「感覚器官で得るもの」と「得たそのものの集積」、「自他の区別(自分が他者とは別にあるという感じ)」などがいきもの、あ

    0
    2024年02月29日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メモ
    ・抗酸化サプリは今のところエビデンスなし
    ・やっぱり日焼けは良くない。ビタミンDはサプリで取ればいい
    ・ニキビの原因は脂肪より糖質
    ・肌にいいのは結局よく寝ること、いい食生活
    ・皮膚の常在菌(マイクロバイオーム)は個人で違う、家族は似る。触れ合う=菌の交換
    ・腸の調子は皮膚に影響する、皮膚の調子はメンタルに影響する。それぞれ逆も成り立つ
    ・ハンセン病は感染力は極めて低いもののけ姫のあの人たちや大谷吉継…)

    0
    2022年11月27日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    単に皮膚の説明というよりは、皮膚をめぐる病気を説明している。皮膚がんから梅毒AIDSライ病までさまざまな病気である。さらに太陽の光とその皮膚への影響まで説明している。みすず書房で、皆が読まない出版社であることがもったいない。余白も十分ある単行本であるので、講談社ブルーバックスで出版されればヒット間違いなしであろう。

    0
    2022年07月15日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    化粧品というものに関わる仕事柄、美の対象としての皮膚に興味があり手に取ったが、これは名著だと感じた。皮膚という臓器をここまで様々な角度から切り取り、しかも学術的な知見を素人にも読みやすくドラマティックにまとめている。

    0
    2022年06月26日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    鍼灸師を含めて皮膚を介した医療で仕事をしている人全てに読んで欲しい。
    解剖学や組織学など様々な知識を串刺しにしかもドラマティックに書いています。

    0
    2022年06月03日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    我々が普段意識することなく物事を認識し、扱う上で、数学がいかに関わっているかを、分かりやすい例を示しながら説いていく。
    古来言われる税の徴収やそのための測量、天文や砲弾の計算は言うに及ばず、現代におけるグーグルマップやネットフリックスのおすすめ度まで、いかに数学的な処理がなされているかの解説が面白い。
    日常的には、目の前のデータにだまされない見方、天気予報を信じるかにも言及する。
    あふれる世の中の情報がどのような数学的な処理を経て自分の前に現れるのか。これを知るだけで、また一歩現実がよく見えるような気になるのである。

    0
    2020年11月09日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    あらゆる痛みについての研究がわかりやすく紹介されている。痛みは脳の錯覚かも?(だから持続痛も痛みがないと覚えさせれば治るなど)とか、体を守ってくれるために大切、編み物セラピー(集中力、マインドフルネス)とか!おもしろかった!

    p.117 注射恐術症をもつようになった子どもは予防接種を避けるばかりでなく、血液検査や歯の治療、献血などもしないらしい。

    p.176 その後の研究では、人間でもこのような痛みの伝染”が起こることがわかっている。しかも、(第7章でも述べたが)この他者の痛みへの共感と理解は、見知らぬ人が痛がっているときにはずっと弱い。モーギルのチームは、私たちは知らない人に対してか

    0
    2025年09月04日
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

    Posted by ブクログ

    個人的に、この著者の本はタコの心身問題から2冊目。心、意識について、動物や植物、海洋生物の生物学的な分析、進化の過程、分離脳患者の行動などさまざまな例を駆使して説明を試みる。専門的で理解できたか自信が持てない部分も少なくないけれど、素人なりに大筋はつかんだように思う。
    細胞から構成される既知の生物は、微小なバクテリアも含め、すべて世界を感知し、それに応答する能力をもっている。自分の境界を自ら定義し、自分の生命を自ら維持していく細胞は「自己」と見なすことができる。これはよく分かる。
    でも例えば、通常私たちが「動物」という括りで考えている「動物たち」や昆虫、そして植物が、どこまで「感知」しているの

    0
    2025年06月03日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    痛みは脳が感じる仕組みだけでなく、プラセボ効果/錯覚、マインドフルネス/アクトなど様々なことをまとめている良書です。

    0
    2025年06月02日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    最初は皮膚の細かい組織や役割など、聞きなれない言葉が多く戸惑ったが、著者のユーモラスな語り口や実際の患者さんとのやりとりなど、内容にだんだん引き込まれていった。皮膚ってすごい!面白い!となる。

    「自分の皮膚の延長であるように道具を器用に扱える。」というのがすごい。鍵を鍵穴に刺す時、感覚を拡張している、みたいなことが書いていてすごいなぁと思った。
    また「帝王切開と膣からの出産では付着する菌の種類でその後のアトピーなどの発症率に差がある。」という話も印象に残った。そんなに物理的(?)な要因で決まるんだという驚き。また、タトゥーの針が免疫反応を増強させるという話も面白かった。確かに、鍼治療みたいな

    0
    2025年04月30日
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    Posted by ブクログ

    良かった。皮膚、肌に関する、医学的なもろもろが網羅されている。納得のいく説明がなされている。
    この複雑な事を、簡潔にわかりやすく説明した文章力にも驚く。翻訳者もすごいと思う。

    0
    2022年10月01日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    現代社会において、数学がどのように役立っているかを述べた本。
    数学は、表面的には見えなくても、いろんなところで使われています。
    たとえば、電気で制御されているものは、すべて数学が使われていると考えてよいでしょう。
    つまり、我々の生活にとって、数学は、なくてはならないものなのです。

    「だから、数学を理解しましょう」という話ではなく、「我々の生活は数学に支えられていることを理解しましょう」という姿勢で書かれた本なので、数学的に難しいことは書かれていませんし、タイトルにもあるように、公式のようなものは出てきませんし、数式もほとんど出てきません。

    本当は、こういうことは、学校で教えてもらう方がよい

    0
    2021年03月20日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    思ったより面白かった。数学を理解できる必要はないけど、考え方を知っておくことが生活を少し面白くするのかな。メディアや政府統計の数字などを批判的に見られる人は少ないので、そういうことができるだけで考え方の幅も広がる。世論調査、平均所得、ニコラスケイジ、車の安全装置、グラフ、

    0
    2020年11月23日
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

    Posted by ブクログ

    動物の意識・経験にかかわる問題を進化の道筋をたどるように追いかけていく

    前著の『タコ』に比べると、未完成のアイデアを生のまま展開していて少しわかりにくい。読むほうも気楽に読んだほうが良いのだろう

    文中で少し触れられているが、こうした議論はアニマルウェルフェアに示唆するところがあるかも

    0
    2024年06月30日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    まあまあ面白かった。
    前半は他の本にもよくある、一般的な数学の成り立ち。
    後半はGoogleやFacebook、アメリカの統計などで数学がどう使われてるか。
    最新テクノロジーで数学がどう使われてるか、というのは知ってるか知らないかでWebの使い方が変わってくるし、弱点を理解できるのも役に立つ。
    知ってる内容も多かったが、それなりに新しい見識を得られたし、面白いネタもあった。

    0
    2021年01月31日