作品一覧

  • 脳のなかの免疫、免疫のなかの心

    脳のなかの免疫、免疫のなかの心

    ビジネス・実用

    4.2
    1巻3,520円 (税込)
    今世紀に入ってようやく、“病は気から”の背後にあるしくみが、劇的に明らかになりつつある。私たちの脳は、免疫系と絶えず情報をやりとりし、協働で心身の健康を形作っているのだ。「免疫」は従来、たんに病原を排除するしくみと捉えられがちだった。また脳は、「血液脳関門」があるせいで、免疫が関わることのできない臓器と見なされてきた。ところが、いまや脳(心)と免疫系の“対話”のルートが発見され、脳が身体の内部を知覚する「内受容感覚」の研究も進んで、医科学の最前線を切りひらいている。どうして脳は、体に生じた炎症を記憶したり再発させたりできるのか。逆に免疫の働きは、抑うつや精神の病を引き起こせるのか。関節炎の薬はそれを癒せるのか。心や行動は腸内微生物叢にどう影響されるのか──。そんな新しい問いに挑む神経免疫研究の現在地を、その大きな可能性も含めて、ライマン博士が丁寧に案内する。この分野の進展は、心身二元論に対する切実な挑戦でもある。身近な病気の理解をアップデートするだけでなく、慢性疾患や精神疾患をめぐるこれまでの医療を再考・再設計する契機だと著者は説く。心身一元の、新たな医科学への呼び声となる書だ。
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    ビジネス・実用

    4.8
    1巻3,520円 (税込)
    「痛み」の本質の理解はここ十数年で大きく変わった。17世紀のデカルト以来、「痛みの経路」で多くを説明しようとする古いパラダイムが浸透していたが、最近は脳神経科学と認知心理学を組み合わせた巧みな実験の数々によって知見が深まり、痛みに対処するためのさまざまな実践的アプローチが視野に入ってきた。痛みは脳でつくられるが、その存在は脳の中だけに閉じてはいない。脳・身体・痛みの関係の本質が新たな常識になれば、より多くの苦痛を軽減することにつながる。本書が啓蒙するのは神経科学以上にそうした本質の認識であり、読み終わるとたしかに、「痛み」と自分の関係が変わっている。本書では痛みのきわめて多様な側面が取り上げられる。持続性の痛みに対処するために必要なのは、全体論的アプローチだからだ。痛がる脳の最新科学、情動や共感の役割、痛みの社会性、「無痛」の研究、鎮痛薬以外の対処法の展開(認知行動療法から編み物セラピーまで!)……すべての章が、痛みについての新しい理解の扉を開いてくれる。痛みはあなたを保護する仕組みであり、当事者が痛みに対して主導権を握ることで、痛がる脳はダイナミックに変えられる。読者に手渡されるのは、この知識の力だ。
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

    メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻3,520円 (税込)
    『タコの心身問題』の著者が、心の進化の海にますます深く潜行する待望の一書。「メタゾア」は多細胞の動物を指すためにE・ヘッケルが導入した言葉だ。メタゾアの生物の進化は、たんに複雑さをもたらしただけではなく、それぞれに独特なあり方、新しい「自己」を生み出しつづけた。タコの経験、ヤドカリの経験、魚の経験……こうしたすべての動物を経験する存在にしているのは何だろう? 現生の生物たちを手がかりに、さまざまな感性のパラダイム、そしてその進化的起源を探っていく。著者にとってその探究は、海の生物たちとの、美しく体感的な出会いと結びついている。タコの集住地「オクトポリス」を訪れ、タコの「自己」は頭部に1つあるのか、「1つ+8本」に分散しているのか、あるいはそれらの状態を切り替えているのか?という興味深い問いに迫る第6章、水の中を飛び回る魚たちの感知能力や賢さに接して、神経系が作りだす電場について思索を深める第7章など、海洋生物の生活の細部を間近で観察することが、そのまま科学と哲学の「謎が謎を呼ぶ作業」でもある。著者は幅広い動物が〈感じられた経験〉(広い意味での意識)をもっていると認め、意識があるか・ないかという二分法を超えて、心の発生についての「包括的な説明」を試みている。驚きの生物進化読本。
  • アウシュヴィッツで君を想う

    アウシュヴィッツで君を想う

    小説・文芸

    5.0
    1巻1,496円 (税込)
    妻とともにアウシュヴィッツ強制収容所に送られた、ユダヤ系オランダ人医師。絶望の中、彼女への愛だけが生きる希望だった。
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章

    ビジネス・実用

    4.7
    1巻3,520円 (税込)
    「自分」が皮膚の内側に隠れていると思ったら大間違い。皮膚こそ、自分そのものであり、つねに私たちを語っている。とくに、アイデンティティとの関連では皮膚の色に格別の関心が置かれがちだが、皮膚はもっとずっと多彩なやり方で私たち自身を形作っている。そして、健康、美容といった生活面はもちろんのこと、「哲学や宗教、言語にまで、単なる物質的なあり方をはるかに超えた影響力を及ぼしている」と著者はいう。本書が提供するのは、著者の専門である科学・医学はもちろん、社会・心理・歴史などの領域を含む、広大な皮膚の世界を巡る旅だ。ポケットから鍵を取り出してドアを開けるという動作一つとっても、皮膚がどれほど精妙に機能しているか、もしあなたが意識したことがなかったなら、きっとこの本の随所に発見が待っている。卓越した案内人である著者とともにこの大きな旅を終えたときには、知りたかったことすべてを見て回ったように感じられるだろう。自分の皮膚の実力を知るだけで、私たちは小さな支えを得る。なぜなら、「それはつまり、私たちが何者であるかを理解すること」だからだ。米英で大好評を得た2019年《英国王立協会科学図書賞》最終候補作の、待望の邦訳。
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    公式より大切な「数学」の話をしよう

    ビジネス・実用

    4.2
    1巻2,090円 (税込)
    若き天才が語る、「数学」が人生の武器になる理由 数学が生活にどう関わるかについて研究する著者は、公式や数式にたよることなく数学の基本的な概念を知ることで、人生にとっておおいに助けとなると指摘。最短ルートが決まるしくみ、スピード違反の取り締まり方、おいしいエスプレッソの秘密など身近な事例をもとに、数学が最新テクノロジーにどのように役立っているか、世にあふれる数字の正しい読み方をわかりやすく解説します。 [目次] はじめに―数学は何の役に立つのか 1 数学はどこにでもある――最短ルートはどう決まる? 2 「数」に真実はないのか――1+1=3? 3 数学を使わない生活――1と2のちがいを認識するには? 4 はるか昔の数学――シュメール国家の簿記、古代エジプトの租税計算 5 変化は続く――「明日は晴れ」の予報を信じるべきか? 6 不確実なものを把握する――数字にだまされるな! 7 想像上の散策――最短ルートを考える 8 数学は役に立つ――身のまわりの世界を理解するために

ユーザーレビュー

  • アウシュヴィッツで君を想う

    Posted by ブクログ

    読んでまず思うことは、過去を知り、未来に繋げていくことは、今を生きる私たちの礼儀なのだということ。

    日本が開戦するという判断をしたこともどうしても悩ましく思ってしまう。なぜあれほど、このドイツに期待していたのか。もっと早く、ドイツが降伏した時、せめて広島に原爆が投下されたのち、すぐに降伏できていれば...長崎や満州での被害は抑えられたのに...と思ってしまう。

    まあでもソ連が味方してくれることに期待していたのでしょう。しかし現実的に考えてくれ。ドイツが不可侵条約を破ってソ連に侵攻してるのにその同盟国の日本に味方する訳ないじゃないですか。
    広島に原爆か投下されたと宣言されても、本当か分からなかった、まさか何発も持ってるって思いたくなかったのでしょう。
    希望的観測が過ぎるよ。

    けれど、当時の一部始終を知っている訳ではない私に、こんなことを発言する権利はないのだと思う。それでも、考えることは、2度と同じ過ちを繰り返さないために必要なことだと思う。だからこそ、今の私が感じたことを記しておきたい。

    戦後しばらくして書かれたものではなく、アウシュヴィッツ収容所内で、戦後すぐ書かれたこの著書は、恐怖の「温度」が違った。

    そして、ナチスやSS、その他の誰にも奪うことのできない、心の中にある「愛する人を想う気持ち」が人を救うのだと思った。(救うというのは、命を救うという意味ではない。)

    ただ、著者が生きた理由であるフリーデルと戦後に再会し、念願だった生活を共にしたにもかかわらず、12年後に離婚したことを知り、胸が苦しくなった。

    時が体の傷を癒しても、心の傷が癒えることはない。

    知ること、考えること。そして、忘れないこと。

    犠牲になった方々に敬意を。

    メモ
    ・アウシュヴィッツに収容されたのはユダヤ人だけではなく、ソ連を含むヨーロッパ国籍の政治犯、同性愛者、エホバの証人なども多くいた。
    ・アウシュヴィッツ収容所では単なる労働だけでなく、女性を不妊化するための実験も行われており、成功したか確認するために売春宿で働かされていた。(亡くなった方がほとんど)
    ・フリーデルを助けた医官があのヨーゼフメンゲレ。

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    2026年10月07日
  • 脳のなかの免疫、免疫のなかの心

    Posted by ブクログ

    『脳のなかの免疫、免疫のなかの心』は、神経科学、免疫学、精神医学、マイクロバイオーム研究という広い領域をつなぎながら、人間を一つの統合されたシステムとして捉え直そうとする本です。

    幅広い研究を一般読者にも理解できるように紹介する手際は見事で、専門知識がなくても十分についていけます。

    本書は、大きく三部に分かれています。

    第Ⅰ部では、神経系と免疫系が医学の歴史のなかで別々の領域として発展してきた経緯をたどりながら、実際には両者が解剖学的にも生理学的にも深くつながっていることを説明します。

    さらに、そこへ腸内に生息する膨大な微生物、マイクロバイオームが加わります。

    脳、免疫系、マイクロバイオーム。この三者を著者は互いに独立した存在としてではなく、身体と外界との境界を守る巨大なネットワークとして描いていきます。

    第Ⅱ部では、その防御システムがうまく働かなくなったときに何が起こるのかを見ていきます。自己免疫疾患、抑うつ状態、慢性炎症、ストレス、Long COVID、さらには認知症など、さまざまな病態が取り上げられます。

    第Ⅲ部では、食事、運動、睡眠、人とのつながりなどを通して、この防御システムをどう健全に保つのかが論じられます。

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    2026年10月07日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    脳の作り出した痛みというものがあることが知れて面白かった
    幻肢痛のメカニズムは脳の神経可塑性にある
    腰痛の原因は大部分が分からないが、それは脊髄という重要器官を保護するための過剰防衛なのだろう
    よくも悪くも脳は柔軟なので問題があった場所を記憶して痛みを作り出し続けることも、痛みを発する必要がないと教育することもできるというのは驚き

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    2026年03月05日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    2025/07/23 17
    私にはとても難しい内容、2回読んだ。持続痛(慢性痛)は危険を体に教えるための装置。無痛症を羨ましいと思ったが危険察知できないので短命が多い、なるほど。痛みが常に体中にあり日により場所も移動する場合、どれを持続痛と捉えたらいいのだろうか。線維筋痛症で悩み中で『期待の効果』は身を持って理解。知識の裏打ちのある信頼できる医師に診てもらいクリニックにかかる事で痛みが和らぐ、気のせいではなかった。他のことに集中することとACTは主治医も同じことを話してくれるので自分で解決しなければいけない問題なのだろう。編みもので痛みを感じない瞬間があるとのこと、さっそくやってみる。

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    2026年01月12日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    ミシガン大学の人類学名誉教授でプラセボ効果の専門家であるダン・ムアマンは、自分の薬にむかって話しかけるそうだ。「やあきみたち、すごい仕事をしてくれるって信じてるよ!」

    誰かの痛みを感じることは、必ずしも誰かの痛みについて何か対策を取ることにはつながらない。共感と思いやりとは別ものだ。現に、この二つが正反対の効果をもたらすことも良くある。私たちが誰かの痛みに共感し、そのことに満足感を覚えるとき、結果として得られる報酬の感覚から、実際のところ何ひとつ達成していないのに達成感をもつことがあるかもしれない。そしてまた、誰かの痛みを目にすることで痛みや不安、苦痛を感じるなら、私たちはおそらく他人を助けるよりも自分のことにかまけるようになるだろう。この見かけ上のパラドックスを解くカギは、誰かの痛みを―一歩引いて―感じる能力を養うことだ。実験では、参加者に対して自分自身、すなわち痛がっている誰かの痛みを感じている状態に注意を集中させるよう指示すると、痛がっている人に手を差し伸べることを控える傾向が現れる。痛がっている人を見ると自分を守るような行動が促されるのだから、これは理解できる。ところが、参加者が他者志向であることに集中すると、自分が抱いた共感を慈善的な行動に転換させる傾向が強まる。

    本人がポジティブな気分であっても笑っていなければ、痛みの閾値に上昇は認められなかった。
    (笑いは誰かと一緒なら一人のときより30倍起こりやすい)

    女性は男性にくらべると(平均して)痛みへの耐性が低く、痛みの強さを高く評価し、より長い時間にわたって痛みを感じる。

    コークヒルはさまざまなタイトルを発行する雑誌の編集部で制作担当者として働くことになる。その編集部は手工芸の雑誌を多く手掛けていた。「最初に任せてもらえた仕事のひとつが投書ページの整理。でも手紙を読みはじめたら、すぐにわかった。その手紙のほとんど全部、そうね、98パーセントは、手芸、特に編み物にどんなに良い効果があると思うかということが書いてあったの。」
    …運動は、軽いものから徐々に強度を上げていくやり方であれば、抜群の鎮痛効果をもたらす。運動をすると、抗炎症性や沈痛性のある物質が詰まった身体の薬箱が開くほか、身体組織の回復と栄養分の供給が助長される。しかし、編み物をしているときの動作にはもっと複雑な意味合いが重なっている。リズミカルな反復動作は、天然の興奮剤で痛みの緩和剤でもあるセロトニンの放出を促す。編み物は身体の左右両側が関係する調和のとれた動きだり、集中力を要する上、刺客的なインプットに依存しているが、これを修練する過程では本当に脳の再配線が起きる。

    「よい呼吸」をするための方法については多くのバリエーションがあるが、そのポイントは分かりやすい。5秒かけて、鼻からゆっくりと深く、お腹がふくらむのを確かめながら息を吸う。1秒息を止めたら、今度は7秒かけて息を吐き出す。息を吸い込むときに動くのはお腹だけだ。できれば10~15回の呼吸を1セットとして、これを日に3~5セット繰り返す。

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    2025年12月30日

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