作品一覧

  • アウシュヴィッツで君を想う
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    妻とともにアウシュヴィッツ強制収容所に送られた、ユダヤ系オランダ人医師。絶望の中、彼女への愛だけが生きる希望だった。
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章
    4.7
    1巻3,520円 (税込)
    「痛み」の本質の理解はここ十数年で大きく変わった。17世紀のデカルト以来、「痛みの経路」で多くを説明しようとする古いパラダイムが浸透していたが、最近は脳神経科学と認知心理学を組み合わせた巧みな実験の数々によって知見が深まり、痛みに対処するためのさまざまな実践的アプローチが視野に入ってきた。痛みは脳でつくられるが、その存在は脳の中だけに閉じてはいない。脳・身体・痛みの関係の本質が新たな常識になれば、より多くの苦痛を軽減することにつながる。本書が啓蒙するのは神経科学以上にそうした本質の認識であり、読み終わるとたしかに、「痛み」と自分の関係が変わっている。本書では痛みのきわめて多様な側面が取り上げられる。持続性の痛みに対処するために必要なのは、全体論的アプローチだからだ。痛がる脳の最新科学、情動や共感の役割、痛みの社会性、「無痛」の研究、鎮痛薬以外の対処法の展開(認知行動療法から編み物セラピーまで!)……すべての章が、痛みについての新しい理解の扉を開いてくれる。痛みはあなたを保護する仕組みであり、当事者が痛みに対して主導権を握ることで、痛がる脳はダイナミックに変えられる。読者に手渡されるのは、この知識の力だ。
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう
    4.2
    1巻2,090円 (税込)
    若き天才が語る、「数学」が人生の武器になる理由 数学が生活にどう関わるかについて研究する著者は、公式や数式にたよることなく数学の基本的な概念を知ることで、人生にとっておおいに助けとなると指摘。最短ルートが決まるしくみ、スピード違反の取り締まり方、おいしいエスプレッソの秘密など身近な事例をもとに、数学が最新テクノロジーにどのように役立っているか、世にあふれる数字の正しい読み方をわかりやすく解説します。 [目次] はじめに―数学は何の役に立つのか 1 数学はどこにでもある――最短ルートはどう決まる? 2 「数」に真実はないのか――1+1=3? 3 数学を使わない生活――1と2のちがいを認識するには? 4 はるか昔の数学――シュメール国家の簿記、古代エジプトの租税計算 5 変化は続く――「明日は晴れ」の予報を信じるべきか? 6 不確実なものを把握する――数字にだまされるな! 7 想像上の散策――最短ルートを考える 8 数学は役に立つ――身のまわりの世界を理解するために
  • 皮膚、人間のすべてを語る――万能の臓器と巡る10章
    4.7
    1巻3,520円 (税込)
    「自分」が皮膚の内側に隠れていると思ったら大間違い。皮膚こそ、自分そのものであり、つねに私たちを語っている。とくに、アイデンティティとの関連では皮膚の色に格別の関心が置かれがちだが、皮膚はもっとずっと多彩なやり方で私たち自身を形作っている。そして、健康、美容といった生活面はもちろんのこと、「哲学や宗教、言語にまで、単なる物質的なあり方をはるかに超えた影響力を及ぼしている」と著者はいう。本書が提供するのは、著者の専門である科学・医学はもちろん、社会・心理・歴史などの領域を含む、広大な皮膚の世界を巡る旅だ。ポケットから鍵を取り出してドアを開けるという動作一つとっても、皮膚がどれほど精妙に機能しているか、もしあなたが意識したことがなかったなら、きっとこの本の随所に発見が待っている。卓越した案内人である著者とともにこの大きな旅を終えたときには、知りたかったことすべてを見て回ったように感じられるだろう。自分の皮膚の実力を知るだけで、私たちは小さな支えを得る。なぜなら、「それはつまり、私たちが何者であるかを理解すること」だからだ。米英で大好評を得た2019年《英国王立協会科学図書賞》最終候補作の、待望の邦訳。
  • メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生
    4.0
    1巻3,520円 (税込)
    『タコの心身問題』の著者が、心の進化の海にますます深く潜行する待望の一書。「メタゾア」は多細胞の動物を指すためにE・ヘッケルが導入した言葉だ。メタゾアの生物の進化は、たんに複雑さをもたらしただけではなく、それぞれに独特なあり方、新しい「自己」を生み出しつづけた。タコの経験、ヤドカリの経験、魚の経験……こうしたすべての動物を経験する存在にしているのは何だろう? 現生の生物たちを手がかりに、さまざまな感性のパラダイム、そしてその進化的起源を探っていく。著者にとってその探究は、海の生物たちとの、美しく体感的な出会いと結びついている。タコの集住地「オクトポリス」を訪れ、タコの「自己」は頭部に1つあるのか、「1つ+8本」に分散しているのか、あるいはそれらの状態を切り替えているのか?という興味深い問いに迫る第6章、水の中を飛び回る魚たちの感知能力や賢さに接して、神経系が作りだす電場について思索を深める第7章など、海洋生物の生活の細部を間近で観察することが、そのまま科学と哲学の「謎が謎を呼ぶ作業」でもある。著者は幅広い動物が〈感じられた経験〉(広い意味での意識)をもっていると認め、意識があるか・ないかという二分法を超えて、心の発生についての「包括的な説明」を試みている。驚きの生物進化読本。

ユーザーレビュー

  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    痛みに関して、脳神経学や認知心理学もふまえた最新の解説

    「痛みは脳がつくるものであり、わたしたちの安全装置兼守護者であり、組織損傷の通報者ではない」というこれまでの常識を覆す内容
    膝の外科手術のプラセボ効果については知っていたが、オープンラベル・プラセボは驚いた
    持続痛には編み物が良いらしいが、今後医療や製薬業界がどう変わることができるか

    感覚に対する認識が変われば、情動や思考や社会や文化まで全てに影響を及ぼす思われるが、そういった意味では革命的な内容であるかもしれない

    0
    2025年08月07日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    目から鱗の本です。痛みはダメージによる直接的なリアクションではなく、脳が作り出す感覚である、というエビデンスベースで示された最新の疼痛医学が、多くの持続性の痛みに悩む人の痛みだけではなくQOLの改善への道標となることを願います。私自身の経験や知見ならも、納得感がある内容でした。慢性痛に悩む人に本書を薦める価値を感じました。

    0
    2025年06月29日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    痛みとは組織損傷の尺度と一般的にみられているし、医師もそのように考えている。その方が説明しやすいという点もあるがそうだとすると組織が治癒したにもかかわらず持続する痛みは心因性と処理されて厄介なものとしてしか扱われない。
    しかし、痛みには身体の末端から脳まで伝わる痛みの信号というのはなく、侵害受容器、侵害信号というのもがあるだけで、それを受けた脳が痛みを作り出しているだけである。
    痛みは安全装置であり、免疫系などと協力して、身体を危険から保護する役割を担っている。持続痛などは継続的な痛みに脳がオーバーヒートしている状態であり、保護装置が適正に働いていない脳を適正な状態に戻すための対応が必要であり

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    2025年03月20日
  • 公式より大切な「数学」の話をしよう

    Posted by ブクログ

    数学の先生に貸していただいた本。返すまでの期間が短く、焦って飛ばし読みしたのであまり読み込めなかった ><
    それでも十分に面白いと思える内容だった。

    数学の本といっても難しい話が沢山出てくる訳ではなく、数学が世の中でどのように使われているのか、数学にまつわるトピックなどについて書かれていた。

    数を使わない民族の話が面白かった。日本語でよかったって思うことの一つに数字の数え方がありますよね。またいつかしっかり読み返したい

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    2025年02月27日
  • 痛み、人間のすべてにつながる――新しい疼痛の科学を知る12章

    Posted by ブクログ

    齢を重ねると毎日どこかしら痛い。痛みはどこから来て、どこかに消えていく可能性はあるのか?誰もが願う痛みからの回避に昨今の研究は進んでいると感じた一冊。

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    2025年02月24日

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