田村美佐子のレビュー一覧

  • 憐れみをなす者 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    最初の解説がとてもわかりやすくて良かった。
    このシリーズを読み始めるにあたって、
    必要な予備知識だと思う。

    その中に、
    作者の描いている科学技術が
    当時のアイルランドの力を鑑みれば到底あり得ないものであると
    批判されているという記載があった。

    確かに、国力は科学技術の土台となる。
    大輪の花を咲かせるには豊かな土壌が必要だ。
    しかし、同時に人が作り出すものでもあるはずだ。

    遠く未来から見れば、
    大陸から孤立している島国、
    山がちな国土に、乏しい資源、
    地震に台風に火山噴火といった自然災害の国で、
    例えば、世界で最も早く安全な列車を走せていたというのは
    信じられないということ

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    2022年02月20日
  • 憐れみをなす者 上

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    ネタバレ

    修道女フィデルマ・シリーズの8作目(原作順で)。

    巡礼の旅に出、船旅をするフィデルマ。
    船に同乗していた巡礼団の修道女が海に落ちたと思われたが、
    刺殺死体で発見される。
    そして、船に乗り遅れたかと思われた修道女も、
    実は殺されていたことがわかり…。

    巡礼団の中に若い頃にフィデルマを手酷く捨てた恋人がいたとあっては、
    事件どころではない。
    フィデルマは、大人げない態度をとっていて相変わらず。
    相手も成長していないようなので、お互い様だが。

    それでも武人だったのに、片腕が使えなくなり、
    妻にも見捨てられたとあっては、
    もうちょっと気づかいしても良いのではと思っていたら、
    王の命令とはいえ、戦

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    2022年02月15日
  • 憐れみをなす者 上

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    ネタバレ

    すっかり老成?達観した感じのキャラクターとばかり思っていたフィデルマにまさかの過去。いや、あの過去があるからこその現在があるのか。
    昔の恋人キアンがともかくやなやつで、最初から最後までこいつに天罰下れとしか思わなかった話。
    あと、珍しくも海洋冒険小説みたいな話に仕上がっている。更にキャラクターのひとりがとってもできたいい人で、これ、実はこいつが犯人でした、だったらやだなあと思いつつ読みました。

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    2024年09月24日
  • 風に散る煙 上

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    上巻は特に展開がゆっくり。
    そのぶん、フィデルマの欠点が強く出ていて、どうにもこうにも……(^o^;)

    感想のまとめは下巻で♪

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    2024年09月10日
  • 修道女フィデルマの采配 修道女フィデルマ短編集

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    法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ修道女フィデルマが、各地を巡り難事件を解決する、7世紀アイルランドが舞台の短編集。
    修道士が占星術で自らの死を予言して死んだり、族長の後継者を選ぶ会議で候補者が殺されたり、相変わらず当時のアイルランドの習俗が興味深い。全体としてかなり先進的な社会だと思うが、「養い親」に出てくる養育制度などは問題も多そう。
    ベストは、修道院で客用の魚料理と料理長が消えたという発端からまさかの動機をぶちこんできた「魚泥棒は誰だ」。

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    2022年11月14日