新川帆立のレビュー一覧
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ネタバレ"揺れたり落ち込んだり、悩んだりしながら、行きつ戻りつして進むことこそが女性本来の生き方"って、だいぶ救われる言葉だなあ。
なんで女性ってこんなにいろんなこと背負わされてんだ?!と理不尽に思ったりすることがあるから、それが女性というものなんだよ、って断言してもらえるとほっとするというか。
(男性の苦悩については脇に置いておいての話だが…)
もっといろんな人の本を読みたい!というところに行き着く。
"「分からない」のはストレスフル"というのは、本当にそうだ。物語が理解できる、という本文の話とは少し逸れるが、コミュニケーションが上手く取れていない人がいる -
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ネタバレ弁護士が主人公のミステリーをあんまり読んだことがなかったので新鮮!
専門職の人物が主人公の小説ってよく知らない言葉とか普段全然触れないジャンルの単語がたくさん出てくるから、なんかかっこよくて好き〜
ちなみに、私は株界隈の話は1ミリも知らないのだが、丁寧に説明されていてちゃんと理解できた。新川先生すごい。
そして、なんといっても主人公・剣持麗子のキャラがいい!!
人の気持ちを考えるのが得意なタイプではなく、基本的には仕事は仕事・欲しい物はお金みたいな感じなので、読んでいて気持ちがいい。
一方で心がない嫌なやつというわけでもなく、栄治や朝陽などに好感を持つ側面もあって、人間味もあるところがまた良 -
Posted by ブクログ
ネタバレ脳のつくりが正反対!
やっぱりいろんな人がいるんだな。
旦那氏が買ってて、読んで!とおすすめされて。
小説を勉強する情熱から、ラノベを書き始め、漫画も描き始める。
小説と漫画は別物だよなとは思っていたけど、小説とラノベも別物なんだ。
ラノベと小説の違い②キャラクター造形(p.212)は、たしかに大きな違いだ。
小説はリアルを描写するために、人間に寄せた複雑なキャラクター設定で、ラノベ(や漫画)は単純でわかりやすいキャラクター設定であると。
現実にいる人間は一筋縄ではいかないし、矛盾もたくさんある。そこが面白いんだろうけど、それを作品で表現しようとするのは難しいし、読者も理解しづらくなる。
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Posted by ブクログ
全6編の豪華書き下ろしアンソロジー。
「ヤツデの一家」新川帆立
疑心暗鬼が仕掛ける見えない罠。短編でも冴える描きぶり。
「大代行時代」結城真一郎
Z世代の生き様を描く。いっそ清々しいほどの割り切りが印象的。
「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
他人の本質は最後まで掴みきれない。果たして誰の罪だったのか。
「供米」米澤穂信
直木賞受賞後の小品ながら、丁寧に紡がれた物語。亡き夫の罠にかかりにいった妻。
「ハングマン」中山七里
副題の雛鵜は、無知ゆえ罪に落ちる若者の象徴か。操られた末の強盗事件。
「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
弟子は師匠作家の教えを実行する。作品と現実が重なる趣 -
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頭脳明晰、スポーツ万能の野々宮椿は魔法の天才で傍若無人な条ヶ崎マリスの執事になる。
男装し、周りに女と気づかれないように学園生活を送るが、魔力が無いことでバカにされる。
魔力には頼らず、知力体力を頼りに立ち向かう。
悪魔を使役する時の契約がまさに本物の契約書で、なかなか無い斬新な発想。弁護士資格を持つ新川らしらを出しているが、これをラノベと言い切るには難しいような…?法律の勉強にはなるけど(笑)
後は、日本の根底にあるジェンダーの概念に触れさせられる。20代女子が読むとかなり共感できるかも。
まだまだ謎の多いキャラクター達。心情変化が唐突でイマイチついていけず…今後に期待。 -
Posted by ブクログ
『競争の番人』シリーズ第2弾です。
このシリーズを読むと無性に「公正取引委員会」で働きたくなってきます。社会を良くする仕事だし、チームで協力して調査にあたるのも良いし、内偵して調査するのはスパイっぽくて面白そうだし(勿論めちゃくちゃ大変なお仕事なのですが)。
そして、自分も仕事を頑張ろうと励まされる、素敵なお仕事小説でした。
公正取引委員会という、あまり馴染みのない職業のことがとてもわかりやすく描かれています。
カルテルとか十九条案件(納入業者いじめのような不公正な取引)とか、一般にあまり馴染みのない単語や条例が出てくるのですが、その話が出てくる度におさらいのように説明してくれるので、この事件