新川帆立のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ少年院を出た六人の重罪犯。一人が被害者遺族に殺された。情報を提供したのは誰なのか。
彼らのことを一人のルポライターが調べ始める。
ルポライターが記事を書くためにインタビューをするという形式の小説。この場合、ルポライターが純粋かどうかがまず問題になるわけで、身構えて読む。
途中までは面白く読んだ。
ルポライターの正体がわかってから、中立に見えた彼女の狂気が加速していき、息苦しくなる。
目には目を、という感情はわかるが、贖罪や更生を否定すると、社会が成り立たないのではないかと思う。
これを許すと、最初が何かは置き去りにされ、やられたからやり返すの無限ループになってしまう。
日本の刑法が応報 -
Posted by ブクログ
☆3.5
読み終わって…前向きになりたいなっ!と とても思わしてくれる内容だったと思う反面、現実的ではないかなぁ…とも…
実際に障害を持ちながら弁護士になった方がいるようなので 絶対無理!とは思わないですけど…
でも、読後感はとても良かったです!
読んでいて 映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』を思い出していました。
ノンフィクションの『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』では 24時間体制で自立生活を支えたボランティア達の心の葛藤を描いてあり あれだけの人数のボランティアがよく集まったなぁと驚いたし 鹿野さんのパワーにも驚いた。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ国会に係る女性たちに焦点を当てたストーリー。
議員秘書、衆議院議員、政治記者、そして地方議員(本編で衆議院議員へ立候補する)ミステリー仕立てになっているのもおもしろかった。
政治の場では男性社会なので、女性はお手伝いかお客様でしかない。いつも1番損な役回りを押し付けられる。
そんな世界でも女性が入っていかないと何も変えられない、変わらない。
どうしてこんな世界へ来てしまったんだろうと苦悩しながらも、がんばっている姿に惹かれた。
個人的には、本筋から離れるから書かれてなかったけど、選挙で間橋が当確した後の加賀美の落ちぶれる様子も書いて欲しかった。高月さんの血尿出しながらがんばる様子がリアル。しか -
Posted by ブクログ
新川帆立さんの小説を読むのは、デビュー作以来。
最近読んだエッセイの方が面白かったので、他の作品を読んでみようと思い、今作読んでみました。
帯のあらすじ読んで、重い内容なんだろうなと覚悟はしていましたが、しっかりと重い内容でした。
新川さんは第5章の復讐と贖罪の部分を特に書きたかったのかな?読みながらそう思いました。
登場人物誰にも深く感情移入はできませんでしたが、物語の牽引力はしっかりあり、グイグイ読ませてくれます。
密告者は誰かは最後明かされますが、なんともやりきれない気持ちになりました。
大阪くんの貰ったボールペンを大切にしているというエピソードが、妙に深く印象に残りました。
もっと -
Posted by ブクログ
ネタバレよかった。
お嬢こと朝沼が性同一性障害とミスリードさせて、実は顕太郎がそうだった、というのは予想外で面白かった。そしてそれを決定づけるのは鯉。
衆議院の池の鯉はカラフルで、参議院の鯉は黒だという一般には知られていない事実。ネットの情報では確認できなかった。行って確認してみたい。
朝沼が性同一性障害であるというミスリードにかかり、まんまとその前提で読みすめてしまったが、そうでないという視点で読んでも矛盾はないだろうか。
加賀美が盗聴やストーカーめいたことをしていることは取引材料に使われなかった。悔しがるところを見たかった。
国会議員、秘書、記者、地方議員、とそれぞれ女性が苦しいことがよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪者に寄り添わせる構造はどうなの?と思って読み進めたらその理由がわかった。お前親かい!だとしたらそんな取材だめだろ!って投げそうになった。展開は湊かなえの告白みたいでよかったんだけど、ミスリードにいまいち乗り切れない。10歳の女の子を少年Xって書くのも違和感があるし、堂城君はたまたま女の子殺したんじゃなくて複数の子を襲ってる(本人の認識はちょっと触った、だとしても)よな、と嫌悪感が募るからあんまり庇われても……。親バレしないようになのか運動会来てないことになってるし、娘を殺した憎い相手を眠らせてから殺してるし、ところどころ引っかかった。