新川帆立のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありゃあ、前作より、数段面白かった。
前作の栃木から、今回は北九州。田舎の方が「公正取引」違反の物語が紡ぎやすか。それも前作は、田舎舐めてんのか、と思わせられたが、今回は、田舎ごめんなあ、と素直に思った。
人の配置も良くなった気がする。
結果への持って行き方もかなり抑えた感じでむしろ好感だった。
アクションの酷さは多少改善したとは思うし、そもそもへったのがいい。
伏線の回収も、放っとくんかと思わせといてきっちりやるのも良い感じ。
大得意であろう、男女の、主に女の、面倒臭いドロドロした感情の描写も少なめ。いや、そこ、面白いねんけど。
ただ、相変わらず小勝負くんの記憶力頼りは問題解決とし -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。この人の本はほんと読みやすい。5編の連作短編集。自身のルーツを探すために先祖を調べる探偵になった主人公。戸籍をもっていない人がいるというのを改めて知った。前ねほりんぱほりんでも戸籍がない人のやつ見たと思うけど、今回のはまた違うやつだったな。日系ブラジル人について私は何も知らないで生きてきたのだ。そういう事柄はたくさんあるんだろうけど。第3話のより憑祈祷(よりきとう)の話が特に印象的。うちも地元の『神様』のばあちゃんから祈祷してもらったもんなあ。昔はもっと各地に『神様』がいたんだろうな。当時は胡散臭いと思ってたけど今となれば受け入れやすいというか。東北の地震の後でヨリになった若者の話
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Posted by ブクログ
前作の『競争の番人』もなかなか面白かったのですが、本作もその勢いは衰えることはなかったですね。
で、本作で最も印象に残ったのは次の一文です。
『どこにいるかも分からない、その一人を助けるために、立派な部品になろうと思った。
社会の歯車、上等である。』
たとえその仕事が直接誰かを助けたり、誰かの役に立つものでなかったとしても、どんな仕事であってもきっと巡り巡って誰かの役に立っているはず。
だから、自分も『どこにいるかも分からない、その一人の役に立つために、立派な部品になろう。たとえ社会の歯車であったとしても、そのことにプライドを持っていいんだ。』そんな風に思えて、また休み明けから仕事頑張ろう -
Posted by ブクログ
面白かった!赤裸々にこんなことまで書いていいの?という感じで、前作を知らずに読んでしまったが十分楽しい。前作も読んでみたい。
夫の仕事の都合でイギリスに住み、ケンブリッジでのディナーやパリへ行ってオペラを観たり、寝台特急でミステリー作家目線で過ごしたり…
カバンへの愛、時計愛、と恋愛歴に初めて触れてわらってしまう。とことんな性格は何事にも発揮されるようだ。
ADHD と公言し、そのことについても明記。夫のあとがきも面白い。
ピカソは、
「子どもは誰でも芸術家だ。問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」と。
帆立の伸びやかな才能や小説への思い、努力は8歳から変わらない繊細な心の元かと