新川帆立のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドラマ化された『元彼の遺言状』の続編的な、剣持麗子シリーズ。ドラマはちゃんと見ていなかったので気づかなかったが、本作のエピソードもドラマの原作として扱われていたらしい。
キーマンとなるのは歌舞伎町のホストクラブで働く黒丑。1話完結の5作からなる短編で、第1話で黒丑は殺人事件の容疑者として登場する。その後、2話以降の事件にも”偶然”関わりを持ち、後半では事件の弁護料を支払う代わりに麗子のアシスタントをすることになる。全話を通じて麗子が黒丑の行動に疑問を持つところが繋がっていて、彼の心の曇りが明らかに。コミカルなテイストでサクッと読めてしまうが実は結構闇の深い話ばかり。 -
Posted by ブクログ
途中までは普通のエッセイなのだが、最後の競走の番人の制作裏話で、さまざまな社会問題は相互に関連し、影響しあっている。
このことから、この話が生まれたというのは、弁護士としての経験から、来てるのかなーと思った。
競争は公正に行われる必要がある、それを担保にしているのが公正取引委員会、あまりよく知らない組織だったが、この本のお陰でどんな仕事なのかがよくわかった。
デビュー作が大ヒットしたこと、続く作品も映像化、ヒットしたことで悩むこともあるみたいだが、これだけ面白い作品を書き続けることができるのは素晴らしいと思うので、今後の活躍も期待したい。 -
Posted by ブクログ
誰が考えたかわからない、でも世の中に存在する相場だったりヒエラルキーって、あるよなと思った。
責任について結構考えた。経営者が、倒産が目の前まで来たとき、自分が死ぬことで入る保険金を何とか会社を立て直す足しにして欲しいと願って自殺してしまう展開ってあるあるだと思う。でも死ぬって決めて、自分で自分を殺すって、相当。いや、それほど、抱えてる社員の人生を背負うって覚悟必要なんだな。死ねないもん普通。まだまだ社会の厳しさに気づいてない学生の私の考えって甘いなと感じた。
前作から引き続き、今回も読みやすかった!
剣持麗子が少し優しくなったのでは?と感じた笑