フィリパ・ピアスのレビュー一覧

  • トムは真夜中の庭で
    物語は時間を支配している。現実と過去と、かるがる思い出さえも飛びこえてしまう軽やかさに、もうただただ最後は泣くことしかできない…やさしい…SF
  • トムは真夜中の庭で
    ビクトリア女王末期に生まれたハティと20世紀のトムが真夜中の庭園で出会う不思議。お互いを幽霊と思いながら少年のトムと少女のハティは毎日庭で遊び木登りをし弓矢を作ったり機の上に秘密の小屋を造ったりする。
    だが、トムの時間とハティの時の流れは同じでなくいつのまにかハティは大人の女性になっていく。自分の時...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    岩波”少年”文庫だけど、やはり岩波少年文庫。
    大人が読んでもしっかり楽しめる。
    緻密に編まれたストーリー。
    時空を超えて育つ友情。
    ラストシーンはずっと胸に残る。
  • トムは真夜中の庭で
    小川洋子さんの本で紹介されてて。

    少年少女に自分の居場所があるということ
    庭の植物たちが、生き生きと描かれてる
    こんな庭、冒険の時間があるということ、人生を豊かにしてくれる
    本を読んでの体験でも

    緻密な構成
    ファンタジーだけど、納得感あり

    思いが重なって庭で出会えていたということ。
    時間の概念...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    トムが真夜中の裏庭に出てみると、そこは真昼の美しい園庭だった。庭で出会ったハティは、日によって、幼い少女だったり、大人の女の人だったりした。

    (『キラキラ子どもブックトーク』玉川大学出版部より紹介)

    「弟のはしかが治るまで、おじさんの家に預けられることになったトム少年。友達もいなくて退屈な生活。...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    前半はなかなか物語に入り込めなかったが、諦めずに最後まで読んで良かった!
    時を越えて同じ時を過ごす2人に秘密の抜け道や油断大敵など共通認識が生まれていく過程がたまらない。

    最後まで読んでから、また初めに戻りたくなる。

    トムの冒険のようでいて、ハティの人生を辿る物語なのがたまらない。
  • トムは真夜中の庭で
    これは確かに名作ですね。児童文学ながらページをめくる手が止まりませんでした。

    近所に住む気難しいお婆さんが昔は木登りする少女だったなんて、子供には想像もつかないことだと思います。頭では理解できても、感覚としては分からないでしょう。これは子供にかぎらずかもしれません。見知らぬお婆さんは生まれた時から...続きを読む
  • 真夜中のパーティー
    この方の作品の雰囲気が好き。
    子どもの描き方がリアルで、変な創作感がない。
    緊張感の高め方がうまい。特に最後の作品の一連の描写。
  • トムは真夜中の庭で
    星5個じゃ足りないくらい。
    読み終えるのが勿体ない、でも先を知りたい、そして読み終えてみると、また反芻したり、読み返したくなるような、本当にステキな本に出会えました。

    弟がはしかにかかり、隔離するために、子どものいないおじとおばの家に預けられることになったトム。
    退屈な日々を送ると思っていたところ...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    ・川をスケートで下っていく話は素晴らしかった。読んでいてこれほどいい気持ちになったのはめったに無い。ビクトリア朝時代のイギリスはこんなことができるくらい寒かったんですね。
    ・時間と記憶。
  • トムは真夜中の庭で
    忘れた頃に、何度でも読みたくなる一冊。

    心の中にそっとしまっておきたいような、そんな素敵な思い出をくれました。
  • トムは真夜中の庭で
    男の子が主人公の本です。
    なんとも甘酸っぱい思いでいっぱいになるお話でした。
    時間は、どうやって作られるのかと思うくらい、不思議なお話でした。
  • 真夜中のパーティー
    余分なものがなく、淡々としているけど、いつの間にか自分もその空間に滑り込んでいるような感覚。こんなに素晴らしい本だとは思っていなかった…。
  • トムは真夜中の庭で
    傑作と名高いだけあり、構成の緻密さに驚いた。

    途中それぞれがお互いを幽霊ではないか?と問い詰め合うシーンではドギマギした。
    さらに、トムがいろいろ調べて、何とか過去のいつなのか?特定しようと調べる行為も驚いた。だからこそ、読んでいて最後の結末があぁそうだったのか!と納得があり、感動が深い。

    印象...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    子供の頃にとても好きだった本を読み返す。

    朧気にしか覚えていない物語が輪郭をもって確かにその物語に入り込んでいた自分自身と遭うように古い庭を往来する。
    トムは夢に嵌まり込むように現実を遠く感じる日々、それを手紙で共有するけれど味わうことのできないピーター。
    夢の中で一瞬繋がるイーリーの大聖堂の行が...続きを読む
  • トムは真夜中の庭で
    大好きなお話です!最初から最後まで、素晴らしかったです。私もトムのように庭に立っているような気持ちになりました。またこのようなお話と出逢いたいと強く思います。
  • トムは真夜中の庭で
    トムは弟の病気のために、親戚の古いアパートで過ごすことに。そのアパートには真夜中に現れる不思議な庭がありました。そこで出会った女の子ハティとの楽しい時間。彼女は何者なのか?庭は本当にあるのか?なぜ現れるのか?謎を解こうとするトムと、少しずつ時が流れる庭で大人になっていくハティ。
    とうとうトムが家に戻...続きを読む
  • 真夜中のパーティー
    子ども時代のある出来事を切り取って、そのスリルをよみがえらせてくれたお話し。自分も一瞬で子どもに戻ってしまい、ドキドキしっぱなしだった。まるで映画のような小話集。
  • トムは真夜中の庭で
    「あんたは裏玄関の方へいったから、わたしはまた家ねなかへはいっちゃったのかと思ってた。あれが、あんたを見た最後だったね」
    「『あの子はいっちゃった。でも庭園はここに残っている』」
  • 真夜中のパーティー
    大好きなピアスの短編集。
    8編が収録されています。
    よごれディック、真夜中のパーティ、アヒルもぐりが気に入りました。
    幼い頃、なんでもない日常のちょっとしたことにワクワクした、あの感情を思い出させてくれる。やはりピアスは名作家なのでした。