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子ども時代のある出来事を切り取って、そのスリルをよみがえらせてくれたお話し。自分も一瞬で子どもに戻ってしまい、ドキドキしっぱなしだった。まるで映画のような小話集。
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大好きなピアスの短編集。
8編が収録されています。
よごれディック、真夜中のパーティ、アヒルもぐりが気に入りました。
幼い頃、なんでもない日常のちょっとしたことにワクワクした、あの感情を思い出させてくれる。やはりピアスは名作家なのでした。
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フィリパ・ピアスという作家の名前は「トムは真夜中の庭で」と「まぼろしの小さい犬」という2つの作品と密接に結びついている KiKi にとってこの本は今回が初読でした。 で、この本を今回手に取ってみたきっかけはこのブログの柱企画「岩波少年文庫全冊読破計画」の一環であるのと同時に「宮崎さんの推薦文」にもあったわけですけど、初めて宮崎さんの推薦文の中にこの本が入っているのを見た時には、逆に思ったものでした。 「あれ?? どうして、『トム~』の方じゃないんだろう??」と。
そうであるだけにこの物語への期待値は否応なく高かったことをまずは白状しておきたいと思います。 そしてその期待はまったく裏切られなかったということも・・・・・・。
まずは、この表紙の絵がいいですねぇ~。 そしてこの短編集1編1編の表紙頁にある挿絵が何とも言えない雰囲気を醸し出しています。 これらの挿絵はフェイス・ジェイクスという方が描かれたものです。 因みにこの方、同じ岩波少年文庫の中ではアトリーの「時の旅人」とか「グレイ・ラビットのおはなし」の挿絵も手掛けていらっしゃいます。 どの作品での挿絵もムード満点でこれらの作品が持つ空気感を見事に視覚化した挿絵ばかり・・・・・だと思います。
さて、肝心の物語の方です。 これは短編集で以下の8作品が収録されています。
よごれディック
真夜中のパーティー
牧場(まきば)のニレの木
川のおくりもの
ふたりのジム
キイチゴつみ
アヒルもぐり
カッコウが鳴いた
どの作品も主人公は現代の小学校くらいの子供たちで、その子供たちのある意味ではありきたりの日常の一コマを描いたものです。 でね、これらの作品群が読者に伝えようとしているのは、ありきたりな教訓話でも懐古趣味でもなくて、子供時代特有のモヤ~っとした感情・・・・のようなもの。 まだまだ幼いゆえにそれを理路整然と説明できないし、子供特有の気まぐれも手伝ってコロコロ変わったりもするんだけど、当の子供にとってはとっても大切な一時一時の気分・・・・・とでも呼ぶべきものなんですよね~。
そしてこの短編集のすごいところは、誰もがかつては抱いていた似たような漠然とした不安、自分で自分の気持ちがわからないような曖昧さ、親に叱られることがわかっていても(又は兄弟姉妹に泣かれることがわかっていても)やらずにはいられなかったある一時点での気持ちといったようなことを、情景描写の中で描ききっているうえに、ピアスさんがこういう形で描いてくれなかったら、失われたまんまになってしまったかもしれない・・・・・と思わせるところだと思うんですよね。
子供は子供なりに日々の生活を送る中で「ヒトという生き物が本来的に抱え持っている矛盾」に直面し、それを未消化のまま時を重ね成長していきます。 この短編集の主人公の子供たちも「ヒトの感情と行動の間に存在する、ほんのちょっとした二律背反性」を自分の中に、そして時に自分をとりまく大人の中に感じ取ります。
どの物語の子供たちも皆、それぞれの体験の中から「コレ」と明言できるほど明確なものではないまでも、その子供の「核」となりえそうな「何か」を得ていることがしみじみと感じられる素敵な短編集だと思います。
最後に・・・・・ 恒例の宮崎さんの推薦文を転載しておきます。
あるアニメーション映画を作っていて、くたくたになって帰った夜、ふとんの中でこの本を読みました。 短い作品の中に世界が描かれていました。 文学ってすごいなぁ、こういうのが文学なんだという思いがわいて来て、自分たちがおおぜいで毎日毎日夜おそくまで机にかじりついて、絵を描いても描いても、いっこうにできない映画より、この本の方がすてきだなあって、ちょっと悲しくなりました。
ここで仰るアニメーション映画が何だったのかとっても気になります。 でも少なくとも KiKi にとっては最近のジブリ・アニメだったらこれは間違いなく「仰る通り!」と思わないじゃありません。 宮崎さんには悪いけれど・・・・・(苦笑) いえ、これは「まだまだ宮崎さんには期待しているんだから!」というエールも含めてなんですけどね。
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読みながら何となくピーターラビットの世界を思い浮かべた。主人公達はウサギじゃなくて人間の子供達だけど、舞台が同じ、イギリスだからかな?
子供達の心を動かす、日常生活の一コマが各短編に描かれている。子供の心って単純であり複雑でもある。自分もかつてはこんな心を持っていたのだろうなと懐かしい気持ちになった。
この本めちゃ好みだわー。
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これも小学生の頃、父から譲り受けて。同著『トムは~』より更に好きな短編集。表題作では幼いながらにずっと感じていた不安(耳に虫が~という切迫した、しかし大人は聞き入れてくれない事件)が書いてあり、当時非常に安心した記憶がある。自分だけじゃない!という。
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謎めいたお隣さん。宝物の秘密の貝。子どもの日常生活におきる、小さいけれど忘れがたい不思議なできごとの数々。夢と現実の世界を行き来する印象的な8つの短編をおさめる
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子供の日常で起きるささやかだけど、大きな出来事の短編。
近所から嫌われていても気にせず、動物を飼っている謎めいたお隣さん。
川で見つけた貝を、いとこにあげる前に逃がしてしまおうとしたこと。
古い木の解体途中でとんだいたずらをしてしまい、それでもそれがきっかけで、男子グループに入れたこと。
祖父と孫の互いを思いやる気持ちと真夏の早朝の車いす遠足。
木の実を取りに行った先で、お父さんを怒らせてしまい、慌てて逃げた結果迷子になり、助けてくれた若夫婦のこと。
全部じゃないけど覚えてる範囲。
ひとつひとつはどうってことない些細なことだけど、
子供にとっては大切で心に残る記憶たち。
短編だったから読みやすい。
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表題作を含む短編集。
実際に起こった出来事をモチーフに
書かれているから、自分が昔に体験
したような気持ちになる。
子供の話の中に出てくる大人が悪かったり、
子供のように純粋だったり、
その為に他の大人から馬鹿にされていたり、
多くの大人は子供の感情を忘れているけれど、
本当は繋がっていたはずなのに、
子供の世界と大人の世界は
随分隔たっているような感じがする。
挿し絵の世界観も素晴らしくて、
良い作品群だと思います。
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フィリッパ・ピアスの8話短編集。
どれも子どもの何気ない日常を切り取り、見落としてしまいそうな出来事に光を当てている。
子どもの感情の機微を丁寧に拾い集めている。
子どもの世界は決して広くはない。その分、近くで起きていることにじっと目を凝らし考えていることに気づかされる。そんな事々を心に焼き付けながら、子どもは大人になっていくのだろう。
日常をもっと丁寧に生きたい、と大人になった私だがそう思った。
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「性格描写が少ないと主人公に共感や自己投影できない」って思っていたけど、そうじゃないんだ。ピアスが描く無口な、どちらかというと目立たないごく普通の子供が、読み進めると、自分そっくりなのに気付いて驚く。この本には魔法は一切出てこないけど、やっぱり魔法がかかっていると思うよ。分類としては児童書だけど、子供が読むより大人が読んだ方がいい本かもしれない。
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短編集だったので読みやすかったです。
物語が子供目線で書かれてて、ワクワクしながら読みました。
特に
・ふたりのジム
・カッコウ鳥が鳴いた
が好きです。
子供の発想や心ってキラキラ~☆
Posted by ブクログ
ピアスの名作『トムは真夜中の庭で』を読んだのは20代だったと思う。その頃、他の作品も読んだかはっきりしなかったのだが、この短編集のタイトルになっている『真夜中のパーティ』の途中、(子どもたちが夜中に台所に集まって、年長のアリソンが、マッシュポテトを全部使ってポテトケーキを焼き始め、寝ている末っ子まで起こすよう言うくだり)で、思い出した。そのなかなか大胆な発想が効を奏して、しかも面白かったことを…。
それは、ともかく、今、読んでもいい。まあ(これは持論だが)優れた子どもの本は、大人のへたな読み物よりよほど味わい深い。
岩波少年文庫についての本にも、どなたか書かれていたが、字も大きいし、年配になってからも尚、お薦めシリーズ(作品群)であるのは、もっともなことだと思うなぁ。
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何気ない子どもの日常の短編集
今の子どもたちがわくわくして読む感じじゃないかも?
大人のノスタルジー的な印象も感じます
「牧場のニレの木」が好き!
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だいぶ時間がかかってしまった...
子どもにとっては、大人にはどうってことないことだって魅力的に見える。
誰が何を魅力的に思ったっていいよね。
Posted by ブクログ
1つ1つが完全に子どもの視点から書かれている作品ばかり。
大人からみれば、何気ない日常の一コマで
記憶にすら残らないことばかりだろうけど
子供とってはそれが忘れられない記憶になることが
たくさんあるなっていうことを思い出させてくれる本。