延岡健太郎のレビュー一覧
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『キーエンス。高付加価値経営の論理』
具体性☆☆☆☆☆
納得度☆☆☆☆☆
圧倒的☆☆☆☆☆
1)購読動機
キーエンスは、営業利益率50%、時価総額国内10位以内の高成長企業です。しかし、その経営の論理については、あまり知られていません。この本は、キーエンスを長年にわたり取材してきた著者が、キーエンス公認のもとで書いた数少ない書籍です。そのため、購読しました。
2)キーエンスの経営の基本
キーエンスの経営の目的は、付加価値(事業で稼ぐ利益)の最大化です。その方法は、顧客企業の利益につながる商品の開発・販売です。具体的には、顧客企業の売上を増やす、またはコストを削減する商品を提供します。顧客 -
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◾️概要
SEDA人材とは何か、どうやったらなれるかを知るため、読みました。最も印象的だったのは、「SEDA人材とは、手段にこだわらず、ユーザーを感動させる価値が創出できる人材という広範な定義。SEDA人材に共通するのは、自身のバックグラウンドや活用する手段にはとらわれず、ユーザーが感動する価値を、妥協することなく作り出す執念を持つこと。」です。ここで言う感動価値とは、機能的価値と意味的価値を合わせた、統合的価値である。
◾️所感
表題は、ものづくりの指南書のようですが、経営学にも触れてカバーする領域が非常に広いです。それをSEDAモデルで端的に表現していることに、感銘を受けました。 -
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【きっかけ】
研修の書評宿題で、他のひしが読んでいた内容をよんで、トライ。
事業化推進会議で、塚田常務が推薦したという。
◆近年すぐれたものづくりが、必ず価値づくりに結びついていない。
【一章のまとめ】
優れた技術を使って高品質・低コストの商品を開発・製造する「ものづくり」を頑張っても、
利益・付加価値といった経済的な価値の創出、つまり「価値づくり」に結びつかなくなった。
逆に、外部資源をうまく活用して、企業内部でものづくりをしなくても価値づくりができる
企業も増えた。ものづくりと価値づくりの間に乖離が生じたのだ。その中でも、日本企業は、
ものづくりにこだわった価値づくり -
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闇雲にコストダウンに突っ走っているであったり、自らが競合とのスペック競争に挑んでいるであったり、コストと品質のバランスからどこまで品質を下げられるかであったり、安価なものは外部に求めるであったり。。。 日々 価値づくりから遠ざかることにエネルギーを消費していることが不安になり、情けなくもある。
一昔前から、魅力的品質を高めねばならないとよくいわれたものであるが、一体魅力的品質を上げるにはどうすればよいか?のヒントがこの書籍にはある。ここでは 意味的価値 と表現されているが、あらためて顧客が何を望んでいるか、期待しているか というよりも、別次元で機能的価値のレベルでの過度な意味のない競争を続け -
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経営学に関しては全くの素人ですが、技術経営についてここまで分かりやすく体系的な説明をしてくれている本はなかなかないんじゃないかと思います。
参考書というよりは教科書に近く、分量も多いので一見とっつきづらいですが、説明に用いられる図表が分かりやすく、また具体事例が豊富なため意外なほど読みやすく、理解も深まります。
私の周りには「日本のメーカーはマーケティングが弱い、経営が弱い」と言う人も多いですが(実際をあまり知らない学生だからでしょうか?)、この本を見るとそうでもないように感じます。むしろ、トヨタやシャープ、キーエンス等、優れた経営戦略をとっている企業も多く、日本メーカーのポテンシャルを感じさ -
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ネタバレ一言要約:なぜ「会社」を作っているかへの原点回帰
キーエンスの強さを一言でまとめると上記であり、誰にでも分かるが誰にでもは出来ない(続けられない)本質的なことをひたすらに実施していることだろう
「何故人は集団を作るのか」 この問いへの普遍的な答えは「その方が繁栄出来るたから」であり、数百万年といわれる人類の歴史に一貫し、肉体的には脆弱である動物であるのにここまでの繁栄を極めた本質である
そこでは互いに協力し合うことが個と全の両方の繁栄を加速していた
これは企業のあるべき姿で見ても例外ではなく、学び合い、助け合い、全員で利を取りに行く風土はもはや必須要素といえよう
この本質要素を溢さずに高効率 -
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・商品の機能価値だけでなく意味的価値を加えた総合的価値を高めることで付加価値が生まれる。機能価値は競合に模倣される。商品を導入することで創出される顧客価値=意味的価値の大きさが重要。創出される顧客価値を具体的に数値化して提案する。顧客が何を欲しているか、より、顧客が何をしたいかを重視=ソリューション営業。顕在化していないニーズの掘り起こし。
・結果もプロセスも大事。結果とプロセスの因果関係が明確になるまでWHYを繰り返す。なぜ高額商品が売れたのか。なぜそれが顧客にとって効果が高いのか。
・若手でも積極的に自分の意見を言える環境。意見を述べる機会が多いと新入社員は一生懸命考える癖がつく。事実 -
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キーエンス 高付加価値経営の論理 顧客利益最大化のイノベーション
著:延岡健太郎
キーエンスは、イノベーションにおいて、国内はもちろん、世界をも代表する生産財企業である。過去30年間の業績を平均しても、売上高営業利益率は40%を大きく超える。そのような製造企業は世界でも稀である。規模としても2022年時点で既に営業利益は4000億円を超えている。
驚異的な利益を出す企業として、自社の利益のみを追求すうr企業ではないのかと誤解されやすいが、実際は顧客企業の生産性向上を主体として経営改善に多大な貢献をして、結果として、生まれる大きな付加価値からは、潤沢な雇用や莫大な納税も含めて大きな社会貢献を -
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○生産財においては、顧客の効率や利益が高まらなくては、顧客から十分な対価を支払ってもらうことはできない。つまり、顧客の事業やオペレーションに対して、ソリューションを提供しなくてはならない。(118p)
○真に優れた企業は、顧客の現場に入り込み、顧客と同等かそれ以上に顧客の業務を知り、顧客が抱えている問題点を深く理解している。(182P)
○自動車の内装材(天井やドアトリムなど)をボディに取り付ける方法として、樹脂面ファスナーを新たに提案して大きな成功をおさめた。(中略)住友スリーエムの技術者は、自動車の内装にかかわる問題点についても詳しいうえに、自社の技術についても知り尽くしているので、こ