都会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SNSで流れてきてあらすじに興味を惹かれ、すぐに購入して読みました。
タイトルや箱という存在が謎すぎて、オカルトやファンタジー要素のある作品かと思っていましたが、中身は意外と現実的です。箱に隠された理由や疑問に思う部分も、後からちゃんとすべて明らかになります。
もともと作者の都会さんは知っていましたが、「こんな作品も描かれるんだなぁ」と驚きました。独特の絵柄が作風にとても合っていて、より一層作品の味を引き立てていますね。
幸せの形って人それぞれですが、それが自分の意思によるものでも、そうでなかったとしても、結局のところ何が正解かなんて分かりません。
誰を責めて誰にお礼を言えばいいのか、読み進めるうちに頭の中がぐちゃぐちゃになりました。答えのない問いをうまく物語に落とし込んでいて、非常に見事にまとまった作品だと思います。 -
購入済み
ずっとずっと気になっていた作品で、ようやく読めました!こういうちょっと不気味でゾクゾクできる作品大好きです!読んで良かった!色んな視点で読むと変わる感じ方ができるのでまた読み返したいです!
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購入済み
箱の奥の違和感
『箱の男』は、ゆるいタッチのキャラクター造形と、物語が放つ深い不気味さとの“落差”が強烈な読後感を生むミステリーだ。物語の中心にあるのは、リビングに置かれた大きな箱と、その中に入ったまま生活する父親。箱には腕を出すための穴がひとつ開いているだけで、娘はその腕と声だけを頼りに日常を続けていく。この設定だけでも十分に異様だが、作品はその違和感をあえて説明しすぎず、読者の想像力を刺激する形で積み上げていく。
特筆すべきは、キャラクターの柔らかい線と丸みのある表情だ。普通なら安心感を与えるはずの絵柄が、状況の異常さと組み合わさることで、逆に“逃げ場のない不穏さ”を強調している。読者は、娘の視点を通して「これは本当に普通の家庭なのか」という疑問を徐々に抱き始める。絵柄の可愛らしさが、物語の恐怖をより際立たせる構造になっているのが巧妙だ。
また、伏線の配置が非常に緻密で、何気ない会話や日常の描写が後になって意味を帯びてくる。読者は娘と同じように、少しずつ積み重なる違和感に気づき、やがて避けられない真実へと導かれていく。だが作品は決して露骨な恐怖表現に頼らず、静かに、じわじわと心を締めつけるような緊張感を保ち続ける。
『箱の男』は、家族という最も身近な存在が“理解できないもの”へと変わっていく恐怖を描いた作品だ。ゆるいタッチの裏側に潜む冷たい影が、読み終えた後もしばらく心に残る。ミステリーとしての構成力と心理描写の巧みさが光る一冊だと思う。 -
ネタバレ 購入済み
試し読みで読み始めてから続きがどんどん気になって思い切って購入してみました。結末は全く想像出来なかったものでしたが、ちゃんとストーリーがあってとてもおもしろかったです。個人的に、最後の由美子の母親に向けての手紙の内容にとても共感しました。どんな形であれ、心から笑っていられたのは事実であると。序盤の4コマがとても穏やかなゆえに、本当の関係性を知った時はとても驚きました。一番、父親が見ててとても心苦しいです。過去の出来事全部話して、また由美子と再構築出来れば良いなと思いました。元夫で最後幕を閉じましたが、あれは恐らく家族の愛の形は時に狂気的なものになることを示唆していたのでしょうか?あと、個人的に、一番憎いのはその元夫ですね。あのラストの描写でどこかでまた同じようなことが起きてしまうんじゃ無いかと、ある意味バッドエンドだと思っていましたが、一方で由美子の家族が時を経て、また集まれる可能性がゼロではないことを考えると、人によってはバッドエンドではないと捉えられるのでは無いかと思いました。私は、ハッピーでは無いけど、バッドでもないエンドだと感じました。とにかく、日常の中に非日常が混ざるストーリーは読んでてすごくおもしろいし、現実に起こり得そうで起こり得なそうなちょうどいいラインの物語だったので、すぐに読み切れますがとても読み応えがありました。すごく良い作品だと思いました。