湯澤規子のレビュー一覧

  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    お目当ての本がなく、たまたま目についたので。
    精神年齢が小学生なので無意識にウンコに惹かれて読んだけど、こんなにウンコについて考えたことがなかった。
    ウンコに対する考え方、捉え方にその人のバックボーンや地域性が出てて興味深かった。
    保育園の頃に親戚の家に行ったら、まだボットン便所で、怖いし暗いし絶対入りたくなくて震えた記憶がある。もう久しくお目にかかってない。
    "汚穢屋"のエピソードから三島由紀夫の仮面の告白を思い出した。主人公の"私"が汚穢屋に憧れるシーンである。ここからも当時の都会と田舎のウンコに対しての価値観などが現れていると感じた。

    まだ糞尿が

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    2025年05月11日
  • 焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史

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    読みやすく、面白かった。家政学の成り立ちや、明治から大正にかけての女子教育の変遷は発見も多く、大正期の方向転換は今も尾を引いているように感じつつ。書名はいささか期待に沿っておらず、焼き芋とドーナツの話は象徴的とも言い切れない上に、日米間のシスターフッドではなく日米それぞれのシスターフッドが主眼に置かれているとはあまり予想していなかった。

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    2025年01月04日
  • 「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか~

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    「おふくろの味」という概念はいつ、どこから生まれて、どのように共有、拡散され、変化したのかを探る。湯澤規子氏のことは深緑野分『福神漬』で知り、『胃袋の近代』が面白かったのでこれも読んでみた。

    「おふくろの味」と言われたら、私は母がつくる肉じゃがのような家庭料理を想起する。少なくとも明治時代までに生まれた言葉だと思っていたが、この本で戦後生まれの概念と知り驚いた(肉じゃがのレシピが明文化されたのも1960年代だった)。
    そして「おふくろ」と「ふるさと」のイメージは密接な関係があり、本書では昭和30-40年代に栄えた郷土食ブームが母の味に転換された過程が明かされるが、私はその説明には資料が乏しく

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    2024年11月01日
  • 「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか~

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     「おふくろの味という実体のないイメージ。メディアによって作り上げられてきたいわば「神話」とも言える。それも時代とともに変化してきた。また、おふくろの味とは、母親の作った味、家庭の味、地域(ふるさと)の味といった様々な「持ち味」とても使われているそうだ。

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    2023年05月11日
  • 「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか~

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    料理とジェンダーの専門家であるので、もっと鋭い分析があるかと期待していた。今までの料理人の説明よりも詳しい。光文社新書ということで料理の世界に遠慮をして分析が鈍くなったかもしれない。料理人について知りたい人は軽く読めるが、ジェンダーから考える論として読むための本としては役不足であろう。

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    2023年03月04日
  • ウンコの教室 ――環境と社会の未来を考える

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    農学部の学生の1人として、知っておかなければならないと感じる内容だった。

    畜産の授業で、家畜の糞の量はとても多く、処理するために活性汚泥法が利用され、有機質肥料になることを学んだ。その授業を聞きながら、現代社会でふと人間の排泄物はどのように利用されているのか疑問に思った。それまで深く考えたことがなかった排泄物の行方。トイレに流して終わりじゃない。
    排泄物を上手く利用することが出来れば肥料の輸入に頼らなくてすむ。日本社会を明るくする存在になる可能性を秘めたうんこに魅力を感じずにはいられなかった。

    学校のトイレが徐々に洋式化が進んでいるのはニュースで見た。私自身も、学校のトイレは汚くて嫌だった

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    2023年02月10日
  • うんこでつながる世界とわたし きれい?きたない?

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    ネタバレ

    「うんこでつながる世界と私」シリーズ三冊出ています。
    人間学部教授の著書
    子どもにも、とても分かりやすくえがかれている。
    「食べること」「出すこと」
    生物の基本
    でも、きたないと言ってふたをしています。
    子どもたちにも真面目に素直に生きることとうんこの現実を知ってほしいですね。
    人間も生物ですもん。
    歴史、世界、動物
    おーすごい!

    ≪ 生きていく ぐるぐるまわる その秘密 ≫

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    2022年10月23日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    江戸時代の頃人糞は農業における肥料としてなくてはならないものだったが、今ではほとんど価値もなくなりただの汚物でしかなくなってしまった。さらに人は水洗トイレを発明しウンコを流してすぐに視界から消し去ることで、いつしかウンコを自分事として見られなくなってしまった。子どもの頃は自由帳にうんこを描き、うんこの話をするだけで笑いがとれたというほど万人のヒーローであった筈のうんこも年齢が上がると自然にゴミを見るような目でしか見られなくなってしまったのはなぜだろう。うんこについての知識を深め、うんこを他人事ではなく自分事として捉えられるようにするためにもこの本は読んだ方がいいと思った。

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    2021年09月25日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    現代生活では欠かせない電力については憂慮される問題が山積みなので今も話題が絶えない一方、下水道については多くの人が何も考えることなく日常を過ごしていると思う。しかし改めて考えると、都市の超絶膨大な人口のうんこ、しょんべんをここまで処理しているシステムってすごいことで、もう少しそれを個人で勉強してもいいんじゃないかって思った。

    実際に下水道には糞尿以外に強酸洗剤のような危険な薬品も結構流れてる訳で、ゴミの分別とかと同じように環境に優しい下水道の使い方って何だろうって今考えている。

    うんこは土に埋めれば簡単に肥料になるのは自明である一方、衛生面や強烈な臭い等、取扱厳重注意な物体であることも改め

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    2021年07月03日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    生きる上で一番大切なことは「食べること」と同時に「ウンコをすること」なのに現代では軽視され水に流されるだけ、という冒頭の投げかけから始まって、かっての循環経済を解説し近代のトイレ事情の変遷を語る。

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    2021年02月21日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    タイトル買いした一冊。

    前半は人糞と肥料の話がちょっと厚すぎなのだが、後半からはウンコをめぐるネタがあれこれ登場して面白くなってくる。

    人糞が価値あるものから汚物となり、処理方法が河川・海洋への投棄から屎尿処理へとむかう過程はギリギリで見ることができた。ウォシュレットの登場には、心底驚いた(もう当たり前だけど)。

    著者が欧州で経験して驚いたという、線路上へ捨て去るタイプのトイレも、昔どこかで経験した記憶がある。

    昔、農地が広がる地域で車の窓を開けて走っていると、口の悪い子どもたちが“田舎の香水”と呼んでいた糞(家畜か人糞かはわからない)的な臭いにおいがしてきたものだ。そういえば、めっき

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    2020年12月26日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    近世から現代にかけての日本の屎尿処理の話を中心に、ウンコに纏わるあれこれと作者のウンコ感?をまとめたもの。「人糞地理学ことはじめ」とサブタイトルにあるが、人糞地理学について本文中で軽く触れられてはいるけれど、具体的にそれがどのような学問なのかは良く判らなかった。愛知や長野のローカルな話題は出てくるが他地域との比較がないので地域に根ざしたものなのか判断がつかない。ことはじめとあるので、そういうのは今後ということか…
    (江戸時代に屎尿処理の話は良く出てくるが、江戸や大阪といった都市部と農村との関係の話が多く、ではもっと田舎ではどうったんだとかいろいろ知りたいことは山ほどある)

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    2020年11月27日
  • ウンコはどこから来て、どこへ行くのか ──人糞地理学ことはじめ

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    やたら「ウンコ」という文字が連打されているので、やや辟易。内容は、フィールドワークを含め、比較文化人類学といった本。
    結局、下肥として消費できないくらいの排泄量が都市で発生してしまって、排泄物から汚物になってしまったということです。
    下水道は社会インフラですが、維持コストも過疎地域になるとpayしないので、そういった地域で、サステイナブルな循環を目指すのはよいのでは、と思った。ただし、そういう地域に自分が住みたいか、と言われると・・・なので、難しい問題ですね。

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    2020年11月21日