焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史

焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史

2,420円 (税込)

12pt

4.2

知られざる壮大な連鎖が浮かびあがる。
津田梅子が二度目の留学で学んだウッズホール海洋生物学研究所。その前身施設を設立したエレン・リチャーズは女性で初めてマサチューセッツ工科大学に入り、家政学を確立した人物で、彼女が大学を志すきっかけとなった雑誌の寄稿者の一人が『小公女』らで知られるバーネット。
その雑誌や『若草物語』のオールコットらによる労働文学の読者に、マサチューセッツ州のローウェルの女工たちもいた。彼女たちは女性だけの共同組織を作り、雑誌の発行も行っており、それらを含めたアメリカの女性教育を見聞して日本での教育拡充も訴えたのが森有礼だった。

■集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗
■日本でもアメリカの女性運動を同時代的に参照し、実践していた
■ローウェルの工場の窓には新聞の切り抜きが貼られ、それは窓の宝石と呼ばれていた
■ドーナツは主食のように見なされていた
女性労働者は一方的な弱者でなく、実は「わたし」の人生を強かに拡張していた。
ではなぜ、「わたし」という主語で語る術を私たちは失ってきたのだろうか?

【目次】
プロローグ――「わたし」を探す
第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭――ある紡績女工のライフヒストリー
第二章 焼き芋と胃袋――女工たちの身体と人格
第三章 米と潮騒――100年前の米騒動と女性の自治
第四章 月とクリームパン――近代の夜明けと新しき女たち
第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペン――女性作家の誕生
第六章 パンと綿布――ローウェルの女工たち
第七章 キルトと蜂蜜――針と糸で発言する女性たち
第八章 ドーナツと胃袋――台所と学びとシスターフッド
エピローグ――「わたしたち」を生きる
あとがき――「わたし」の中に灯る火
主要参考文献

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焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『「おふくろの味」幻想~誰が郷愁の味をつくったのか』『胃袋の近代―食と人びとの日常史―』からの『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』。はっきり言って自分の中では湯澤規子ブームです。前著2冊での「家庭料理」「外食近代史」とテーマを変えながら今までの歴史に中では見過ごさされてきた個人的な「食べ

    0
    2024年11月04日

    Posted by ブクログ

     女性の近代史を、日常茶飯という観点から整理し、当時の女性の内面に迫った一冊、非常に面白かった。
     特に近代における、産業革命からの働き方の変わり方、これが日本とアメリカで意外な接点があり、パッチワークキルトのように全体像が浮かび上がってくる。自分で稼いだお金で、自分の欲求のために使う、というのがど

    0
    2024年06月10日

    Posted by ブクログ

    テーマは「働く女性の日常茶飯 in 近代日米」(漢字多…)といったところか。
    有名無名問わず、歴史上語られてこなかった女性たち、”彼女たち”の生の声がいくつも取り上げられている。名前を再掲されたら何とか思い出せる程度であるが、取り上げる範囲が広すぎて把握するのに難儀した…というのが本音。
    でも歴史上

    0
    2023年12月03日

    Posted by ブクログ

    読みやすく、面白かった。家政学の成り立ちや、明治から大正にかけての女子教育の変遷は発見も多く、大正期の方向転換は今も尾を引いているように感じつつ。書名はいささか期待に沿っておらず、焼き芋とドーナツの話は象徴的とも言い切れない上に、日米間のシスターフッドではなく日米それぞれのシスターフッドが主眼に置か

    0
    2025年01月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    赤毛のアンシリーズの割と後ろの方に、ボストンに行く話が出てくる。そのあたりの感覚なんだろうなと読み進めた。日本の話のほうは、晩年しばらくやっかいになった明治末生まれの大叔母大正デモクラシーの話や女子美ができたころの話(女子美西洋画の一期生だった)を思い出しながら読んだ。それより二回り位前の話になるの

    0
    2023年10月23日

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