芹澤連のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ビジネスの現場で“戦略”という言葉が乱用される現状に鋭くメスを入れた一冊です。
著者は、企業の戦略立案や新規事業支援を手掛ける実践派コンサルタント。
彼が指摘するのは、「多くの企業が戦略を語りながら、実際にはデータも根拠もない“ごっこ遊び”をしている」という現実です。
本書の最大の魅力は、戦略を“感覚”ではなく“エビデンス(証拠)”で判断する重要性を、豊富な実例を通じて明快に解説している点です。
市場分析、顧客理解、施策の検証といった一見当たり前のプロセスが、なぜ組織の中で形骸化してしまうのか。
その構造的な問題をリアルに描き出しています。
また、芹澤氏は「戦略は賢そうな言葉を使うことでは -
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購入意向は過去の購買傾向を表すものであり、必ずしも将来の購買行動を担保しない。しかし、人は事前の意向がなくても買う時は買う。市場の大部分は未顧客が占めている。つまり、いくら少数の購入意向が高かろうと、市場の大半を占める未顧客層が少し変化する方がビジネスインパクトは大きい。
ここから、未顧客のメンタルアベイラビリティを事前に高め、意向が生まれた時に自社ブランドが想起されるようにしておくことの重要性が伺える。
差別化は「全く需要がないところに需要を生み出す打ち手」ではなく、「需要があるにも関わらず機会損失されている消費を呼び起こす打ち手」
行動ロイヤリティが高いのはヘビーユーザーではなくライト -
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・ダブルジョパディの法則:「ロイヤルティを高めればブランドが成長する」と思われているが、向きが逆。浸透率を増やさずにロイヤルティだけを高めたりはできない。顧客数が増えるほどリピートや利用額も増え、高い価格も受け入れやすくなっていく。
・離反とは、他の変数と独立して、マーケターが任意にコントロールできる変数ではないのです
・新規も既存も「両方別々に」対応する必要がある。短期でわかりやすい成果を出しやすいのは既存顧客なので、マーケターやプランナーなど実務者側の実感としては既存顧客が成長の中心にいるように見えるわけです。しかし、個人の経験や実感を超えた時系列・規模のデータで確認すると、既存顧客中心の -
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◾️マーケティングは依然として数のゲームである。ブランドの成長は主に浸透率の増加によってもたらされるのであって、ロイヤルティではない。
(1)ヘビーユーザーは絶対数が少ない
(2)ヘビーユーザーにさらに購入してもらうのは難しい
(3)既存顧客の認識や行動を広告で変えることは難しい
(4)既存顧客へのアクティベーション施策は効果期間が短い
(5)ROIを成果指標として追っても売上のトップラインが増えるわけではない
(6)ロイヤルティは、ロイヤルティ施策によって高まるのではなく、浸透率の増加に伴って高まる
先の保育士さんの方法は、お風呂の機能をただ伝える(体をきれいにする)のではなく、子供の欲 -
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いわゆるマーケティングの通説的なものが、エビデンスによりばっさばっさと斬られていく本。
こうもはっきりエビデンスを突きつけられるとそうよなあ、むしろなんで今までその法則が全てだと思っていたんだろう・・・と思う。
マーケティングにおいて普遍的な法則はない。
書いてある通り、やや商材が消費財よりなので自社ビジネスで使えるかどうかはケースバイケースだなあと思ったけど、繰り返し読んできちんと消化したい。
実務に落とすのはまだまだ難しそうだけど。
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・ダブルジョパディの法則
・新規と既存、どちらが大事か→「両方、別々に」対応する必要がある
・ロイヤルティには上限がある(購入頻度や利用額は”変数”で -
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●私が考えるこの本の結論
数式が示唆する規則性や法則性に基づいて文系的なアイデアを発揮することが大切
ブランドの成長はロイヤルティではなく、浸透率を増加させること
企業の合理ではなく、顧客の合理に目を向けること
①この本を読んだ目的
よりマーケティングを深掘りすること
②学んだこと
<はじめに>
・ペルソナ設定ではなく、顧客の行動原理(顧客の合理)を理解することが重要
・顧客が不合理に見えるのは、マーケター自身が慣れ親しんだ既知の枠組み(ex; 平均的な顧客像)の中で顧客の行動を解釈しようとするから
→今自分が陥っている点
・未顧客に購買してもらうにはまず -
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マーケティングの専門家による、マーケティングの「無知の知」を説く1冊。
基本的にはマーケターやブランドマネジャー向けに書かれていて、専門外の自分には横文字用語+アルファベットのスープに浸かった感じで、しかもトリ頭(鳥に失礼)のせいで「STPって何だったっけ?」となることもしばしば。後ろに用語/略語集つけといてほしい(笑
とは言え、マーケティング的発想とは無縁でいられない世の中。ちょっと背伸びして読む価値はあったかなという読後感です。
1. 理屈とは上手く付き合わないといけない
2. 因果の向きが違う、はヤバい
3. 6W1H
1. 理屈とは上手く付き合わないといけない
本著冒頭の「現実と理 -
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引用が多く難解 ただ読み応えあり
マーケターとしてある程度の事前知識を持った上で読みましたが、それでも難解に感じたのは、おそらく他文献からの「引用」が多かったからだと思います。
要は、「マーケティング戦略とか言ってるけど、その逆の検証はした?バイアスかかってない?」というのが本書の主張(と私は感じました)。
例えば、
・LTVを重視したマーケティングが重要
・パレートの法則があるからロイヤルティ重視がベスト
といった、よく言われるマーケティングの鉄則があります。ですが、著者は「それがどんな状況でも正しいとは限らない」と指摘します。鉄則にとらわれず、その業界や現状に即した方針になっているの -
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良い結果と 良い決定は違うもの
エビデンス 事実に基づく知識=視点=選択肢
新規と既存 両方、別々に
離反はマーケターがコントロールできない 既存は短期で効果が出やすい
シェア小さいと浸透率が成長に影響し シェア大きいと購入頻度の上昇が成長源
成功事例の再現性
パレートの法則 80%の利益は上位20%の顧客から =長期スパンでの話
ヘビーユーザー安定性50% 半分が入れ替わる 同じ人でも波がある
未顧客に1回、ライトユーザーにもう1回を考える
カテゴリーのヘビーユーザー=多数のブランドを購入
同じブランドリピーター=ライトユーザー :よく知らないから同じブランドで
大 -
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書籍「未顧客理解」を読み終えて
~新しい顧客を獲得するための「視点」とは?~
【はじめに】
ビジネス書「未顧客理解」は、営業活動や採用活動において新しい顧客や社員を獲得するためのヒントを提供する一冊です。未顧客とは、まだ契約を獲得していない相手を指し、彼らを理解することがビジネスの成功に繋がります。この本を通じて、未顧客をどのように理解し、アプローチするかを学びました。
【未顧客理解の重要性】
未顧客とは、自社とまだ接点がない相手です。営業活動では見込み客、採用活動では面接前の候補者を指します。彼らを理解するためには、まず自社の存在を知らない、関心がない、関係がないという現実を認識すること -
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評価に困る。自分の実力が評価するのに足りていない気がする。分かりやすくいいと思った部分と、分からなかった部分が混在する。
○良かった点
・売上を構成する顧客数と購買頻度の関係は負の二項分布に従うため、ノンユーザーおよびライトユーザーに購入してもらうことが重要、というロジックは分かりやすかった。
・未顧客はデータに現れてこないため、ペルソナやSTPなどが無意味である。
・ダブルジョパディの法則は数式を見たのが初めてだったので非常に勉強になった。購買頻度と浸透率のどちらを高めればいいのか。購買頻度の上限はどの程度かが分かるというのは新鮮だった。
○微妙だった点
4章が抽象的で腑に落ちなかった。例