佐々木孝博のレビュー一覧
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戦争は、まさに最先端技術の戦いであることを証する書籍
韓非子、孫子、三国志の話があり、もはや、目的のためには手段を選ばない、制限を加えず、あらゆる可能な手段を採用して目的を達成するのが現代戦と言い切っている。
孫子曰く、戦わずして勝つ。米軍が戦場に到達する前に、全てを決する、中国の見えない戦いが紹介されています。
かって、陸海空の3軍といっていたものは、陸・海・空・宇宙・サイバー空間・電磁波・認知領域(誤情報、偽情報、悪意ある事実)の7領域について、全領域にわたっての総合戦争と位置付けています。さらに、政治戦、外交戦、経済戦、文化戦、宗教戦、貿易戦、心理戦、メディア戦、歴史戦、技術戦、デジ -
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元自衛隊の将官がロシア・ウクライナ戦を分析している書です
2014年のロシアによるクリミア併合と、2022年7月時点で戦闘中のウクライナ戦について状況分析、解説、そして日本にとっての教訓を語られています。
クリミア併合は、ハイブリッド戦の成功例、オールドメイン(全領域)での戦争と位置付けています。陸・海・空・宇宙・サイバー戦・電磁波に加えて、情報・認知・心理・経済・外交・エネルギー・法律・歴史・文化・宗教などでのドメインの戦いが重要であるといっています。
現代戦も、孫子がかたるように国と国とを挙げた総力戦なのです。
(理由:なぜ、ウクライナに侵攻)
・ロシアvsNATO 緩衝地帯がないとロ -
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ロシアの公開・公式情報とオープンな勉強会等で得られた情報をもとに、ロシアのサイバー戦に関する考え・方針等をわかりやすく解き明かしている。
個人的に一番驚きだったのは、サイバー戦に関するロシアの認識。
サイバー戦というと、クラッキングして情報を盗んだり、ウィルス等でシステムに対して攻撃を仕掛けたりすることを想像してしまうが、(もちろんそれらも含まれるものの)、ロシアのサイバー戦に関する認識は、どちらかというと情報戦そのものに近いと感じた。
アラブの春を米国によるサイバー戦と捉え、力学的な武力を必ずしも用いずに、SNS等を利用して偽情報を流し、民衆を扇動し、敵性国家の政権を転覆し、自らにとっ -
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今回のウクライナ侵攻から得られた知見と日本の安全保障を簡潔にまとめており読みやすい。
一言で言えば、元陸将・元海将補による西側陣営の価値観、願望をベースとした評価、分析。
渡部元陸将については、これまで個人的には評価していたが、今回の対談では佐々木元海将補から早々に「西側諸国に軸足を置いた見方」と指摘されたように、従来の視点の延長線上で捉えている様に思われた。
ロシアの戦い方、ウクライナの戦い方から日本のとるべき全領域戦については、従来から言われていることであり目新しさはない。また、防衛産業について著書らには本質的な課題自体が認識されていないのではないかと危惧を抱くような記述に終始したことは残 -
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特に目新しいことは書かれていないが、対談形式で読みやすく、ロシア・ウクライナ戦争に関して4月末ごろ時点までの概略の状況をざっと理解するのにはよいと思う(もうちょっとちゃんと理解したければ、防衛研究所の「ウクライナ戦争の衝撃」を読めばよいか)。
ただ対談形式のため、語られる内容について明らかにおかしいと思われる点も見受けられた。
P152~153でロシアの最新鋭戦車「T-14アルマータ」が今回の戦争に投入されておらず、それが今回の経済制裁の影響と書かれているが、2020年までに2300両生産する予定の戦車が投入されていない原因が、なぜ2022年3月以降に行われている経済制裁の影響なのか。
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Posted by ブクログ
元自衛官で在ロシア日本大使館勤務経験のある筆者がロシアのサイバー戦略について解説した書。
理論面の解説が中心であり、サイバー戦や情報戦の具体的な事例の解説は、それほど詳しくないことが少し残念だった。
これを読むと、ロシアが西側の情報戦に段々と追い込まれているという危機意識が今回のウクライナ侵攻に結びついたことが分かる。
しかし、あれほど威力を発揮していたロシアのサイバー攻撃がウクライナにほとんどダメージを与えていないことが不思議で仕方がない。ウクライナに協力する西側のサイバー防御能力が高いのか、何か別の理由があるのだろうか。
また、ICTの軍事利用により、核戦争の誘発が容易に起こり得ること