ウスビ・サコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
京都精華大学は、実は現役の時に滑り止めに受けて受かった学校だ。美大生だった私には、この学校へ進学した友人・知人が数人いる。当時は山奥の美大という印象以上のものを抱かなかった。
外国人、西洋やアジア系ではなくアフリカ人の学長というのが一際噂になり、この著作を手に取った。いろんな国の文化やくらしに触れたからこそ、日本という国のありのままの姿を捉えていて、感じたことを率直に表現できるのだろう。
天災に人災、戦争やコロナ禍、いろいろなことが起きるが、これからの世の中を作るのはこの地に住む人々なのだ。大学は指南を仰ぐところではなく、自身で考えて成長する場所。当たり前のことだが、日本の大学は徐々に経営至 -
Posted by ブクログ
筆者自身の生い立ちから、教育論、文化論、教育論のみならす、日本のあり方、コロナ禍の今後の世界のあり方まで、幅広いテーマで語られている。特に、以下の点は参考になった。
●学校以外の誰にも制約されない時間や、だらだらした時間を使って考え、遊びや家庭での経験とシンクロさせて、自分の中に落とし込んでいくというプロセスも必要だ。個性は、そうやって伸ばしていくものであり、余暇の時間をしっかり使うという事によってしか、自分自身が成長しないのではないか。
●趣味と言ったら、まるで専門家のような勢いになるのでびっくりする。「映画を見るのが趣味で」と言った時には、映画オタクが近づいてきて、○○監督のある作品の、 -
Posted by ブクログ
勉強になる本でした。
普段、海外出身の方と接する機会がないので、ものの見方や考え方の違いを知ることができて面白かったです。印象的だったのが、日本では教育機関の学校にすごく多くを求めすぎていること、家族の中で母親に対して失礼な子供や夫が多いと感じると記載があったことです。
本来、何かを学ぶための学校であるはずなのに、家や地域で担うべきしつけ部分ともいえることを任せようとしすぎている、さらに、個性を伸ばそうとすれば反対に均一化させようとする教育の方を望んでいる親が多い、それはなぜなのか?と記載があり、私自身疑問に感じている点だったので共感しました。
また、日本では子供だからといって家などで役割 -
Posted by ブクログ
一万円選書で送られてきた一冊。
内田樹とサコさんの対談形式で進んでいく。
大学の教育現場にいる2人によるトークはとても面白かったし、そもそもマリ共和国出身のサコさんがどのようにして日本にたどり着いたのか経歴が面白かった。
もっと日本人はダラダラしても良い、という言葉が良かった。周りの評価が重要な日本ではもっと自由にしていこというメッセージを感じた。
また日本国民がちゃんと政治について興味を持って声を上げていかないと行けないということや
民主主義なのに監視し合うような日本社会はどちらかというと共産主義寄りということが頷けた。
内田樹は大学受験の塾で小論文のためによく読んでいたので懐かしい気持ちに -
Posted by ブクログ
内田樹先生の本の読み方にはコツがある。
真面目に論を追わない
信じすぎない
楽しむ
である。
私が内田先生の本を数十年手に取っているのは、
いつも同じことを言っている
からである。
日本や世界でさまざまな出来事が起こっても新しいテクノロジーがでてきても
いつも同じことを言っている
のである。
さまざまな出来事に揺さぶられ、新しいテクノロジーを持て余してしまう自分には、変わらぬ内田先生を確認することで、自分の頭をマッサージしているのである。
もっと自由に考えて行動していいんだよ
本書のメッセージはまさにいつも内田先生が繰り返していること。
今回の内田節はウスビ•サコ先生ともうまくマッチ(時 -
Posted by ブクログ
読み終わるとやっぱり京都に行きたくなる。秋だし。
と同時に、やっぱり京都っていけずなのね。住めないわと思う。
サコさんのように、言いたいことがあるならはっきり言ってよと思うタイプの私は、住民としてはお呼びでないだろう。
自分の中の京都が、観光地としての京都であり、つまりは表の京都なんだとよく分かった。
京都人たちの普段の京都は特によそさん(余所者)いけずだけど、それは伝統と革新を繰り返す誇りと威厳の現れなんだろう。防御は最大の攻撃みたいなものかな。
昔のJR東海のCM「そうだ、京都いこう」。
このCMの音楽と風景の美しさに圧倒され、今でも春や秋になると京都に行きたくなる。そろそろ旅行するに -
Posted by ブクログ
京都精華大学学長のウスビ・サコ氏の来歴と主に教育や大学についての考え。外国人から見た世界を知ることで自分たちが持つ暗黙の前提に気づきやすくなる。暗黙の前提はコモンセンスであり,それがなりたつ世界なら不自由はない。しかし,その前提ありきで社会が悪くなる(個人レベルで幸福度が下がる)のなら前提を疑う姿勢を持つ必要がある。平時には前提はゆるがないので,平時が乱れたときがチャンスであり,それを見極めることが時流に乗ることにつながる。時流に乗れなくても,結局は収まるべき所におさまっていくので,今までの何かを変えようとする動きも結局は流されているだけとも言える。流れに乗っているか流されているか,流れの中に
-
Posted by ブクログ
わかりやすかった。
その手の専門書では、おそらく、わかるようなわからない、たくさんの専門用語やカタカナの言葉に埋め尽くされて、ググるだけで進まないだろうから。
自分の経験からの考察、提案でわかりやすい。
地域とか個人で限定的な気はするけれど。
にぎやかでよろしいね。京都ならでは、かな。
生徒に「今俺にメチャクチャ迷惑かけてるやんっ」て言ったのかな?相手は何て言って、結局変えたのか、そのままなのか、結果からどうしたがベストとか感想があったのかとあ。
「僕はコーヒー」というのが納得いかないって、母国語なりを日本語にして発言したらどうだろう、とか。コーヒーを一杯ください、とはならないのかな。とか -
Posted by ブクログ
いけずな京都の話にしんどくなる
自分が下のランクの人間と差別される
遠回しに親切に教えてくれるんだけど結構傷つくんだよな
サコさんもどれだけ差別にあって傷ついただろうに
本の結構なボリューム書き連ねてる
読者ビビっちゃうよ笑
30年住んでるとヘーキになるのかな
コミュニティのある町、面倒見のいい所利点もたくさんあるし
そこで頑張って今の居場所があるんですね
イノベーションを起こすのは京都の外から来た人
家を継ぐ人はこのままじゃダメだと思っている
精華のような斬新な教育を求めてる
精華は海外の人を受け入れたりするのに熱心で
伝統工芸に遠い所と思っていたが
実は何代も続く御曹子が学んでいたり