チェ・ウニョンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
韓国人の女性作家の短編集って、どれも良くて大好きです。チェ・ウニョンさんも大好きな作家さん。
女性たちの生きる苦しみや悲しみが描かれていて、胸が締め付けられました。
あんまり日本人作家はここまでやり切れないような悲しみを書く人は少ない気がします。どこかに希望を残したり、ほっこりするような結末が多いような。韓国人作家さんはそこを厳しくも温かく見つめて描いてくれる。どちらが良いという訳ではないですし、どちらも好きですが。
どこにも持っていきようのない気持ちをすくい上げて悲しみに寄り添ってくれるような小説でした。本書を読んで救われた気持ちになりました。自分の苦しみを知っていてくれる人が世の中にいる -
Posted by ブクログ
ネタバレとてつもなく繊細な心の機微を描いている。私の気持ちを言葉にしてくれたと感じられる場面も、そういう世界の捉え方があるのかと学んだ場面も多くある。
弱い人たちが生きていくにはあまりにも痛みを感じさせてしまう世界。平凡な人々が、どれだけ傷ついても、自分にしかない人生を必死に生きている。
「人生とは仕方なく受ける罰のようなものだと捉えることが多かった」「欠乏感を抱きしめ、それを必要以上に憎んだり、哀れんだりすることもなく、ただ一日一日を生きていく」
なんでこんなにも、人生を言葉として表現できるのだろう。作家の言葉が体中に沁みわたり、涙を堪えながら読んだ。
「日本の読者の皆さんへ」を読むだけでも、 -
Posted by ブクログ
高校生の時に購入したが途中で離脱してしまったものを数年ぶりに読み返した。今だから理解できるシーン、共感できる心情が多くあったように感じる。
友人、恋人など人との関わりの中で、「愛ほど不公平な感情はない」という。どんなに愛し合っていたとしても、相手よりたくさん愛している人と、相手の方がたくさん愛している人が存在してしまう。愛とはそういうものなのだ。しかし、私も含め多くの人はら自分がこんなに尽くしたのに相手から同じ対価が返ってこないと、知らないうちに不満を感じ始めてしまう。こうした、日常に起こり得る気づきが散りばめられた作品だったと思う。
自分は絶対に人を傷つけるわけがない、と思っている人にぜ -
Posted by ブクログ
今はもう会えない人や帰らない時間を思いつつ今を生きていく人たちの短編集。
著者の「この本を読むことで、私たちのあいだに存在する普遍的な何かに触れると同時に、私たちの違いについても具体的に経験してくれればと思っている」という願いがまさに当てはまった本だった。
名前の覚えづらさや、過去と現在を行き来する構成などもあって、何度も「んん?」となりつつも最後まで読みたくなる、そんな話が多かった。
身近な人に素直に優しくできなかったり、酷いことを言ってしまったり、そういう後悔ってきっと誰にでもあるんだろうな、と感じる。
読み終わってこっちの世界に戻ったときに、外からは分からなくても、誰だっていろいろ乗り -
Posted by ブクログ
「わたしに無害なひと」とはどういう人なのか。
それは時々ふと思い出すような人だと考えます。
多くの人がそうであるようにわたしも中学校や高校の友達とは既に疎遠になってしまっています。
少し悲しくなる時もありますが、人は変わるのは当たり前でたとえ今連絡を取り合ったとしても共通点が無い限りまた頻繁に会うようになることは中々ないでしょう。
しかし、会わずとも時々その時の記憶を思い出して相手の健康と幸せを願うことがあります。
たとえその相手との記憶が少し苦いモノであっても、わたしの人生において印象に残った人としてずっと忘れることはない相手です。
少なからず私を成長させてくれたり、私に新しい感情を与え -
Posted by ブクログ
初めてチェウニョンさん作品。K-BOOKフェスでサイン本が売ってたから買おっかなと思ったらけど、まだ文章を読む前にサイン本を手に入れるのは憚られてとりあえず最新作を読んでみた。
血縁だけに限らず「仕方ない縁」みたいなものがついて回る感覚で、迎合してないけどこびりついたまま生きていく薄暗さを感じた。
この暗さは嫌いじゃないから、他の作品も読んでみたい。
・心の奥では理解しているのに、言葉で表現できずにいた数々が言語化されると幸せを感じた(略)
・生まれたときに貧しいのは罪じゃないけど、死ぬときに貧しいのは本人の罪だろ。
・記憶することは、愛する人たちの魂を、自身の魂を証明する行為だと