直良和美のレビュー一覧
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はみだしっ子分署シリーズ、4巻目。
今回は分署イチの暴れん坊気質ロマーノが
ゴミ置き場で赤ん坊を見つけちゃって
しかもその子があやうく死にかけで
もうめちゃくちゃ愛情傾けて
保護者探しに奔走します。
一方、その対極のようなチャラ男アラゴーナ。
近所のガキんちょに「腕利きの刑事」なら
迷子の仔犬を探してくれよ!と泣きつかれ
まんざらでもなく捜査開始。
赤ん坊と仔犬。守られるべき存在。
どっちも問題のある刑事たちの
人としての根っこの部分の温かさがみえて
ますますシリーズに愛着湧いてきた。
隣のサイコパスがついに
本筋の事件に関与か!?と思わせて
実は微妙に平行線上の別件とか…ヒヤヒヤ。 -
Posted by ブクログ
今回、同時並行するのは
兄妹が惨殺された殺人事件と
児童虐待疑惑の解明事件のふたつ。
めっちゃ頑張って事件に対応してるのに
いつまでたってもお偉方は
P分署を取り潰そうとネチネチ言ってくる。
確かにそれぞれ問題児ではあるけど
警官としての矜持だけは持ち合わせてる!
3冊目ともなると
そんな彼らの人生が幸せな方へ
向かって欲しいと思うようになるわ。
読者だけが知っている
隣のサイコパスも心配ですが( ̄▽ ̄)
もちろん謎解きの方の要素もしっかり。
刑務所帰りの父親とか、DV疑惑の妹の彼氏とか
何人かいる容疑者の
どの動機も決定打に欠ける中…
とはいえやっぱり引き金になった
出来事はあったわけで。
もう少し意思の疎通があれば済んだのに。
また1年に1冊でもいいので続きが読みたい。 -
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久しぶりすぎてこれまでの内容をほぼ覚えていなかったが問題なし。
リディアとビル、そしてリディアのお母さんがどういう人か、最初の会話シーンだけで大体わかる。
南部というと黒人差別のイメージはあったけど、法律が変わり世代交代しても根深く残っているのか…。そして同じ国なのに北部(ヤンキー)は南部のことをほとんど知らないのね。まぁそういうものか。遥かに狭い日本でも違う地方のことは全然知らなかったりするし。
かなり込み入った事件で登場人物を覚えるのが結構大変だったけど、面白かった。
二人の関係が変わってしまうのはちょっとだけ嫌だな。でもどんな風になるのか楽しみでもある。 -
購入済み
はみ出し者の寄せ集め
こういう設定、好きな人多いよね。まさに、そんな人うってつけ。でも、なんか解き明かすって感じじゃない。結末への持ってきかたも今ひとつで盛り上がらない
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警察小説。
87分署(読んでない)の流れをくむ?謝辞に「とても真似のできない理想像 エド・マクベイン」とある)
同じ系統の作品とされるマルティン・ベック シリーズに比べると、あっさり。日本の小説雑誌に連載で掲載される警察小説の風味。軽くて読みやすかったが、メインとなった殺人事件の結末はちょっと物足りなかった。
主人公のロヤコーノが魅力的な女性たちにモテているところはいい。中国人みたいなアーモンドアイというのも、想像するとかっこいい。
ナポリが舞台というのもいい。イタリア好きとして、風景・情景描写、人物描写、人物の心理描写、つまりどこを読んでも心ときめく。
英語版からの重訳。ときどきイタリア語のままで意味がよくわからないことばが出てくる(説明文を読み落としたのかもしれないが)。バッソとか(「低い」って、何?どうやら低所得層が住むエリアか集合住宅のことらしいのだけど)
クリフハンガー形式。つまり、次のテーマとなるであろう話の展開がチラ見せされる(それは、あまり好きではない。1作のなかでとりあえず完結させてほしい) -
Posted by ブクログ
<P分署捜査班>シリーズの2冊目。
今度は、前作とはペアが異なり、メインとなる誘拐事件にロマーノとアラゴーナ、奇妙な空き巣事件をロコヤーノとディ・ナルドという組合せで捜査が進む。
前作で彼らを含めた分署のメンバーの人となりや事情は分かっているが、新しい組合せでちょっとした別の一面が見えてくるのが一興。副署長がこだわり続ける一連の自殺案件にもちょっとしたサスペンスあり。今回も結構面白く読んだ。
前作同様、彼らの個人的な事情や悩みを読んでいる内に事件は解決していった感じだが、“問題のある警官たち”ではあるが、皆、警官としてはなかなか有能なのである。 -
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「おすすめ文庫王国2022」の「冬休みに読みたい!おすすめシリーズ(ミステリー)」で推されていたので買ってみた(とっくに冬休みは終わっているけどね)。
ナポリでも治安最悪の地区にあるピッツォファルコーネ分署で、汚職により捜査課に大量欠員が発生。そこで各地から腕利きだが問題のある警官たちが送り込まれ、急造で捜査チームが結成される…というところから始まるお話。
敏腕であるが独自の捜査方針を貫いて左遷されたロコヤーノ警部、暴力衝動を抑えられないロマーノ巡査長、度を超えた銃器好きのディ・ナルド巡査長補、コネ就職でスピード狂のアラゴーナ一等巡査という面々に、新任のパルマ署長、不審な自殺を調査し続けるピザネッリ副署長とコンピュータに詳しいカラブレーゼ副巡査部長が彼らを支える。
シリーズ物の最初の巻なので、登場人物の背景について語られる頁が多いのだが、彼らの個人的な事情、悩みや心の闇を読んでいるだけでなかなかに面白い。捜査はおまけみたいな感じだが、イタリアの市井の暮らしが良く知れる。 -
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今回も、同時並行する2つの事件を
それぞれのチームが捜査して
別々に解決するんですね。
でも、誘拐事件の方が時間との勝負だから
空き巣事件担当のロヤコーノたちが
あっちは大丈夫か…なんて
頭の端で心配しながら動いてるのが
群像刑事部屋っぽいな。
1巻でサラッと紹介されていた
各キャラの私生活の悩みも
ぐっと掘り下げられているし。
…すごい近くにサイコパスいるし…
そっちも気になる。
軽くネタバレになるけど
誘拐の方の真犯人がつい口にした
「犯人しか知り得ない情報」
あとから読み返して悔しかったです〜。
ほんまや〜。スルーしてたわ〜。
ちょっとモヤモヤする結末なので
また続きも訳してほしいです。 -
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マウリツィオ・デ・ジョバンニのイタリア警察P分署捜査班シリーズ第2段(邦訳版として)です。2013年(邦訳版2020年)に''集結''が刊行され本作も2013年(邦訳版2021年)刊行です。
ナポリにあるピッツォファルコーネ署のP分署は、イタリア各地の警察署から訳あり捜査官を寄せ集めた除け者集団で、それぞれが問題を抱えている。
・副署長ピザネッリの妻カルメンは自殺したが自殺者の急増にピザネッリは疑問を抱き独自捜査をしていたが、犯人は友人の修道院の院長レオナルドなのだ。(今回の事件とは関係有りません)
・ロヤコーノは、離婚し別居。今は母親と仲違いした娘マリネッラと同居しているが、検事補のラウラを慕っていて時折り娘が邪魔だと思う。
・ロマーノ巡査長は妻を殴って別居状態。
・オッタヴィアは、重度の自閉症を患った子供を持ち家庭生活も上手く行って居ない。
・アラゴーナ巡査は、スピード狂で高級ホテル住いだ。資産家の息子でお金には困って居ないが世間知らず礼儀知らずで他人を慮る事を知らない。
・アレックス巡査長は、射撃の名手で両親と同居している。同性愛者。
ここの刑事は、全員問題を抱えて居て孤独なのだがP分署の汚名を注ぐべくチーム全員一丸となって捜査に挑む姿はいじらしい。
事件は、スポーツジム経営の夫妻の邸宅に夫妻の週末旅行の隙に空巣に入られた事件だが様子が怪しい。盗まれた物に隠し事がある様だ。二つ目の事件は、美術館で課外活動中の小学生の生徒ドドが女性に誘拐された。
様々な問題を抱えた捜査員がドドの無事を祈りつつ懸命に犯人を追うが誘拐犯の行方は不明だったが、アラゴーナの悲しい閃きとロヤコーノの担当する窃盗事件の証拠品から主犯が割れ、ドドの監禁場所が特定された。
結末は、何ともモヤモヤと胸に重く残るシーンで終わります。
恐らく続編に繋がる筈(じゃないと、この終わり方は納得出来ない!) ですので、創元推理文庫さんは続編の翻訳版を早く上梓して欲しいと願います。
ロヤコーノ警部シリーズは現地では2012年が初刊で2020年までに10作が刊行されてます。全てがP分署捜査班シリーズなのか不明ですが邦訳版の刊行が待たれます。
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イタリア市警のロヤコーノ警部は、単独捜査だが凄腕刑事で上司から疎まれ閉鎖寸前のナポリ、ピッツォファルコーネ署、通称P分署に飛ばされた。捜査班の面々は、スピード狂で市長の縁故アラゴーナ・拳銃マニアの女性刑事アレックス・不祥事を起こした刑事の元同僚でコンピュータに詳しい女性刑事オッタヴィア・暴力的なロマーノ刑事と定年間際の副署長ピザネッリだ。
早速事件発生、公証人フェスタの妻が自宅で殺された。妻のコレクションのスノードームで殴り殺された。
一方で半身不随の老婆から不審な家が有ると P分署に通報が入った。不審なアパートは老婆の向かいで女性が監禁されている様だと。
本作は、イタリアではP分署シリーズとして2017年からTVドラマ化されてます。緊迫した追撃や銃撃戦の派手さは有りませんが個性的な4人の問題刑事達が結束して捜査するストーリーは地道に足で稼ぐ刑事然として親しみが湧きます。殺人事件と監禁事件の二つがどこで交錯するのか読みながら期待が膨らみます。 -
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21世紀の87分署。そんなシリーズが始まって二年目。最初の頃の本家87分署シリーズは、確か年間に三作ほどのハイピッチで出版もスタートしていたが、徐々に年二作となり年一作となってゆく。しかしページの厚みは時代の流れとともに増して行った。生活スタイルの推移や、世相や思想の変化などが、取り扱う事件にも徐々に変容を強いてきた感がある。
でも人間の罪業に、きっとあまり変化はないのだ。愛、嫉妬、憎悪、物欲、激情、その他。人間の愚かさも誠実さもひっくるめて、都市に営まれる悲喜こもごもの愚かな人間たちのやりとりも誠実な人間の人生も、そんなには変わらないのだ、きっと。
無論、捜査手法には科学技術の進歩が影響やスピードを与え、昔よりもずっとDNA分析やIT技術による電子的足跡の追尾など、様々な現代的側面が与えられている。
しかし本書を読む限り、捜査側も犯罪者側も根本的には相も変わらず、人間的な弱さやら個性やらを振りまきながら、日々、街に起こる大小の犯罪と向かい合い、ギリシャ文化以来変わることのない様々な人間的悲喜劇と向かい合っているようである。本書の刑事たちもそれぞれの人生を与えられ、仕事とプライベイトと、心情と弱さを持ち合わせつつ、事件に対峙してゆく。その辺りは、87分署の原典とあまり変わらない。
むしろそうしたディテールに拘って書き進めてゆこうという、作者のシリーズに対する姿勢が垣間見える辺りに、87分署シリーズとその偉大なる作家エド・マクベインへの強く深いオマージュを感じさせてくれる。
犯罪者側にも、その愚かさと止められない悪意、強欲、追いつめられてゆくこで消耗してゆく人間性、などなど、実にヒューマンな要素がたっぷり詰め込まれている。多くの人間を代わる代わる手を変え品を変え描いてゆくことで、本シリーズに魅力を加味するのだと言わんばかりである。
シリーズ第二作の本書は、マクベインの87分署でも傑作と名高い『キングの身代金』を彷彿とさせる<誘拐>を主たる犯罪テーマとして描いている。もちろん件の名作とは全く異なる内容なのだが、シリーズ二作目にしてこうしたテーマに挑もうとする作者のチャレンジ精神には敬意を表したく思う。
ネタバレになるのであまり言いたくないのだが、本書はいくつかの事件にとっては経過的ポジションに当たるので、本当は5作くらい翻訳本が出てから一気に連続して読んだほうが味わいがあるように思う。キャラたちも未だシリーズが浅い間は、記憶に根付かない。シリーズの群像小説は、連続性が途切れるのがちと辛い。
87分署シリーズの方は、ぼくは一気に30年分くらいの作品を連続して読んだので、あの時期のことは、マクベインとお会いできた追想、その後マクベインの死を聞いたときの悲しみも含め忘れ難い。そうした87分署体験をしているだけに、本書にも長いスパンでのシリーズ傑作として、世界を代表する警察小説に成熟してほしいと思う。次作を待ち焦がれます。