あらすじ
「証明してくれよ、おれが犯人だと」銃を持って私立探偵ビル・スミスの家に押しかけてきた男はそう言った。彼の名はサム・テイバー。かつての依頼人で殺人者だ。収監された刑務所で絵の才能を見出されて仮釈放となり、現在は画家として活躍中。記憶も証拠もないが、最近ニューヨークで起きた二件の女性殺害事件は自分の犯行だと主張するサムの話の真偽を調べるため、ビルはサムと交流のある美術業界の関係者を相棒リディアと訪ねる。だがその矢先に、第三の犠牲者が……。必読の現代ハードボイルド〈リディア・チン&ビル・スミス〉シリーズ!/解説=吉野仁
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Posted by ブクログ
CL 2023.8.23-2023.8.24
今回の語り手はビル。
「おれが犯人だと証明してくれ」という、いかれた天才画家サムの依頼で殺人事件を捜査することになる。サムは、まあ、どこか精神疾患があるんだろうなと思わせる変わり者だけど、非常にチャーミング。惹きつけるものがある。だからこそ真犯人はちょっと悲しかった。
ビルとリディアの関係も安定してきて、これからも楽しみなシリーズ。
Posted by ブクログ
リディア・チン&ビル・スミスのシリーズ第13作目。今回は、ビルのパートです。前作「南の子供たち」が、かなり面白かったので、今作も期待大です。
ビルの元に、殺人者で有り、かつての依頼人、現在は、画家として活躍しているサムが、「殺人事件の犯人だと証明してくれ」という依頼を持ち込みます。興味を引く面白い出だしですが、途中までは、展開も遅く、退屈で読むのを諦め掛けましたが、残り3/4の所、ある殺人が起きた所から、一気に物語が、加速します。最後の最後には、お約束の反転シーンも有ります。伏線回収も含めて、残り1/4は、お見事です。
☆4.5天才には、生きづらい世の中です。
Posted by ブクログ
今回はビル視点で話が進む。
彼の回は、ハードで、痛みが伴い、事件が解決した後もやるせ無さを感じる印象だが、今回は違った。
だが、もちろん面白い!
ページを捲る手を止めさせない話運び、軽妙でユーモアのあるやりとり、リディアとの関係、憎たらしくてイラッとさせる登場人物、反対に魅力的でタフな人物。
中でもリディアのお母さん、彼女は最高だという点では満場一致だと思う。
きっと次作が出るだろう来年が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
予想通りの犯人。なのになかなか解決しないので、作中で言っていたように探偵コンビは鈍くなったのかも。
でも犯人当てよりも、あちこち移動して話を聞く過程が面白いので満足。
久しぶりで忘れてたけどビルの一人称って「わたし」なのか。そろそろシリーズ最初から読み返したくなってきた。