宇田川元一のレビュー一覧
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黒字だから安心ではない。現在の日本で増えている緩やかに衰退する企業体質を変革すノウハウが詰まった一冊。
企業変革というと、大きな赤字を抱え、会社が倒産の危機を迎えている時に動くイメージがあるが、ここで取り扱われているのは徐々に勢いが下がり、黒字ではあるがこのままいくと数年、十数年先に危機が訪れる会社での変革。実は多くの日本の大手企業は該当するのではないかと感じた。
特に多いのは、一度出来上がった優秀なビジネスモデルにあぐらをかき、そのモデルを維持するために分業化、オートマチック化をした結果、新たな一手を生み出す構造がなくなった企業。
もちろん、ダウントレンドであるのは理解していても、現業をそつなくこなすことが使命となった現場では、新事業の立ち上げの必要性は感じつつ実際に立ち上げることはできない。
しかし、それは個々のメンバーが優秀でないとか、誰かが阻害しているわけではない。そもそもの内部構造が組織的無能化に陥り、変革が起こせない状況になっている。
本書では、この状態がなぜ危険かから始まり、組織的無能化が起こる原因、そして、経営層やコーポレート部門、さらには現場の社員がどのように動くべきかのヒントが散りばめられている。
読みながら、自分の会社のことを書かれているのではないかと思うほど当てはまることが多く、危機感を感じた。
視野が広がり視座も高まり、社長の発信の真意に近づけたのではないかと思う。 -
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現状認識と提言に分けてまとめると、以下のようになります。
【現状認識】
慢性疾患企業の特徴
・組織全体が無能化し、個々の能力不足ではなく組織の仕組みに問題がある。
・経営層が一致団結しておらず、戦略が曖昧なため、現状維持が続く。
・部門間で対立が生じ、相互の理解不足が改革を妨げている。
戦略の不明確さ
・戦略が具体的な課題解決策として明確化されていない。
・数値目標や方向性の提示にとどまり、実行力を欠いている。
DX推進の課題
・部門ごとにDXの意味合いが異なり、統一した理解がない。
・過去の成功体験が組織の惰性となり、変革の妨げになっている。
コミュニケーションの不足
・部門間や上下関係のコミュニケーションが不足しており、対話が機能していない。
・メンバーが自分の役割を十分に理解できていない。
【提言】
戦略の明確化
・組織の課題を深く掘り下げ、具体的な解決策を示す戦略を策定する。
・明確な戦略によってメンバーが自分の役割を理解できるようにする。
コミュニケーションと対話の促進
・部門間や階層間の対話を促進し、互いの視点を理解するための場を設ける。
・ストーリーテリングを活用し、メンバーの日常業務と変革をつなげる。
DX推進の再定義
・部門ごとに異なるDXの意味合いを調整し、共通の理解を醸成する。
・過去の成功体験を学び直し、変革の糧とする。
ケアの視点の導入
・推進部門は事業部門の特性や課題を理解し、支援に徹する。
・メンバー個々の実感や違和感を反映した変革の方向性を探る。
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・危機的状況ではないけど、緩やかに崩壊に向かっている慢性疾患を患っている企業に対する考え方。関係者個々人が無能というよりも、組織が無能であることが多い。
・そこかしこに、伝統的日系企業での出来事が紹介。なんか目を背けている現状を丸裸にさらされた気分。
・業務のデジタル化は、DXの文脈で進められている。この場合既存事業部は変わりゆく環境への適応が求められる。今までの仕事のやり方や考え方の変更が必要。その適応過程を支援する「適応的リーダーシップ(adaptive leadership)」が必要。
・経営層がバラバラだと下は横串を通すような活動は行わない。慢性疾患企業あるある。
・なんちゃって中期経営計画では、変革が求められるにも関わらず、資源配分の変更を伴う戦略的意思決定を行う水準まで全社戦略が明確にされていない。この場合メンバー層は「現状維持か」と受け止める。日常的にあるが深刻な状況。慢性疾患企業あるある。
・「経営戦略」とは、外部環境のもたらす不確実性に対し、自分たちの事業やその方向性についてどのように意思決定を行うのかを示すもの。
・戦略とは困難な課題を解決するために設計された方針や行動の組み合わせであり、戦略の策定とは、克服可能な最重要ポイントを見極め、それを解決する方法を見つける、または考案すること。
・スペースX事業において「宇宙を目指す」は戦略でない。数値目標を明示したり、目的の意義を説明することも戦略ではない。この事業の戦略は、宇宙船のコストが高すぎることを事業機会として、その解決のために大気圏突入時のスピードをコントロールすることで宇宙船を再使用すること。新たな事業機会が見えかけたとき、その可能性を実現するための課題がなにであるのかを考えつくして初めて戦略が明確になる。
・多くの「戦略」は、自社が行おうとしていることの概要と数値目標の提示にとどまり戦略になっていない。これは自組織の機会や課題の理解が浅く、それらを捉えた変革の方策が考えられていないため。資源配分を大きく変えるほど新領域への事業展開に対して腹が決まっていなかったりする。
・戦略の明確性を上げるためには、事業の課題をしっかりと掘り下げ、メンバーが日々の仕事の中で発見した市場の変化や機会をいち早く掴み、重要課題を見極め、その勝ち筋を見つける、という一連のプロセスを実行することが求められる。
・階層間コンフリクトが起きており、組織の多元的な合理性を認め、それを調整していくことが求められる。
・全社戦略の変革の方向性が見えると、それに従って自ずと様々な情報がボトムアップされ、具体的な施策がアップデートされる。そこから様々な事業展開や自社技術や資源の活用方法のアイデアが生まれ、次の変革のインプットとなる。
・つまり、全社的にアイデアを拾い集め、新たな全社戦略や変革施策と撚り合わせることが必要。
・各部門各人が変革の全体像をイメージしつつ、少しずつ自らの役割を担い、齟齬が生じた場合はその都度調整しながら変革を進める。
・つまり戦略と活動のアライメントが必要。
・DX推進では、DXの自社にとっての意味合いに多義性があり、DX推進部門と事業部門では意味合いが異なる。それを認知しないといけない。推進部門が事業部門の問題意識に踏み込めれば、双方にとって意味ある施策を展開できる。
・過去の成功体験そのものが悪なのではなく、それを通じて作られた分業や仕事の進め方のルーティンが形骸し、慣性力が働いた結果、惰性で事業が運営されているのが問題。
・また本来は複雑なプロセスであったはずのその成功体験のKSFが忘れ去られ「運がよかった」「あの人が優秀だった」など単純化して語られてしまう。
・変革が進まないのはあなたの意識が足りないからだ、と個人の問題に転嫁させる。慢性疾患企業あるある。
・変革する人とされる人の二項対立の構造にしてしまうと、変革される人も実はその意識や考えは持っているため、ムラ対ムラの構造になる。
・事業部門内では既存事業に慣性力が働く一方で、現状に対しても違和感は持っている。この違和感と変革内容につながりが見出せなければ、結局既存事業を軸にこなすだけ。これは、経営層が打ち出す戦略の明確性の低さや、その戦略の中で個々人が自分も位置づけを見出せないことによって生じる。これを個人の意識の問題にすり替えてはならない。
・企業変革をするのは推進部門でなく事業部門である。推進部門はあくまでも変革を支えるのであり「組織をケアする」という視点にたつ。
・ケアのロジックにおいては、支援する相手にはそれぞれ固有性や独自性があり、相手を一律の基準で評価せず、その直面する困難や課題について固有性や独自性を認めて肯定する。
・DX推進においては、DXの必要性や正当性を示すよりも、推進部門が事業部門の課題や困りごと、彼らのこれまでの取り組みについて理解しようと試み、その課題や困りごとに対してDXを役立てる道を探るということが、ケア的な視点にたったアプローチである。
・エンゲージメントサーベイにおいて悪い結果が出ても何も変わらないのは、事業部門はその数値そのものについては困っていないため。事業部門の困りごとは「競合との競争」「人手不足」「アイデア枯渇」。サーベイの数値はそうした事業の結果、症状である。困りごとを解決しない限り、本来改善されることはない。それにも関わらず人事部門はサーベイ数値自体に危機感を持つので、「相手はわかっていない」「危機感が足りない」と言う。お互い相容れない。慢性疾患企業あるある。
・上司と部下の関係も、DX推進部門と事業部門の関係も同じ。自分たちの見ている世界の延長線上に相手を見ているときはわからない。変革の停滞という問題の中の多義性を認め、それがなぜ起きているかについて相手の視点を通じて知ろうとするとき、初めて対話の入り口に立つ。
・1on1やエンゲージメントサーベイが現場で受け入れられず、面従腹背やアリバイ的な実施に留まることがある。問題の多い現場ほどありがち。慢性疾患企業あるある。
・これを進めるために「対話」を実行させようとする。これは施策の是非には議論の余地なくそれを一方的に理解させる場という前提の「対話」にしかならない。これも慢性疾患企業あるある。本来は、相手の生きる世界を相手の視点で捉え、それに自分が応答し、自分が変わるプロセスことが「対話」である。
・対話において、メンバの危機感をあおる方法は、メンバーに危機感が足りないから変革的な行動につながらないという理解を前提にしている。メンバー本人にも危機感はあるものの、そもそも自分が何をすればいいのかがわかっていない。組織の問題がメンバーの生きている世界や、日々の実感とどうつながりがあるか、メンバー自身が自分でできることがあると感じられるかどうかが重要。メンバーの日々の仕事での実感と相容れない言葉で危機感をどれだけあおっても、「自分には関係ない」「自分にはできることがない」となる。危機感が足りないわけではない。
・聞き手であるメンバーの実感を伴いながら、いかに取り組むべき問題への参加を促すのか、それが組織の自発性を生み出すために必要な視点である。
・そのメンバーの違和感や悔しさと自分たちが進めようとしている新たな変革の方向性の接点をともに考え、新たな連帯を構築するためには、具体的な日々直面する問題を反映したエピソードを使った「ストーリーテリング」が有効な方法。 -
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第2章
p.64 企業変革に必要な4つのプロセス
1. 全社戦略を考えられるようになら:自社の将来的な方向性を示す全社戦略を構築
2. 全社戦略へのコンセンサス形成
3. 部門内での推進
4. 全社戦略•変革施策のアップデート
第3章 構造的無力化はなぜ起きるのか
p.95 組織の断片化が進むと、環境に対する認知の幅は矮小化する。その結果ら現在の事業枠組みの外で起きる環境変化をうまく捉えられなくなり、あるいは何が新しい変化の兆しを捉えてもらそこから新たな事業を構築したり実行したりすることが難しくなる。これを本書では問題の「不完全化」という。
第4章 起業変革に必要な3つの論点
p.116
「現在の状況はXXである」というように、明確に説明できる状況は、多義性が低い。一方、「現在の状況は、XXかもしれないし、あるいはそれ以外の何かかもしれない」というのは、多義性が高い状態である。この「多義性」は、「不確実性」とは異なる概念である。不確実性とは例えるなら、電気自動車が普及するのか、ECが普及するのかなどに関する確実性の度合いである、問題、論点自体は明確で、その問題・論点が求める結果に至る確実性の度合いを示すものである。一方、多義性とは、問題や論点の解釈が複数存在している状態である。
第7章 「変わらない」壁を乗り越える
p.228 社会心理学社のケネス・ガーゲンは「協応行為によって意味が生み出され、私たち自身もその意味でを通じて自分たちが何者であるかを理解する」ことを述べている。つまり、自分が行なっていることの意味は、その個人のみでは確定されず、他者からの応答、さらにそれに対する応答の連鎖という、一連のプロセスの中で生成されるということである。 -
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組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2
著:宇田川 元一
この本では、組織における行き詰った状態を「組織の慢性疾患」、その状況と自身の関わりに気付き、慢性疾患に一歩ずつ取り組み続けるプロセスを「セルフケア(自分自紙をケアすること)」と捉え、膠着した状況を動かすヒントをつかむ「2on2」という対話の方法を紹介している。
この対話の実践を通じて、組織が変わることを目的としている。組織が変わるとは、自身のみならず、周りのメンバーが見えている組織の風景が変わること、組織の中の様々な出来事の意味が変わることである。
構成は以下の8章から成る。
①組織で対話が必要な理由
②組織が抱える慢性疾患へのアプローチ
③対話とは何か
④新しい対話の方法「2on2」とは何か
⑤2on2の何が効果的か
⑥2on2を実施する前にやってはいけない6つのこと
⑦なぜ、2on2を開発したのか
⑧組織が変わるとはどういうことか
組織が変わるとは、やはり「人」が変わること。
そして、他人ではなく、自分が変わる。自分が気づくことが大切である。「対話」をキーワードとして組織の慢性疾患へメスを入れていく。
他人に委ねるのではなく、「自分」が覚悟を持って本書で紹介されている2on2という手法を使い、自分から気づき、自分から変わる。
組織が変わるには大きなエネルギーやうねりが必要である。そしれその初めの一歩が何よりも色んな意味で労力を費やす必要がある。そしてそれは待っていても勝手に起きるものではない。 -
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まだ2on2を実践できていない、読後の感想として:
直前に『トヨタの会議は30分』を読んでいたのだが、こちらの本の「終章」に、トヨタイムズにあるエピソードが紹介されており、何かつながりを感じている。別物として2冊続けて読んだが、細部と思えるような「やり方」に物語は現れていて、垣間見えるところから全体像をつかみ、良いと思う方向に変えていく。いわゆるハウツー、型から入るアプローチもある。わたしとあなた、それぞれの物語を知ろうとするところから始めるのもあり。そんな受け止めが、つながりを感じた理由のように思う。
まったくの誤読の気もするが、細部を積み上げていく結果『組織が変わる』を学びとして活かしていきたい。 -
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正論で殴り合うのは、もう終わり。絶望から対話を始める処方箋。
環境の変化に伴う人間関係の悩みに直面し、現実と向き合うためにオーディブルで本書を手に取りました。これは単なるコミュニケーション術の詰め合わせではありません。自分と相手の間にある埋められない溝を認め、そこからいかにして橋を架けていくかを説く、泥臭くも希望に満ちた組織論です。
特に響いたのは、技術的な問題と適応課題を分けるという考え方でした。仕事上の悩みは、スキルや知識で解決できるものばかりではありません。むしろ、それぞれの立場や背景、いわゆるナラティヴが異なることで起こる正しさの衝突こそが、苦しみの正体なのだと気づかされました。
わかっていても、できない。そんな自分本位な人間の性を否定せず、相手の目線に立とうとしても100パーセントは無理だと断言してくれる潔さに、逆に救われる思いがしました。大切なのは、自分だけの目線を世界のすべてだと思わない、一歩引いた俯瞰の視点なのだと痛感します。
一時期はビジネス書から距離を置いていましたが、苦しい時に他者の思考に触れる有益さを再確認しました。答えは自分で探すしかないという厳しさは変わりませんが、本書にある、わかりあえなさを対話の出発点にするという一節が、こわばっていた心を少しだけ軽くしてくれました。
相手を変えることはできなくても、自分の見方を少しだけずらしてみる。それだけで、明日からの景色が違って見えるかもしれません。 -
Posted by ブクログ
とても難しく、わかっちゃいるけど放置している問題への提案でした。
主となるメッセージは、
見えている問題ではなく、それが起きる慢性疾患の発生メカニズムをみて、セルフケアできる状態にする。
相互のナラティブを理解し、問題を認識し、向き合う。
本書の中で、覚えておこうと思った諸点は下記の通りです。
①自責が進むと孤立無縁に陥る
他責はダメ。自責=自分だけで解決しようとするではない。
しかし、そのように陥りがちな現実があることに改めて気づいた。
②なぜ?と問わない
なぜ?を問うと正解を答えたくなる。
いつから、認識した問題が起きたのだろうか?と聞くと問題が発生した状況など気づきが増える。
③反転質問
なぜ?問題が起きたのか?と質問するのではなく、
問題を起こすために何をするかを考えることで、翻って、問題のメカニズムを考えことができる。
反転質問は、なにかのワークショップファシリティの時にとても使いたくなりました。
2026年、1冊目は積読を減らしていく!の目標達成への第一歩でした。 -
Posted by ブクログ
色々な属性・立場の方との会議が増える中で、「こちらの意図が伝わらない」 「相手の意見が理解できない」と感じる(あるいは感じていそう)という場面に直面することが増えてきたように思い、本書を読みました。
本書は、組織内で生じる「わかりあえなさ」や「やっかいな問題」に対処するための、対話を通じた実践的アプローチを紹介しています。
■ 本書の主な内容
1. 技術的問題と適応課題
ビジネスの現場で直面する課題には、大きく以下の2種類があります:
• 技術的問題(Technical Problem):既存の知識や手法で対応可能な問題
• 適応課題(Adaptive Challenge):既存のやり方では解決できず、価値観や関係性の再構築が求められる問題
適応課題は、「わかりあえなさ」を前提とした対話や関係性の変化を伴うため、単なるノウハウやスキルだけでは解決できません。本書は、このような課題にどう向き合うかを教えてくれます。
2. ナラティヴの溝を渡る4つのプロセス
ナラティヴとは、それぞれの立場や背景から生まれる「意味づけの枠組み」です。
この違いは、しばしば組織内での対立や誤解の原因になります。
本書では、その「ナラティヴの違い」に橋を架けるための4つのプロセスが紹介されています。
1. 準備:自分と相手の見方が異なることをまず受け入れる
2. 観察:相手の言動や状況をよく見て、背景にある価値観を想像する
3. 解釈:相手のナラティヴを咀嚼し、自分との共通点・違いを意識化する
4. 介入:新たな理解をもとに、橋を架けるような関わりを実践する
このプロセスを丁寧にたどることで、「わかりあえなさ」を前提にしながらも、共通の意味を紡ぎ出すことが可能になります。
3. ナラティヴと対話の重要性
このようなナラティヴの溝を乗り越える手段こそが、対話です。
対話とは、相手のナラティヴに触れ、それを理解し、新たな関係性を築いていくプロセスです。
ここで重要なのは、対話と迎合はまったく異なるということです。
• 迎合は、相手に合わせて自分の考えを引っ込めること。つまり、自分が気づいた課題や違和感を手放してしまうこと。
• 一方、対話は、たとえ違いが明らかであっても、そこに橋を架けようとする行為。自分の信念も保ちながら関係を築こうとする姿勢です。
なぜ、わかりあえなさを前にしても対話に挑むのか。
それは、私たちが抱える適応課題を超えていくためです。成し遂げられないかもしれない理想を持ち続けること、誇り高く生きることが求められます。
■ 業務への応用
本書の内容は、以下のように業務へ活かせそうです。
• 会議の前や冒頭、関係性構築のタイミングで、立場・背景の異なるメンバー間のナラティヴの違いを認識し、共有の土台を築く
• 「話がかみ合わない」と感じた瞬間に、対話に立ち戻り、相手の言葉の背景を探る
• 適応課題の解決をあきらめない。――少し気恥ずかしいですが――誇り高く生きる