宇田川元一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まだ2on2を実践できていない、読後の感想として:
直前に『トヨタの会議は30分』を読んでいたのだが、こちらの本の「終章」に、トヨタイムズにあるエピソードが紹介されており、何かつながりを感じている。別物として2冊続けて読んだが、細部と思えるような「やり方」に物語は現れていて、垣間見えるところから全体像をつかみ、良いと思う方向に変えていく。いわゆるハウツー、型から入るアプローチもある。わたしとあなた、それぞれの物語を知ろうとするところから始めるのもあり。そんな受け止めが、つながりを感じた理由のように思う。
まったくの誤読の気もするが、細部を積み上げていく結果『組織が変わる』を学びとして活かしてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ組織論の話、つまり、経営論を説くビジネス書、
でも個人的な生き方、の話でもあるような、
『自分の小さな「箱」から脱出する方法』に近いような。
いろんな企業の実践も参照されていたり、
もともとナラティヴ・アプローチの発展した、医療・心理分野の事例もあり。
社会に出たとき、組織に所属した際の役割、肩書を介した人とのつながりのもどかしさ、欺瞞的な側面、それらとどうかかわっていくか、多くの人がモヤモヤしているもの。
人間であるよりも、社会人としての法則に従うことを求められて、
いろいろ空回りしているような状態で、みんながどうしようもなくなっている雰囲気もある。
その、分離、をあえて融合 -
Posted by ブクログ
・組織内で発生する問題には、解法がロジカルで明確な技術的課題と、複雑で非論理的、正しさだけでは解決できない「適応課題」がある
・適応課題を解決する上では、相手の視点に入り、共感し、新しい関係性を構築することが重要。この関係性をつくること=「対話」
・相手のナラティブを理解し、また相手のナラティブから見た自分のナラティブを想像し、解釈することで、橋を架けるアクションがとれる
・総論賛成、各論反対に注意。粘り強く、橋を架ける
・迎合、押し付け、馴れ合い、孤立、徒労感に気をつける。私と"それ"ではなく、私とあなた="わたしたち"で考え、共にゴールを目指す。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ既存の技術で解決できる問題を技術的問題、一方的には解決できない問題を、適応課題という。
対話とは新しい関係を構築するもの。
私とそれ、の関係と、私とあなた、の関係は違う。道具的な応答を期待しているか、固有の応答や関係を期待しているかの違い。
スターバックスは、私とあなたの関係を重要視するために、バリスタの顔が見えるように、全店を一時的に閉鎖して研修をした。
個人とは、個人と個人の環境で作られている。
相手を別のナラティブの中でとらえる。相手の背後になる課題を読み取る。
インテルは、メモリー事業からCPU事業に変化できたのは、現場のミドルが新たな道をすでに模索していたから。
現場には現場のナラ -
Posted by ブクログ
経営学が専門の著者が、組織の中で起こる人間間、部署間の軋轢、認識のズレをどうやって解決していけばいいのか、という方法について、「対話」による「ナラティヴ・アプローチ」を用いた実践について解説、紹介する本。随所で具体的な例も載っており、会社の中でうまくやっていくためのヒントになる本。
正直、産業系とかビジネス系の本って全く自分は読まないので、別に会社の中だけの話ではないことは分かっていて(というか、それだからこそ)読んでいるんだけど、なかなか面白いと思えず、困った。けどずっと読んでいくと、やっぱり今のおれの仕事やおれの振る舞いに直結する部分があることが否が応でも分かってくるし、一番びっくりし -
Posted by ブクログ
組織の慢性疾患に向き合う。
2on2への落とし込みはやや疑問があるが、慢性疾患のアナロジーで組織課題に向き合う点が参考になる。
◯組織の慢性疾患:
・新しい取組への他部門の協力が得られない
・新しい事業アイデアを出そうとする人がいない
・会議で誰も発言しない
・納期の遅れが常態化している
放っておくと悪くなるけれど、どこから手をつけたらいいかわからないのでそのままにしておく
→誰か優れたリーダーが変革するのではなく、私自身から継続的に日常的な“小さな変革”を積み重ねられると認識を変えることが重要
◯組織の慢性疾患「6つ」の特徴
1 ゆっくりと悪化する
2 原因があいまいで特定できない
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Posted by ブクログ
ネタバレ企業変革論の多くは明確な問題があることを前提とする。企業の抱える問題とは一致していない。徐々に悪化する慢性的疾患状況からの回復の手立てが必要。
長期的視点から見れば、既存の事業の継続だけでは衰退は明らかだが、新しいものが出てこない。
表面的な理解でそれを解決しようとすると回血液内。
構造的無能化のメカニズム
事業基盤を確立すると、効率を求めて分業化とルーティン化が進む=収益には貢献する。
その結果、組織が分断して、環境の認知の幅は狭くなる=変化の兆しを捉えても事業を再構築できない=不全化。
離職の増加、収益の低下など問題が起きる。
表面的な問題解決に終始する=表層化。