あらすじ
◎日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門 最優秀賞受賞!『他社と働く』 著者の最新刊。
◎今、最も注目されている学者が、職場のモヤモヤを解消する、新しい対話の方法「2 on 2」を初公開。
◎本書の効能はズバリ「7つ」ある。★1.自分も相手も見えている風景が変わる★2.自分でしょいこんでいた荷物をおろす方法がわかる★3.人の力を借りられるようになる★4.ひとりで悩まなくなる★5.4人1組の「2 on 2」で言語化できないモヤモヤの正体が現れる★6.上司と部下が協力し合える★7.組織が変わる
◎ターゲット読者は自分で仕事を抱え込んで苦しんでいるミドル・マネージャー。『他社と働く』 を読んだ多数の読者から「考え方はとても腑に落ちた。だが現場でどう実践したらいいかわかりらない」という声があった。そこで本書は現場で具体的にどんな手順でどう進めたらいいか。やってはいけない「6つの罠」や体験者・共同開発者の声を交えながら、現場で使える本となる。・職場に活気がない・会議で発言が出てこない・職場ギスギスしている・仕事のミスが多い・忙しいのに数字が上がらない・病欠が増えている・離職者が多い……。著者はこれらの現象を「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を紹介する。業績不振、新規事業低迷、企業再生等はすぐに対策がとられる。だが、組織の慢性疾患は放置され、少しずつ組織を蝕んでいく。著者は、行き詰まりを見せる階層型組織に代わる新しいイノベーティブな組織の形を研究する異色の経営学者。専門は経営戦略論、組織論。カウンセリングや心理療法のケアの手法を経営学に取り入れている第一人者。文体も何か読者に寄り添いつつ、語りかけるような口調なので、妙な説得力があるのが特徴。特に、言語化できないモヤモヤの正体が現れる衝撃の“反転の問いかけ”は、こんな方法があったのかと非常に面白く使える内容になっている。
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ナラティブを客観視する方法として、1on1を発展させた2on2という手法を学んだ。
運用する側・実施する側のスキルもある程度必要になるとは思うが、有効な方法のように思えた。自身の周りでは1on1による問題発見から始めてみようと考えているが、本書にあるような壁にぶつかった際は2on2の技法も取り入れてみたい。
前著の「他者と働く」から引き続き感じることは、問題解決は当事者が主体的に取り組むから意味があるということ。そのためには問題やその背景を自分事に引き寄せる必要があり、また職場の仲間等の周囲の人間ともその文脈は共有する必要がある。これが、他者のナラティブを理解し、また他者とともに新たなナラティブを紡ぐということだと思う。
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組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2
著:宇田川 元一
この本では、組織における行き詰った状態を「組織の慢性疾患」、その状況と自身の関わりに気付き、慢性疾患に一歩ずつ取り組み続けるプロセスを「セルフケア(自分自紙をケアすること)」と捉え、膠着した状況を動かすヒントをつかむ「2on2」という対話の方法を紹介している。
この対話の実践を通じて、組織が変わることを目的としている。組織が変わるとは、自身のみならず、周りのメンバーが見えている組織の風景が変わること、組織の中の様々な出来事の意味が変わることである。
構成は以下の8章から成る。
①組織で対話が必要な理由
②組織が抱える慢性疾患へのアプローチ
③対話とは何か
④新しい対話の方法「2on2」とは何か
⑤2on2の何が効果的か
⑥2on2を実施する前にやってはいけない6つのこと
⑦なぜ、2on2を開発したのか
⑧組織が変わるとはどういうことか
組織が変わるとは、やはり「人」が変わること。
そして、他人ではなく、自分が変わる。自分が気づくことが大切である。「対話」をキーワードとして組織の慢性疾患へメスを入れていく。
他人に委ねるのではなく、「自分」が覚悟を持って本書で紹介されている2on2という手法を使い、自分から気づき、自分から変わる。
組織が変わるには大きなエネルギーやうねりが必要である。そしれその初めの一歩が何よりも色んな意味で労力を費やす必要がある。そしてそれは待っていても勝手に起きるものではない。
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多面的に話し合うって事だね
昨日みたYouTube大学の内容ともリンクするから
個人的にすっと腑に落ちた
こういう点と点とが繋がってより強固になるみたいな感覚は気持ち良い
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まだ2on2を実践できていない、読後の感想として:
直前に『トヨタの会議は30分』を読んでいたのだが、こちらの本の「終章」に、トヨタイムズにあるエピソードが紹介されており、何かつながりを感じている。別物として2冊続けて読んだが、細部と思えるような「やり方」に物語は現れていて、垣間見えるところから全体像をつかみ、良いと思う方向に変えていく。いわゆるハウツー、型から入るアプローチもある。わたしとあなた、それぞれの物語を知ろうとするところから始めるのもあり。そんな受け止めが、つながりを感じた理由のように思う。
まったくの誤読の気もするが、細部を積み上げていく結果『組織が変わる』を学びとして活かしていきたい。
Posted by ブクログ
組織の慢性疾患に向き合う。
2on2への落とし込みはやや疑問があるが、慢性疾患のアナロジーで組織課題に向き合う点が参考になる。
◯組織の慢性疾患:
・新しい取組への他部門の協力が得られない
・新しい事業アイデアを出そうとする人がいない
・会議で誰も発言しない
・納期の遅れが常態化している
放っておくと悪くなるけれど、どこから手をつけたらいいかわからないのでそのままにしておく
→誰か優れたリーダーが変革するのではなく、私自身から継続的に日常的な“小さな変革”を積み重ねられると認識を変えることが重要
◯組織の慢性疾患「6つ」の特徴
1 ゆっくりと悪化する
2 原因があいまいで特定できない
3 背後にひそんでいる
4 後回しにされがちである
5 既存の解決策では太刀打ちできない
6 根治しない
◯ 組織の慢性疾患への4つの対処方法
1 危機感は生まれにくいことを自覚する
2 セルフケアのための対話を心がける
3 問題を単純化しない
4 上司の心得として、自分も問題の一部である可能性を把握しておく
◯対話:
様々な視点・角度から眺めることを通じて、よりよい組織の状態をつくる道筋を見つけるための方法論
◯まず、相手のナラティブに巻き込まれてみる
◯自分の感情の動きを抑えることなく大切にした上で、冷静に観察する
◯対話はわかり合うことが目的ではなく、押しつけでは対話ではない。問題の背景を共有し助け合う依存関係を構築する
◯違和感を対話の糸口として歓迎する
Posted by ブクログ
前著の「他者と働く」が良かったので、
さらに「2ON2」??と期待してしまった。
結果、よく分からなかった。
確かに1on1だけではなあ…
と思い始めていますが、
ちょっとこれは私にとってハードルが高い。
ハードルというか、なんか違和感ありました。
Posted by ブクログ
経営学者である著者が企業の問題解決のために対話を行う2on2についてその実践法と効果や体験談などを書いた一冊。
閉塞感のある企業の雰囲気を打破するために小さな違和感に気付くことと問題と向き合うことや自分と問題との関わりを見つけることやそのために2on2を行うことが効果的なことを丁寧に説明されていて勉強になりました。
気軽にできて続けやすいようにリフレクティングプロセスと当事者研究という二つの手法をもとに2on2は考えられていて、対話がディスカッションや雑談と違うことを知り、2on2からお互いのナラティブを理解することや他者の視点から問題を捉えることなど
全員で問題に継続して取り組むことで改善を図っていく手法であると感じました。
また、問題にユニークな名前をつけることや反転問いかけワークなど楽しんで取り組める仕掛けもあって問題の重さに負けないように考えられていることも印象に残りました。
本書を読んで2on2は問題を解決するのではなく問題の背景にあるものを考えることが大切であることが理解できました。
そして、閉塞感のある組織を変えていくために本書で学んだことを活かしていきたいと感じた一冊でした。
Posted by ブクログ
良書なんだと思うけど、他者と働く、ほどのインパクトはなかったなぁ。
2on2の実施ハードルが高いと感じてしまったからだろうか。簡単に始められるとあるが時間よりも趣旨を理解し問題から焦点を逸らせないようにすることに難易度を感じた。
2022.4.29
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組織の慢性疾患とは言い得て妙。
複雑な要因を解決するには、地道に一つひとつを解きほぐすしかないということか。
2on2という手法ではないが、組織の課題をみんなで洗い出しした際、問題点は同じなのにそれぞれが考える解決策がまりにも違うことに驚かされた。
Posted by ブクログ
思ってたよりは堅苦しくなく、読みやすかった1冊かな?
組織の「慢性疾患」(すぐ解決しないけど大きな問題)を解決するには、問題解決しようとせず、
対話にてその質や問題の本質を見ようとすべし、という一冊。
2 on 2は面白そうなのでやってみたい。しかしこれでいい方向に行くかどうかのイメージが出来ないのが少し不安。あと本書にも書かれていたが、これがどれくらいの企業に受け入れられるかどうか。
【2 on 2の内容】
当事者、当事者と関係のある人、部外者1名でαチームとβチームにわける。αが関係者、βが部外者側。各チームで話している時は口を挟まず、問題解決しようとしない。最後に見えてきた問題の本質に名前を付ける。その問題をより深刻にさせるにはどうしたらいいか?といった「反転」の質問をすることで、自分がその問題に関わる一人であったことを認識しやすくなる。
Posted by ブクログ
これはウチの会社について書いた本かと疑うくらい自社にフィットした課題感。しかし肝心の解決に向けた方法論がハラ落ちせず。実際やったことないからか?
Posted by ブクログ
ナラティヴ・アプローチ、より具体的には、リフレクティングや当事者研究、ナラティヴセラピーの外在化などを組み合わせて、組織のなかで使いやすい形に整理した2on2という手法を紹介している。
一言でいうと、そんな感じ。
書いてあることには共感するところも多いのだが、なんだか違和感を感じるところもある。
多分、組織の問題を慢性疾患としてあつかう比喩に違和感があるのかな?「組織が問題ではなく、問題が問題である」という立場とはやや違う感じかな?
また、「問題」の外在化として、「妖怪」のネーミングをするというのも、今ひとつ、ピンとこない。多分、深刻になりがちなテーマをユーモラスに話すための工夫だと思うのだけど、問題の外在化の表現であるはずの「妖怪」が、だれかの人格を語る表現にすり替わってしまうリスクを感じるのかな?ワークの主旨をしっかり理解する人だけでもないだろうし。
わたしは、組織を基本的には、成長する力をもった存在であるととらえたいと考えているんだと思う。そうしたうえで、それを妨げる問題(外在化された問題)があるという比喩が好きなんだと改めて思った。
あと、ナラティヴという言葉の使い方が、多分、わたしの理解と違うのも、なんだかな気持ちになる原因なのかな?まあ、ナラティヴもいろいろな使い方がされているので、その人がどういう意味で使っているのかが分かれば、それはそれでいいのだけど。。。。
全体的に「学習する組織」の「メンタルモデル」に近いものとしてナラティブという言葉で使われている?
でも、それだと、「ナラティヴ」という言葉に内包されている「話すこと」「声をだして語る」という発話行為みたいなニュアンスが薄まる印象があって、このアプローチをもって、ナラティヴ的なものと整理していいのか、わからなくなる。
もちろん、手法の名前がどうであっても、効果があれば、それでよいという視点もあると思うが、「言葉」にフォーカスするという特徴をもつナラティヴ・アプローチとしては、その辺の言葉づかいが気になってしまう。
「他者」を強調するのは面白いと思う。安易に「わかりあおう」ということではなく、「わかりあえない」を起点にするのも、「面白い」。
でも、実際のところ、わたしたちは、いいか、悪いかは別にして、「わかってしまう」んだと思っている。この「わかってしまう」のがなぜかというと、それがディスコースの働きであり、言語の機能なのだ。
「わかってしまう」ことからどう距離をもって、よりユニークな新しいストーリーを生み出すかというのが大事で、最初から「わからない」ところから始まるわけではないのだと思う。
意図的に、「わからない」「しらない」という立ち位置で、相手の話を聞くことから始まるのだと思う。
この差は、微妙だが、全く違うものに思える。
Posted by ブクログ
1on1が苦手な人、組織向きの本と感じたが、2on2の手法は有用ではあると思う
・弱いシグナル(顕在化した問題)の重要性を理解し、積極的に対応する
・問題をすぐに解決しようとしない。慢性的な疾患を多面の視点から掘り下げる
・対話にのぞく人間は感情や主観を大切にする
・互いに分かり合えているという組織は脆弱(本質的な課題や議論から目を逸らす)
・慢性疾患を妖怪に喩えることで、問題の外材化を行なう(構造的課題に落とす)
・反転の問いかけが有効「どうすればこの問題はより起こりやすくなるか」。問題のトリガーの発見と、問題への当事者意識(自分も一因)を高めることができる