北村紗衣のレビュー一覧
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●シェイクスピアとその時代背景、戯曲研究の実際に迫る一冊。
●「なぜ、今も一番売れている劇作家なのか?」という帯の疑問の答えを知りたい。→ぶっちゃけ権力のせい、だということがわかった。
●ある高校の夏休みの特別授業の内容を本にした本書。世界にその名が広がった裏には、大英帝国の植民地支配や英語の覇権といった政治的背景があったようだ。一方で、彼が天才だから生き残ったのではなく、恵まれた職場環境でコンスタントに成熟した作品を書き続けられた「運と環境」の賜物であるという分析はなるほどと感じ入った。著者のジェンダー的な切り口には時折引っかかりを覚える場面もあったが、興味深い視点を提示してくれる。戯曲を「時代の文脈と舞台の設計図」として考える姿勢は新鮮に感じた。 -
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「批評」という文章を書くための方法論。私のように批評しない者には無縁ではある。無縁であるし、読後には、本書に書かれた「批評」家の姿勢に対して「労多くして功少なし」とも感じた。
第4章に実践編として、それまでに語られた批評家の姿勢やテクニックを踏まえ、筆者と筆者の指導学生が書いた「批評」と、その「批評」について行った二人の議論とが掲載されているけれども…。精読だとか、分析だとか、書くためにウナギを捕まえたり(p.143~)だとか、そうまでして頑張って出来上がった作品である「批評」が、(批評の門外漢、批評の素人である)私の目には「この程度のものかぁ」と映り、「これで芸術?」とも思った(p.132あたりに「芸術家としての批評家」云々の話がある)。恐らくは、私は今後も批評はしないのだろうな(「感想」だけでいっぱいいっぱい。精読・分析なんてとてもとても…)。 -
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ネタバレ本を読んだ後に感想以上のものを残せない人間なので、批評や考察するにはそもそもどうすればいいんだろう?と思って人に薦めてもらって読んだ。
そもそも批評と考察が全く同じテーブルのものではないことに気付き、確かに今のSNS社会で「考察」は数あれど、「批評」ってなかなか見ないというか、わざわざ叩かれる可能性あるものを公開する人あんまりいないよな〜と。だからこそ今ちゃんと批評できる人って実は少ないのかも。
ただ、批評するならやはり作品への愛が必要で、好きな作品を何度も楽しみつつ気になったことを深掘りしてみる、ってのは確かにやったらハマりそうだけど、私はどちらかというと死ぬほどつまらなかった作品について「なんでこんなにつまらないのか」を分析してみたいと思ってしまった。ただ、その場合そこに愛がないので、批評として成り立たず、たぶんただ自分の意見を連ねるだけになって全然ダメなわけですね…
絶対一生観ないと決めてるけど、批評のためなら「耳をすませば」の実写版見てみるのもアリかもしれない…いや見ないが。 -
Posted by ブクログ
著者が商業誌やウェブメディア、映画や舞台のプログラム、文庫や海外文学翻訳書の解説など様々な媒体に寄稿した批評をテーマ毎にまとめたもの。
著者が自分で述べているように、収録されている論考は全てフェミニスト批評がベースとなっているが、各論考は短めなので気軽に読むことができる。
取り上げる題材は映画や音楽、文学など多岐にわたるが、やはり著者の専門分野であるシェークスピアが一番面白かった。
パンチライン
「音楽の才能がないレッド・ツェッペリン」
なるほどサイアクだ。
追記
取り上げられていた『アナと雪の女王2』と『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』を観た。『アナ雪2』に対する著者の「(この結末が)本当に面白くてポジティブなのか」という問いには激しく同意。『ハーレイ』に関しては、「難しく考えずにただ楽しめば良いんじゃない?」と感じました。 -
Posted by ブクログ
シェイクスピアの研究者であり、フェミニズムの視点に立って映画などの批評活動をおこなっている著者が、作品の批評をおこなうための具体的な方法を解説している本です。
ロラン・バルトの「作者の死」などの概念について紹介する、批評理論についての解説書とかさなる内容もふくんでいるのですが、より実践的な指南書としての側面をもっているのが本書の特徴といえるように思います。著者自身が授業で学生を指導してきた経験が活かされているようで、小説や映画を鑑賞するさいに留意するべきことや、批評を書くための具体的なテクニックなどを知ることができました。
批評をおこなうにさいして、「自分の性的な嗜好が評価に影響を及ぼす可能性がある」ということを自覚しておくことの必要性を指摘しているのは、ネット上で個人的な感想を書きつづっているわれわれにとって有益だと感じました。著者は映画『ジュピター』について、「子供が書いたみたいなメチャクチャな脚本で本当にひどい映画だと思いますが、女の子の夢を恥ずかしげもなくブチまけたみたいな展開やら、チャニング・テイタム演じる狼男っぽいボディガードやら、ジュピターがつけているとんでもなく派手なヘッドドレスやら、いろいろぐっとくる様子があって私にとっては嫌いになれない映画です」とコメントしています。作品に魅力を感じる理由をことばに表現することで、みずからのヴァイアスを自覚するとともに、その価値を語ることができると著者は述べ、そのうえで「このような場合は自分の愛がどこからくるのかを冷静に考えましょう」とアドヴァイスしています。
とくに身構えて批評という営みにとりかかろうとするひとでなくても、「おもしろかった」「つまらなかった」という感想で終わらないために、重要なアドヴァイスだと思います。 -
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世間では好評のようだが自分にはちょっと難しすぎる。
参考文献もしっかりしているが自分にはピンとくるものがない。
精読
作品内の事実を認定し、しかし語り手を含めた人物を信用しないこと。
一般的に「語り手=作者の意向の反映」や「この作品のメッセージは何か?」といったような捉え方をしたくなるが、
作者の作品に対する支配性を排除することで、読者は自由な読解が可能になる。
本書では「とりあえず作者には死んでもらおう」といった言い方がなされており、
自分なりに受容することで先入観にとらわれない読解ができる。
分析
時系列、人物相関図に書き起こす。物語を要素に分解する(構造分析)。
「仲間」の作品を見つけ、ネットワーキングする(インターテクスト化)。
書く
分析の切り口を決め、読者対象を想定する。
書く時には、内容が正確に伝わるように。
「誰からも好かれようと思うな」
共同体をつくる
批評が書けたら、それを基に議論をする。
人と意見を交換することで作品の周りにコミュニティができる。 -
Posted by ブクログ
精読する
バイアス色眼鏡が入ってしまうことを認識して、注意深く事細かに見落としないように、観察し調べ上げる。当たり前といえば当たり前だが、あらためて突き付けられるとハットする。
小説に全く興味のない屑鉄汚ではあるが、絵画や映画や音楽や演劇などの鑑賞は好きなので、作者を「殺し」語り部の「ウソ」と「ヒント」を見抜く、というあたりはなかなか納得がいく。
正しい解釈は存在しないが、間違った解釈は存在する。
なるほどね。
分析する
伝記的批評ー古典的
ニュークリティシズムー現代的批評
ポストコロニアル批評(西洋帝国主義)
フェミニスト批評(性差別)
クィア批評(性的逸脱)
→社会が決めた条件付けに敏感な批評
要するに、いかなる視点で精読するか
その次に抽象化
数学の解析学のような微分積分
書く
書く、とは相手に読んでもらうために、書く、のであって、必然的にいろいろ注意点がある。
まあ、書くことで自分の思考を客観的に見つめるキッカケとなる。そのためにこのアプリを屑鉄汚も使い始めた。
コミュニティをつくる
表現すればみる人がいて、人は表現物を見れば何かしらの感想を放つ。ブラッシュアップの一番いい機会だ。
全体こんな感じだが、今の日本人、日本の教育にはハードルが高すぎる。
表現できない、周りを忖度して萎縮する、子供が多い。
批判を恐れて自分の意見を出すことができない。
いや、もっと言うと、批判批評を受け入れる方法を知らない。
批判批評は死後に対する否定、人格否定と考えているから子供たちは表現しない。
出る杭は打たれる日本文化が骨身に染み付いた島国根性の成れの果てと言っておきたい。まぁ、家庭の問題も大きいとは思うが。
丸ペケ100点は子供を馬鹿にしてしまう仕組みなのだ。