北村紗衣のレビュー一覧

  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    ネタバレ

    非常に読みやすい作りになっていて、初心者にも批評のおもしろさと難しさがよくわかる内容になっていた。
    批評としての作品への接し方を知り、鑑賞時の楽しみ方が増えた。実際に批評できるかは別として、作品を深く理解するために使えるテクニックがいくつもあったように思う。
    優れた批評をするには膨大な知識が必要なことがわかってくる。そしてそれをひけらかすわけではなく、不必要ならば書かないことの大切さ。なかなか難しいことでもあるけれど、著者の批評はテーマが絞られていてスッキリと読みやすく理解しやすいことからも、その引き算がいかに重要なのかがわかる。
    けっこう大事なポイントとして、著者の文章には公平性があり、ご自

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    2025年11月10日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    批評とはどのような行為かを知り、作品を分析的に見る方法を身につけ、実際に批評を書いて発表できるようやさしくガイドする入門書。


    プロレベルの批評を書くには精読と参考資料集めが一番大変なはずだが、これはゼミなどで実践しないと身につかない。本書はそういうところをサラッと「大変ですよ」で流しているので(反復されるモチーフの書きだしなどヒントはだしているが)、本当の意味で実践的ではないのかもしれないが、とにかく「批評はこわくないよ」「作品を褒めようが貶そうが、あなたが楽しんでいればそれでいいんだよ」をくり返し伝えてくれる。どんなジャンルでも何かしら創作物を見聞きして感想を発信したり読んだりする人(つ

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    2024年03月24日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    本でも映画でも、ここでのちょっとした”評”を書くような時にでも役に立つ、作品・あるいは人のコメントなどについてちゃんと受け取る時の作法全般に役に立つと思う。自分の最初の反応も大事だけど、それを掘り進めることで新たに見えてくるものがある。自分の中の"偏り"に自覚的になることは大事。

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    2024年02月08日
  • 英語の路地裏ーーオアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く

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    ミュージカルを見て帰ってきて日本版のアルバムがサブスクになくて英語版を聞くことがよくあるんだけど、Wickedでエルファバがグリンダのことを「Blonde!」って悪口言ってるのが「おバカ!」って訳されてるのとかに気づいてクスクスしたり「お、おう」って思ったりするようになったの、この本に限らず北村先生のおかげな感じする たのしい

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    2023年12月05日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    ただ漠然と楽しむ楽しみ方もあるし、こうやって意識的に楽しむ方法もある。批評的に楽しむ面白さを、まったく肩肘張らず、軽やかな語り口で教えていただきました。それをアウトプットできるかは置いておいて…。
    自分の中で、本も、映画も、それから音楽も、いろんな角度からさらに楽しめるようになりそうだ、というわくわく感。

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    2023年06月29日
  • コンヴァージェンス・カルチャー

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    2006年に初版、2008年にペーパーバック版が販売された、Henry Jenkins『Convergence Culture:Where Old and New Media Collide』の邦訳書。邦訳が出版された2021年の時点から見ると、15年以上前に存在していたメディアの風景は「過ぎ去ったもの」のような印象を持つものもあるし、メディアテクノロジーが可能にする市民参加についてやや楽観的なのではないか、と思える部分もある。

    しかしそれでも本書は、2023年の現在でも、読む価値がある。いや、時を隔てた今だからこそ、ここに記述されたファンたちの活動とメディア産業、そして宗教右派を含めた様々

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    2023年05月07日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    よくここまで書き方を知ろうとせず書評を書いてきてしまったなと、厚かましいとも苦々しいとも思ってしまう。本書は2022年新書大賞で11位。

    スカッと腑に落ちる経験をさせてくれる批評が好きで、自分でもそういう経験を人に提供できれば楽しいだろうと思っていたところ本書に出会い、本や映画の批評の方法を大いに学べた。私が書評を書く主な目的は、一つに書評の上達で、もう一つに知識の蓄積だ。著者の北村紗衣氏は、専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評で映画や小説の批評の指導もされている。

    本書は、四つの章、①精読する、②分析する、③書く、④コミュニティをつくる(実践する)、から構成されている。批

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    2024年02月29日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    日本人総コメンテーター化しいる現代では、SNS
    で誰もが作品への批評を発信することができます。

    しかし「良かった」「感動した」だけでは誰も振
    り向いてくれないのは、このブログ読者ならばご
    理解いただけると思います。

    独自の視点でオリジナリティのある「刺さる」コ
    メントが必要とされるのです。

    この本ではそんな手法を学ぶことができます。ま
    さにアウトプットを意識した、インプットのプロ
    セスを身に付けられる一冊です。

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    2022年11月17日
  • お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門

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    すごく良かったし、北村さんのファンになった。わたしは「ジェンダーよくわからん」みたいなタイプなのだが、本の中では専門用語あるけど喩えが上手くて、ジェンダー論がわかりやすく載ってた。
    軒並み映画を題材にしてたので、映画をよく見る人はもっと楽しめそう(わたしは映画を全く見ないので)。
    斯くいうわたしはフェミニストになるつもりはないけど、ジェンダーでの論点は知っといて損はないと思った。

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    2022年11月13日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    実は2回目。精読の段階で自分は甘かったのだと反省することが出来た。これからも論点設定に迷ったらここに戻りたいところだが、それに特化した本でもなさそうなので、書く直前までの手段を学ぶにはいいと思う。(私の言う「論点」とは、研究で先行研究と比較しながら言われてない点を攻めるもの。比較的、自由な批評ではない。)

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    2022年09月21日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    どんどん批評しよう、ちゃんと批評して文化を育てよう!ってすごくポジティヴで楽しい入門書でした。

    フットボールでよく言われる「良いDFがいるところには良いストライカーが育つ」(例イタリア)みたいに、良い批評があるところに良い作家や作品が育つ…と言えるかな。単にVS関係だけではないし基本的に同じ競技のプレイヤーだと思う。

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    2022年05月27日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    著者の『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読み、批評とは「作品をもっと楽しむため」だと気付いてからは、読んだら感想メモを書くことを徹底したら、たしかに楽しさ倍増の実感あり。(わたし調べ)
    本書はプロローグ
    批評って何をするの?問いから始まり
    第一章 精読する、第二章 分析する、第三章 書く、第四章 コミュニティをつくる(実践)
    具体的でわかりやすい批評の入門書。
    巻末に「もっと学びたい人のための読書案内」有り。

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    2022年05月17日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    批評というと身構えてしまうが、
    自分の視点を持ちながら
    深く作品を理解し、
    その知見を人と共有する楽しみを
    教えてくれる。
    サブタイトルのモハメドアリの
    言葉を始め、引用されるコトバの
    数々がシェークスピアから
    ポップスの歌詞まで幅広くて楽しい。

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    2022年04月30日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    入口として面白そうと思わせるには十分かな。批評理論の本とは違うので、こういう切り口はこうでああでというのとは少し違うけど、本を読み、客観的価値のある批評をする事の面白さを感じられる。
    (私的な読みは個人的な読み方の度合いを理解した上でならそれはそれでよいと思う)

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    2025年05月10日
  • お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門

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    著者とわたしの好きな映画とかはあまり重ならないと思うのだけれど、それでも、さまざまな映画について、フェミニズムやジェンダーの観点からの批評が丁寧にわかりやすく書かれていておもしろかった。
    流行ってるのにわたしが興味もてなくてスルーしている映画でも、え、こんな内容なのか、こんな観点で見られるのか、やっぱり見てみなくては!?と思わされたり。(たとえば「マッドマックス怒りのデスロード」「ワンダーウーマン1984」「ハーレクインの華麗なる覚醒」「アナと雪の女王2」とか)。

    あと、長々しいタイトルもおもしろい「レオナルド・ディカプリオとガス・ヴァン・サントのせいでグザヴィエ・ドランと私の人生はメチャク

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    2024年12月31日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    テクストをどう精読し、分析し、批評を書くかの入門書。やさしい言葉で書かれていてとても分かりやすかった。専門的な批評理論の詳細までは踏み込まず、代わりに巻末にブックガイドが掲載されている。後半、著者とゼミ生それぞれが書いた2本の映画についての批評が載っており、それに対するコメントやディスカッション含めて興味深く読んだ。自分の書いたものについて忌憚なくやりとり出来るコミュニティは貴重だと思う。ゼミっていいなぁ。

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    2024年10月25日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    ネタバレ

    この本を読んだのは、自分がずっとハマって読んでいた漫画の終わり方に納得がいかず、けれど周囲の人たちは大絶賛していて、自分が疑問に思った点を言うことを憚られたからだった。
    好きなところは好き、でもこういうところはおかしいと思ったし好きではない、とどうやったらうまく言葉にできるのか。むしろしてもいいのかどうなのか。そういう疑問への答えが欲しくて読んでいたら、なんだかとってもすっきりした。一番嬉しかったのは「芸術作品というのは現実の世界と異なり、あらかじめ受け手によって探索され、理解されるためのものとして作られているからです」というフレーズ。美術にしろ文学にしろ、世の中に出たものが世の中の人によって

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    2024年10月20日
  • 批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く

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    著者にはツイッタランドで燃えている可燃物のイメージしかなかったんだけど、文章の読み方伝え方を面倒見良く教えてくれる良い先生だった。
    その上で、深く考えずに作品を見て楽しむのも十分価値ある体験で、優劣はつけられないとも言ってくれている。優しい

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    2024年09月25日
  • 英語の路地裏ーーオアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く

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    高校英語までの知識があれば、楽しく読めます◎これまで、小説やドラマ、映画の日本語訳に対して持っていた違和感の謎も解けて面白かった。

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    2024年09月21日
  • お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門

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    映画や音楽をフェミニズム的に批評するとこんなにも新たな視点が得られる
    好きなものは自分が選ぶわけじゃなく、自分がその対象から"選ばれた"のだ、という文章が印象的。この選ばれた責任感が全体に通底してて、作品への深い愛につながっている

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    2024年09月01日