北村紗衣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2006年に初版、2008年にペーパーバック版が販売された、Henry Jenkins『Convergence Culture:Where Old and New Media Collide』の邦訳書。邦訳が出版された2021年の時点から見ると、15年以上前に存在していたメディアの風景は「過ぎ去ったもの」のような印象を持つものもあるし、メディアテクノロジーが可能にする市民参加についてやや楽観的なのではないか、と思える部分もある。
しかしそれでも本書は、2023年の現在でも、読む価値がある。いや、時を隔てた今だからこそ、ここに記述されたファンたちの活動とメディア産業、そして宗教右派を含めた様々 -
Posted by ブクログ
著者とわたしの好きな映画とかはあまり重ならないと思うのだけれど、それでも、さまざまな映画について、フェミニズムやジェンダーの観点からの批評が丁寧にわかりやすく書かれていておもしろかった。
流行ってるのにわたしが興味もてなくてスルーしている映画でも、え、こんな内容なのか、こんな観点で見られるのか、やっぱり見てみなくては!?と思わされたり。(たとえば「マッドマックス怒りのデスロード」「ワンダーウーマン1984」「ハーレクインの華麗なる覚醒」「アナと雪の女王2」とか)。
あと、長々しいタイトルもおもしろい「レオナルド・ディカプリオとガス・ヴァン・サントのせいでグザヴィエ・ドランと私の人生はメチャク -
Posted by ブクログ
北村さんはTwitterで時々お見かけしていたものの書籍は初めて読んだが書きっぷりが非常に面白かった。とても聡明で深く思考する方なのだろうということが文章から感じられた(学者なので当たり前か)。本書は文芸、映画にまつわるエッセイのような感じで、知らなかった作品も半分以上あったが見てみたい・読んでみたいと思った。ウィキペディアの男子文化の話はさもありなん。ロミジュリをジュリエットの名誉の観点で読むのはなるほどと思ったし、その流れでヴィクトリア朝文学のハッピーエンドとしての結婚を、なんとかヒロインにとっての抑圧的要素を取り除こうとしていると言う話も言われてみれば確かにと思った。物語をただ受容するだ
-
Posted by ブクログ
著者が商業誌やウェブメディア、映画や舞台のプログラム、文庫や海外文学翻訳書の解説など様々な媒体に寄稿した批評をテーマ毎にまとめたもの。
著者が自分で述べているように、収録されている論考は全てフェミニスト批評がベースとなっているが、各論考は短めなので気軽に読むことができる。
取り上げる題材は映画や音楽、文学など多岐にわたるが、やはり著者の専門分野であるシェークスピアが一番面白かった。
パンチライン
「音楽の才能がないレッド・ツェッペリン」
なるほどサイアクだ。
追記
取り上げられていた『アナと雪の女王2』と『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』を観た。『アナ雪2』に対する著者の「(この結末が) -
Posted by ブクログ
タイトルに期待しすぎた。英語のサブタイトルは古いメディアと新しいメディアの衝突なので、よくあるタイトルである。ジェンキンズの初めての翻訳であるが、2000年から2004年までの論文の寄せ集めである。ジェンキンズの過去の論文を、英語で読む労力を省くためにはよい。しかし、2006年までに集めた論文を2021年に翻訳出版したので、YouTubeの説明がせいぜいで、他のSNSの説明はしていないので、やはりジェンキンズの新しい論文を英語で読むしかない。
コンバージェンスには、メディア、送り手、受け手の3つがあると当たり前のことを述べているが、その実証は説明されていない。また、アメリカで人気になったサバ -