おーなり由子のレビュー一覧
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ネタバレ2024/12/04新刊案内で気になった『いとしい服 ようふくとわたしのはなし』(おーなり由子)。
著者の本は『ひらがな暦』でまず知り、そこから『365日スプーン』、そして本書へと至りました。
やっぱりこの人の本のリズムは良いし、イラストと文字の雰囲気が好き。
「服の半分は心が着ている」はまさにその通りだと思う。
「何着ようかな」「何と何を組み合わせたらしっくり来るかな」
そう考えるだけでワクワクする。
つい最近『アパレルドッグ』(林田もずる)で開発・生産する側の話を読み、
今度は消費者側の話を読んで(ご自身で縫う事もあるそうなので生産側とも言えるかもしれないけど)、
「今服の -
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小学生の頃は、キラキラ光る瞳の画風ではない、おーなり由子さんの漫画の登場人物に興味がなかった。子供だったんだな。
高校生の頃から、ほっこりする優しいストーリーや絵に惹かれ大好きになった。いまも大好き。
この本のおーなりさんのようふくについてのお話は、自分の好きだった服やエピソードを思い出させてくれた。
幼稚園のスモックはお母さんが右肩とお腹のポケットのところに花束の刺繍をしてくれたなーとか、小学生の頃に買ってもらったジャンパースカートは少し大人っぽくて、ピアノ教室に行くときはお姉さん気分でよく来ていったなぁとか。なんだか嬉しい体験だった。
おーなりさんは小さいころから今現在もようふくを毎日楽 -
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ネタバレおーなり由子さんの、小さいときから大人になるまでの思い出の服のおはなし。お母さんは洋裁ができ、よく作ってもらっていたようです。
そんなお母さんのもとで育ったからなのか服に対しての知識も豊富で、こだわりも強い。
お友達の服がとにかく気になる。
作ってもらった服の着心地にうっとりする感じ。
作ってもらったのに何か違うくて悔しい。
お気に入りの服がもう着れなくなった悲しみ。
だいすきな服をきてわくわくする感じ。
あまり服にはこだわりがないわたしでも、似た思いを持ってたんだなあと気付かされました。いまだに忘れられない子どものときの服や靴もあります。
今後は、もう少し自分の『すき』な服にこだわって -
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あまり期待して読んだわけではないのだが(すみません…)、とってもいい本だった。幼い頃母が着せてくれた服、少女時代一生懸命おしゃれしていた頃の記憶が思い出され、生地の手触り、色、その服を着たときの高揚感などで幸福感に包まれた。不器用な私も、何回か自分で服を縫ったことがある。そんな時、家政科出身の母も加わり、ほとんど夜なべして作り上げたワンピース。もうその服は手元にはないけれど、母と一緒に作って楽しかったなという思い出が温かく私を包んでくれた。そんなこと、すっかり忘れていたのに。
エピソード一つ一つが温かく愛おしい。「おしゃれセット」のアクセサリーを全部つける3歳。おじいちゃんが「ええがな、ええ -
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9歳のさきちゃんと作家のお母さんとの毎日の生活を覗いてみたら…。
2人の会話がまるでお話を紡いでいるかのようで…。
少女とお母さんの12の物語。
「くまの名前」から始まり、「聞きまちがい」もあるあるだなぁとほっこりさせられた。
「ヘビノボラズのおばあさん」も優しくて好きな話。
「さばのみそ煮」を作っているときにお母さんが歌い出したのが、このタイトルになったのか…と。
「月のー砂漠を さーばさばと さーばのーみそ煮が
ゆーきました」
「猫が飼いたい」は、ちょっと哀しくなる話。
とても温かくて優しくて楽しさもあって、ずっとこの母子を見ていたいと思った。
2人の会話の何気なさも雰囲気もとても感じ -
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さきちゃんとお母さんの、温かくて、切なくて、愛情あふれる12の物語。
寝る前のお母さんの読み聞かせにより、毎日を大切に楽しく過ごしている事が伺えて、さきちゃんの気持ちに寄り添うお母さんが容易に想像できてとても幸せになる作品でした。
この作品を読む前に、「いなくなれ群青」という河野裕さんの作品を読んだのですが、その中の主人公 七草が自己紹介をする場面で、春の七草以外に、夏の七草、秋の七草があることを知ったんです。
12の物語の中に「ヘビノボラズのおばあさん」のなかで、「秋の七草、藤袴」、「乾かすといい匂いがするのよ。」と話していて、なぜかおばあさんに親近感がわいたのと、覚えたての言葉が出てき -
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ネタバレまず、絵がいいですね。おーおなり由子さんとおっしゃるんですか、
なんどもなんども眺めました。
特に両ページいっぱいにある、嵐の後の川を見に行ったところがいいです。
うわっと広がっていますよね。
湿った空気、川の音、ぬれた草、さきちゃんとお母さんのスカートのはためき。
さきちゃんとお母さんのぎゅっとつないだ手。
それから、涙なくしては読めないつながり、
「くまの名前」「さばのみそ煮」「ふわふわの綿菓子」「猫が飼いたい」
が何ともいえないです。
「くまの名前」でドキンとします。さきちゃんのお父さんは…いったい…思いがけないことが人生には起こるのでしょうか。はっきりとは書かれていないけ