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<伊藤まさこさん推薦!>
服の思い出は、「わたし」の思い出と重なります。
なのに、すっかりおいてけぼりにしていたことに、
「いとしい服」を読んで気がついたのでした。
ごめんね、私の思い出よ。
そして、おーなりさん、
気づかせてくれてありがとう。
わすれられない服、憧れの服、
今日の服、明日の服ーー
どんなときも、
自分がうれしいもの、かわいいものが
心を守ってくれる。
「子どもの時から、わたしのそばでうたったり守ったりしてくれていた、
いとしい服のことを書いてみました」
服が好きなあなたへ。
しみじみとあたたかくなる、
絵と文で綴るエッセイ集。
【著者紹介】
おーなり由子
1965年大阪生まれ。
絵本作家、漫画家。
やわらかな絵と文によるエッセイや、
子どもの歌の作詞も手がける。
主な著書に、
『きれいな色とことば』『ラブレター』『365日のスプーン』(以上大和書房)、
『ひらがな暦』(新潮社)、
『ことばのかたち』『幸福な質問』(以上講談社)、
『あかちゃんがわらうから』(ブロンズ新社)、
『ワニのガルド』(偕成社)、
『だんだんおかあさんになっていく』(PHP研究所)
などがある。
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Posted by ブクログ
小学生の頃は、キラキラ光る瞳の画風ではない、おーなり由子さんの漫画の登場人物に興味がなかった。子供だったんだな。
高校生の頃から、ほっこりする優しいストーリーや絵に惹かれ大好きになった。いまも大好き。
この本のおーなりさんのようふくについてのお話は、自分の好きだった服やエピソードを思い出させてくれた。
幼稚園のスモックはお母さんが右肩とお腹のポケットのところに花束の刺繍をしてくれたなーとか、小学生の頃に買ってもらったジャンパースカートは少し大人っぽくて、ピアノ教室に行くときはお姉さん気分でよく来ていったなぁとか。なんだか嬉しい体験だった。
おーなりさんは小さいころから今現在もようふくを毎日楽しんでいるようす。私も毎日着るものを楽しみたいと思った。それだけで毎日が少しうきうきする。
明日は何を着ようかな?
「なにが、どうっちゅうことない」
おーなりさんのお父さんのことばに、励まされた。
明日も頑張れそうです。
ありがとうございました。
20250903
Posted by ブクログ
あまり期待して読んだわけではないのだが(すみません…)、とってもいい本だった。幼い頃母が着せてくれた服、少女時代一生懸命おしゃれしていた頃の記憶が思い出され、生地の手触り、色、その服を着たときの高揚感などで幸福感に包まれた。不器用な私も、何回か自分で服を縫ったことがある。そんな時、家政科出身の母も加わり、ほとんど夜なべして作り上げたワンピース。もうその服は手元にはないけれど、母と一緒に作って楽しかったなという思い出が温かく私を包んでくれた。そんなこと、すっかり忘れていたのに。
エピソード一つ一つが温かく愛おしい。「おしゃれセット」のアクセサリーを全部つける3歳。おじいちゃんが「ええがな、ええがな、お姫様にでもなってるつもりやろ」と助け船。入学式で着たレモン色のシフォンブラウス。大学の時に初めて買ったピーコート。好きな人と遠く離れて、たまにしか会えないから、一緒の時間を思い出してもらうときに空色の思い出となるように空色のワンピースを縫う。なんて感性!ウエディングドレスを縫うためのたっぷりのシルクタフタ。家に生地を置いているだけで、ひかる雲みたいに美しい。しっとりしていて、ハリもあって、サラサラ。お母さんの洋裁教室の人たちが変わるがわる裾をまつり、結婚をみんなで楽しんでいるしあわせな風景。お母さんが作ってくれた赤いワンピースみたいなコート。軽くて、ふわりと羽織れる理想のコート、世界のどこにも売っていないコート。(私も大学生の時に、赤いダッフルコートを制服みたいに着てたことを思い出した。) 「生まれて初めてタータンチェックに出会う新鮮さ」という一文で、あっという間に記憶が呼び覚まされた。赤いタータンチェックの巻きスカートとお揃いのマフラー。5年生の時に母に買ってもらって、大人になってもずっと着てた。「白は、夏よりも冬に着たくなる」同感!分厚い黒タイツに、真っ白いコットンのギャザーパンツや、スカート。ネイビーに合わせると、キリッとした白、シルバーグレイに合わせると、優しい白。どちらも、空気が透き通る冬の景色にいて、きれい。金魚の尾ひれみたいなフレンチスリーブの赤いブラウス。色は記憶になって残るーー。
おーなり由子さんといえば、漫画雑誌「りぼん」に載っていたことを覚えてるような覚えてないような。絵が平坦でのっぺりしていて全然可愛くない!(本当に失礼だな…)と思っていたのだが、今のイラストはとっても好き。美術大学に通ってたんだ、どうりで色の表現や組み合わせが素敵だわ。
さくらももこさんとのエピソードがすごくすごくよかった。「わたしさ、いつ死んでもいいの。明日死んでも平気。ほんっとにそうなの」ときっぱり言う横顔。ももこさんの達観した、今日生きてることが奇跡で、明日生きてるとは限らないことを、心の芯に持って生きてるような感じ。当時りぼんを読んでいた小学生だった私が、水沢めぐみ、柊あおい、さくらももことおーなりさんの4人がそろってご飯を食べたり、絵を描いたり、好きな人のことを話していたりしていたなんて知ったら、そこに参加したくなっちゃう。なんか、いいな。
思いのほか、長文になってしまった。本当にいろんなことを温かく、懐かしく思い出させてくれた本でした。
Posted by ブクログ
とっとこさん選書、7冊目。
学生時代から数えると、かれこれ30年近く洋服の売場に立っている。
最初は大学生のアルバイトから。
新卒でアパレル企業に入社し、
転籍や出向を経て、結婚を機に一旦離れたものの、今のパート先で20年。
自分でもびっくりするくらい長い付き合いだ。
正直、ファッションそのものにはもう興味がないと思っていた。
ブランドやトレンドを勉強していた時代もあったけれど、今は「自分が機嫌良く過ごせる装い」だけにこだわりがある。
お客さまに接するときはいつも密かに思っている。
その人にとって「今、このとき、この場所で機嫌良くいられる服」を選ぶお手伝いができたらいいな、と。
そんなときに、他ならぬとっとこさんから選書されたのがこちら、
漫画家としてもお馴染み、
おーなり由子さんの「いとしい服」。
ちょうど10年くらい世代が上の、おーなりさんのファッション遍歴。 まだ家にミシンがあってお母さんが手作りで子どもの服を作っていた時代からスタートする。
自分の子どもの頃に憧れた話や、微妙に自分の世代ともトレンドが被っていたり、ものすごい親近感。
ロングコートに憧れて、マキシ丈のコート買ってもらったな、とか、
このセーターにこのスカート合わせて、このマフラーで行こう!とか、コーデ考えるのが楽しみで寝られないこともあったな、とか。
ファッションに興味がないんじゃない、
ちゃんと好きだった時代があったんだと、遠ざけていた気持ちが静かに引き寄せられてくるようだった。
色の話、素材の話、とある服のカテゴリーが心に「ある」か「ない」かの話。
特に布が楽しいという感覚が、とても良い。
独特のオノマトペが、その服や布の手触りを本当に大事にしてきた人だからこそ出てくる表現だと感じた。
添えられた絵からも、その愛おしさが滲み出ている。
長く仕事にしてきたからこそ、ちょっと遠ざけてしまっていた「装うことのワクワク」を、優しく思い出させてくれる本。
売場に立つことがしんどくなってきたこのタイミングで、とっとこさんにこの本を選んでもらえて、本当に良かった。
めちゃくちゃ素敵な一冊だった。
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