おーなり由子のレビュー一覧
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「赤毛のアン」のアンとダイアナのように、女の子どうしの友達って必ず子供時代にこういうことしてると思う。
谷川くんと仲良くなったり、仲良くなった野良犬に飼い主がいたり、みゆきちゃんが立花さんと仲良くしててやきもちやいたり、みゆきちゃんのおっちゃんのバイオリンをきいてヨーグルトをれいぞうこで食べたり、広島でよりちゃんと遊んだり、大町くんが転校したり…
毎日がキラキラで、それが当たり前だった。
珠玉の名編たちです。
最近の作家だといわみえいこさんみたいなかんじ?(関西人だし)
おまけのともだちパズルも好き。
「三太郎少年の日」
たかしと三太郎のボーイズライフ。
うまれっぱなしみたいな三太郎くん。
あなたのこともっと見てあげられなくてごめんね。
ハレモノに触るみたいにしてたけど先生は本当にあなたのことが大好きだったの。
たかしくんと一緒に遊んだこと、覚えてる?
一緒に行った場所、一緒に見た景色、宝ものを交換したこと…
ずっと、忘れないでね。 -
Posted by ブクログ
「六月歯医者」
女の子には、いつか訪れるのです。
そのハラハラは梅雨時の色と重なる。
小さい頃、ビー玉をオルゴールに大切にしまってたことを思い出す。
私にとっておーなり作品はそういう存在。
「はくしょんの時計屋」
切ない…
この商店街とオカダ時計店がただでさえいい。
私は俗物な花見が嫌いだ。
そうだよね、春と桜ってこういうことだよね(p_q)
泣きながら桜の中を歩くラストシーンが更に切ない。
春は、花とクシャミの季節、桜の花びらに出会いと別れが見え隠れする季節です。
「くどうくん」
流山なのに何故たえこもくどうくんも関西弁なんだろう??
おーなり先生の描く季節がすごい好きですがこの『夏』もやっぱり、どうしようもなく好き。
夏や、プールの水や泡や水泳の授業が恋しくなる。
そして夕暮れ時。夕焼けと雲。
小学校の頃、夏休みの夕方。
「なつやすみ帳」
やっぱり、切ない…
ラムネのびんは、宮沢賢治のクラムボンを思い出させる。
海で、のりこちゃんはお母さんに会えた。
レモンはいつまでも夜空に… -
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とっとこさん選書、7冊目。
学生時代から数えると、かれこれ30年近く洋服の売場に立っている。
最初は大学生のアルバイトから。
新卒でアパレル企業に入社し、
転籍や出向を経て、結婚を機に一旦離れたものの、今のパート先で20年。
自分でもびっくりするくらい長い付き合いだ。
正直、ファッションそのものにはもう興味がないと思っていた。
ブランドやトレンドを勉強していた時代もあったけれど、今は「自分が機嫌良く過ごせる装い」だけにこだわりがある。
お客さまに接するときはいつも密かに思っている。
その人にとって「今、このとき、この場所で機嫌良くいられる服」を選ぶお手伝いができたらいいな、と。
そんなときに、他ならぬとっとこさんから選書されたのがこちら、
漫画家としてもお馴染み、
おーなり由子さんの「いとしい服」。
ちょうど10年くらい世代が上の、おーなりさんのファッション遍歴。 まだ家にミシンがあってお母さんが手作りで子どもの服を作っていた時代からスタートする。
自分の子どもの頃に憧れた話や、微妙に自分の世代ともトレンドが被っていたり、ものすごい親近感。
ロングコートに憧れて、マキシ丈のコート買ってもらったな、とか、
このセーターにこのスカート合わせて、このマフラーで行こう!とか、コーデ考えるのが楽しみで寝られないこともあったな、とか。
ファッションに興味がないんじゃない、
ちゃんと好きだった時代があったんだと、遠ざけていた気持ちが静かに引き寄せられてくるようだった。
色の話、素材の話、とある服のカテゴリーが心に「ある」か「ない」かの話。
特に布が楽しいという感覚が、とても良い。
独特のオノマトペが、その服や布の手触りを本当に大事にしてきた人だからこそ出てくる表現だと感じた。
添えられた絵からも、その愛おしさが滲み出ている。
長く仕事にしてきたからこそ、ちょっと遠ざけてしまっていた「装うことのワクワク」を、優しく思い出させてくれる本。
売場に立つことがしんどくなってきたこのタイミングで、とっとこさんにこの本を選んでもらえて、本当に良かった。
めちゃくちゃ素敵な一冊だった。 -
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又吉直樹さんのお勧めの本だったので興味を持って読み進めました。9歳のさきちゃんと作家のお母さんの、ほのぼのとしたハートフルな短編が12篇。おーなり由子さんのメルヘンティックな挿絵が心を癒します。
読書心を刺激したのは、母と子の二人の会話や、さきちゃんの想像力が、なぜかサン=テグジュペリの星の王子さまを想起したからです。内容は全然違いますが、星屑のように言葉にきらめきやウィットがあるところです。
二人の日常はありふれた何気ない日常であるにもかかわらず、お母さんや さきちゃんの想像力によって、まるで魔法をかけたように新鮮で好奇心に溢れた楽しい世界へと誘う。それは時に怖かったり、哀しかったりすることもあるけど、それさえも宝物に思える瞬間が散りばめられています。
読み手一人ひとりの心に眠っていた幼い頃の家族との幸せな時間を、ふと思い出すのではないでしょうか。こんな本があってもいい。 これは人に勧められます。 特に心がささくれた時に‥。
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蛇足ですが‥
巻末で解説をされた梨木香歩さんの解釈の仕方は酷でした。この本をエロスと結びつけたり(エロス的なことはぜんぜん出てきません!ご安心ください)、的はずれな難しい解釈をされていて、せっかくの優しい読後感に水を差すような解説でした。人に勧める時は、梨木さんの解説のない単行本の方をお勧めします。 -
Posted by ブクログ
日常よりも日常らしいけれど、嘘くささがない。何気なくて、家族と過ごす幸せや温もりを感じる瞬間を丁寧に書き起こしていて、疲れた時に読んで癒される本。
お母さんとさきちゃんのほのぼのして温かい日常には、ごく稀に、スウっと風が吹き込むように、父の不在(離婚と思われる)が現れます。無理だと言われてもさきちゃんが野良猫を連れ帰ろうとする話がありますが、お母さんは猫だけでない色々なものを重ねていたのかも。
猫を飼うのは無理だけど、お母さんはいつだってさきちゃんを想っていて、一瞬一瞬、一緒に過ごす時間を大切にしていて、それが端々に描かれています。文章であの空気感をこんなに表現できるんだ……と、びっくりするくらい、子どもの頃の自分を呼び起こしてくれました。
家族との関係にもよると思うけど、家を出て1人で頑張っている人とかに読んでほしい。それも心がザラザラした日に。もうスマホなんて置いて、ソファとかベッドとかに体を包んでもらいながら、静かにのんびり読んで、それで次の休みになったら実家に帰って、家族となんでもないけど大切な時間を過ごしてほしい。