『このミス』の大賞作品。
そしてこれがデビュー作品。
読み初めは、何か哀しい物語の始まる様な陰鬱なイメージで、少し臆してしまったが、それでも読み進めてゆくうちに、面白さで一気に読み終えた。
京都の伝統と、何か長い年月に裏付けされた妖の存在を、物語の中に、繍込めて美しくも怪しげな物語に仕上がった。
親子の情愛の深さと、それ故に間違いを犯してしまった先祖の罪を背負って26歳という短命に終わる娘たち。
そこに火伏せの神である愛宕神社の行者が存在。
それは。。。
歴史の中に息づく情念が主題。
実に面白い作品になっている。