三好昌子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
縁見屋には呪いがかけられている。そこの娘は男児を産まないし、26という若さで亡くなるのだ。だから婿どりをするしかないが、そんなわけでなかなか
婿も来ない。また、父親も、早く妻や娘を亡くすとわかっているので、その悲しみはいかほどばかりか。
そんな折、帰燕と名乗る行者と縁見屋の娘、お輪が知り合う。
不思議な縁で結ばれた二人。この二人の現在と過去の縁が引き起こすものとは…。
第15回『このミステリーがすごい!』大賞の優秀賞受賞作品。ミステリーの要素ももちろんあるが、それよりも時代人情物という分類がしっくりくる。しかし分類はあくまで分類。面白い本は面白ければそれでいい。
心を動かすのが、子を奪われた -
Posted by ブクログ
男児は産まず26で死ぬ、という悪縁を持った主人公。
ある日、店に修行者が訪ねてきた。
26になれば死ぬから、嫁にも婿にも戸惑って
周囲には縁起が悪いと言われ続けるのは
どれだけ心が悲しい状態なのか。
それでも父親がいて、明るく振舞ってくれるおかげで
常にさらされているわけでもない、のが救い?
それ以外はのんびりでしたが、修行者が来た事により
色々と日常であるような、違うような状態が。
そもそも幼馴染のあの回避の仕方。
当たって砕けたくないから、と頑張るのはすごいですが
頑張りどころを間違えている気がします。
この時代だからこそ、まだ許されていますが
これを今でやったら…殴られないだけよし? -
Posted by ブクログ
解説を読んでなかったので、ずーっと「いつになったらミステリになるんだろう……オカルト?」と思いながら読んでいて、それだけで評価減。
はじめから時代小説ファンタジー?と分かっていれば、そのつもりで読んだのに、残念。
お輪と帰燕の関係が微妙にもやもやした。あらじゃあ旦那さん、気の毒である。ラストは予想どおりの展開だったけど、少し急いだ感じでもったいない。
縁見屋の娘の祟りの謎を解くまでと、火事が起こると分かってからの展開は、同じくらい重要だと思うのに、前半にやたら比重がかかりすぎている気がした。
大火事への対策、お輪の恋心の問題、島村の仇討ち問題など、もっとじっくり書けると思うのだけど、さらっと流