濱野ちひろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んでよかった!!!
不思議な納得感とあわせて、最後愛について痛烈に批判した後、しかし果たして「愛なしで対等でいられたことがあったのか」「むしろ人間同士の方が対等であることの方が難しいのでは」と裏返っていくのが興味深い。
言及されているように、「対等性」が自分にとっても一番大きい問題点だったようにおもう。
言語や体格や種を凌駕して対等であるには、「動物は動物である必要がある」点こそ、「対等性」を解決しているようで、結局「支配」ともとれる余地を内包してしまっている。
>ズーたちにとって、ズーであることは、「動物の生を、性の側面も含めてまるごと受け止めること」だった。
これから生きていくにあ -
Posted by ブクログ
こちらも一気読み!
動物性愛とは…
非常に新しい視点、新しい価値観だった。
嫌悪感というよりもズー達の人生ではあり得る世界なのだ、幸福な世界なのだと思わせる、ルポの進め方が素晴らしかった。
ドイツのナチス後の反動、性愛に対する自由主義化という知らなかった側面も知ることができ、多文化を知るという観点でも読み進める手が止まらなかった。
興味本位なのではなく、著者の方の傷が癒えていく旅だった。(毎回一部の男性の自己本位性や暴力性には、物凄い嫌悪感を催す)
キリスト教の洗礼を受けご両親に大切にされてきたであろう女性がなぜそんな酷い男から逃れられなかったのかという矛盾を感じた。悪い形で共依存になっ -
Posted by ブクログ
獣姦。理解不能。おぞましい。気持ち悪い。読後、この感覚が変わったという事はない。ただ、読む前とは、少しだけ嫌悪感の質が違う。色々と考えさせられる。考えながら思考が散漫となるが、読む価値あり。中身は真面目なフィールドワークだ。
自らも歪んだ性経験をもつ女性研究者が、体当たりで、動物性愛も含むドイツの団体ZETAを中心に取材する。性行為が主ではなく、あくまで動物との生活における一部であり、必ずしも行為は必要とはしないと言い切る彼、彼女らは、動物を性玩具のように用いる性指向とは一線を画す紳士的な団体。しかし、動物の欲求を半ば介護の如く解き放つために、自らのアナルを差し出す男を、私の脳は「なるほど。 -
Posted by ブクログ
自分には遠い世界のものと思っていた、動物とのセックスについての本。 最初はあまりにも異質と言っていい世界の話の連続だったけれど、著者の観察者に徹しようとしながらも、ズーの人たちとの関わり方、それを踏まえた考え方の…上手く言えないけど、人柄みたいなもののおかげで、最後まで読むことができた。 ズーの人達が伝えたい、叫びたいことが著者を通して、自分なりに理解ができたと思う。 動物が裏切らないと言う彼等の話や、一定の考えは凄く納得いくものだった。
多様な生き方が推奨されている今なら、どんな生き方だって、考え方だって自分が共感できる場面があるならば、少しでも寄り添えられるんじゃないかな。 読み終えた今も -
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文化人類学者が書いた本で、動物性愛者との関わりを通して愛とは、セックスとは何かを追求していく1冊。
私は当初この本を読みながらどうしても過去の経験から生物学的な視点を入れてしまうため、ズーが言う「犬がセックスに誘ってくる」とか「舌が入って大丈夫かどうか」とかは生物学的に自然なのでは…なんて思ってしまった。(私自身が昔買っていた雄の柴犬は去勢をしていなかったのでしょっちゅうイライラしていたし、家の中で立場の弱い私と祖母にばかり腰を振りに来ていたし、歯磨き粉の味が大好きだから歯磨きのあとは毎回口の中を舐め回そうと下を入れてきたので)
ただ、それでこの本に出てくるズーのパートナーの愛情表現を否定す -
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ネタバレ著者の経験から、動物性愛者というセクシュアルマイノリティを紐解いている。この本では動物性愛者をズーと呼んでいる。ズーであることを「動物の生を、性の側面も含めてまること受け止めること」と著者の調査や経験からまとめている。動物と対等な関係の先に、愛があり、性がある。当たり前のことなのにそれが全く議論されていない。偏見や偏った知識で批判することは簡単だ。しかし、著者やズーの人達のように、色んな考え方を独自の方法で理解しようと努め、行動することが大事だ。これには大きなエネルギーを要することがこの本から伝わってくる。そして、自分のアイデンティティ、セクシュアリティ、人間とは何かということを考えていく先に
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Posted by ブクログ
星2.5くらい。興味深い体験談がいくつかあったが、そんなに想定外の話はでてこなかった。きれいな部分、見せられる部分のみを抽出した印象を受けた。
多くの人が衝撃と言っていることが衝撃。
獣姦や動物性愛は言及してないだけで多くの人が抱えているセクシャリティであるという認識が自分はあった。
犬やケモノの発情期には、飼ったことがある人なら遭遇したことがあると思う。動物の性欲を考えもしなかったというのは本当に?と思った。
海外ではケモナーやファーリーは日本より格段に多く、論文もたくさんある。せっかく途中でケモノキャラクターに興奮する人の話がでてきたのに、ケモナーやファーリーといった話には一切触れなか -
Posted by ブクログ
色々と複雑すぎて、よくわからなかった。
動物性愛者がいる。動物を強姦するわけではなく愛がある関係性の上でセックスをする。けど動物とコミュニケーションを取れるわけではないから実際のところどうなのか。
すごく簡単にまとめるとこういうこと?
著者がズー(動物性愛者)に対して肯定的なのか否定的なのかわからないまま読み進めていたけれども、この本では著者がどちらの意見を持っているというよりは、両方の意見を持っていてその上で読者に議論を促しているのだなと、解説を読んで納得。
それを理解した上でもう一度読みたいけれども、情報量が多いのですぐには読み返せないと思う。
使っている言葉自体は簡単というか理解 -
Posted by ブクログ
とってもショッキングな内容でした!ズーフィリア(ズー)というのは、動物性愛者のこと…動物をパートナーとしてその性も含めてかけがえのない存在として愛するということ…。今まで生きてきて、そんなこと考えもしなかったんです。偏見を持っていたんですよね、私…。
ドイツには動物性愛者の活動団体「ゼータ」があり、この作品はその取材内容に基づくものをベースとしています。筆者は自ら受けたDV被害から、性について、愛について知りたいと思ったことがきっかけになったようです。現在は多様性が重視される社会になっていますが、それでも…なんか受け入れがたい!でも、ズーたちは、自然の成りゆきだといいます。
動物は嘘 -
Posted by ブクログ
こんな世界があったとは、読む前と後で動物性愛者「ズー」の印象がずいぶん変わった。
動物とセックスする人、についてこれまでの私の人生で耳に入ってきた情報といえば、岩井志麻子さんが5時に夢中で「田舎育ちは獣姦経験がある」と話していたことぐらいである。かなり昔のことだが、強烈すぎて忘れられない記憶だ。番組上ではネタとして扱われていたし、”現代ではありえない”と思っていた。
しかし、実際に愛情を持って犬や馬をパートナーとする人がいるという。人間の一方的な快感のために動物を利用するものと思っていたが、そういうことではないらしい。
ズーはパートナーの動物との対等な関係性を重視している。相手がしたくて、自