聖なるズー

聖なるズー

小説・文芸
671円 (税込)

3pt

犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。大型犬を「僕の妻だよ」と紹介する男性。七匹のねずみと「群れ」となって生活する男性。馬に恋する男性。彼らはときに動物とセックスし、深い愛情を持って生活する。過去に十年間にわたってパートナーから身体的、肉体的DVを受け続けた経験を持つ著者は、愛と性を捉えなおしたいという強い動機から、大学院で動物性愛を研究対象に選び、さらにズーたちと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か考察を重ね、人間の深淵に迫る。性にタブーはあるのか? 第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

聖なるズー のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ◎最近読んだ本で最もよかった。
    動物性愛というテーマで、こんなにも自己と他者の対等性を考えさせられるとは思わなかった。


    ◎「言葉を交わせない動物との間に合意はない」という非難が出てくるが、言葉が必ずしも対等な関係性を担保するわけではないだろう。
    言葉が本当の感情や想いを表すことは少ないわけで、機微を取り零したり、そもそも本心とは裏腹のものであったりすることが多い。
    また、言葉を発する前の関係性で、言葉には制限ができる(支配者―被支配者のような関係性では対等な言葉を交わせるわけはない)。

    むしろ相手との対等性をおざなりにしてしまうのが、見せかけの言葉によるコミュニケーションなのではないか。

    それに比べ、五感を研ぎ澄ませて、パートナーである動物の感情や欲望を察知し、対等な存在として共生しようとしているズーたち(動物性愛者)のほうがよほど他者に対して誠実だと感じた。


    ◎日本での家庭動物(ペット)は、性欲をもたない「子ども」として扱われるという話もなるほどと思った。


    ◎最後の、「友人」のくだりがとてもよかった。

    1
    2024年06月09日

    Posted by ブクログ

    価値観を揺さぶる本。本書中のあるズーが語るように、セックスの話題はセンセーショナルだからどうしてもズーの話を性行為に限って取り上げてしまう。そのために動物愛護団体との対立も生じる。しかしズーたちの問題の本質はセックスではなく「動物や世界との関係性」にある。異種への共感、愛情。人間と動物が対等であるべきとの考え。性愛と対等性というテーマが、著者がかつてパートナーから受けていた性暴力の記憶と結びつき、愛とは何か、性とは何か、関係とは何か、人間とは何か、という問いになっていく。

    著者も書いているが本書によって動物の性欲について知ってしまったあとでは、今後の人生で動物を飼うことに抵抗を覚えてしまう。性欲も含めた彼らの存在を丸ごと受け入れるだけの覚悟を持てる自信がない。

    1
    2023年02月26日

    Posted by ブクログ

    動物性愛の取材というテーマもおもしろいし、さらに筆者のバックグラウンドも合わさってスパイラルのように進む考察もまたおもしろい。
    大学院の論文がベースのようだけど、こんなに面白い論文が書ける筆者にはただ脱帽。

    1
    2023年02月12日

    Posted by ブクログ

    動物性愛についてという、センセーショナルな題材のノンフィクション。とにかく文章がうまく、ぐいぐい読んだ。
    いやらしさは全くなく、むしろ真摯で感動的。動物、考え方の違う他者との関係性について考えさせられる。
    この本を読んだ後、動物をただ可愛がって性欲を無視する方が、ある意味虐待じゃないかとも思った。

    文庫版あとがきに、「人間は共感すべき対象を無意識にあらかじめ選択しているのかもしれない」という問題提起もあり、興味深かった。
    そっちの方面の研究を押し進めた本も、ぜひ著者の濱野さんに書いてほしい。

    1
    2023年02月10日

    Posted by ブクログ

    ズーファイル(動物性愛者)について書かれた衝撃のノンフィクション。
    著者の濱野さんの経歴を知ると、この本をまとめる為に費やしたエネルギーに頭が下がる思い。
    生物の多様性について自分の視野を広げてもらえる素晴らしい一冊だった。

    0
    2026年05月17日

    Posted by ブクログ

    正欲を読んだあとと少し似た感覚がある。読む前の自分には戻れない感覚。動物の性欲を無視できなくなってしまった。
    動物性愛としても、少数派の生き方としても、わたし個人にとってかなり興味深い本だった。おもしろかった。

    "「病気」「変態」という言葉が示す排他性は危険だ。あの人たちは自分とは違う、という線引きをして、そこで思考を鈍らせる"

    0
    2025年01月03日

    Posted by ブクログ

    石田衣良のオトラジでおすすめされているのを聞いて、読みました。
    読み終わったら元の世界には戻れない。

    0
    2024年12月31日

    Posted by ブクログ

    衝撃の一冊だった。動物性愛をテーマにした、何とも静謐なドキュメンタリー。「動物性愛」という言葉から予想されるようなグロテスクな描写はほぼありません。
    性の問題。個々の人格的尊厳を主題にしている本です。
    政治運動として展開されるLGBTやフェミニズムには正直批判な目を向けているが、本書に描かれているパーソナルに問題としての性や尊厳の問題には真摯に向き合うしかありません。

    0
    2024年11月19日

    Posted by ブクログ

    「正欲」(朝井リョウ)の次に読んだ作品。
    「正欲」が性を取り扱った作品だからこそ、本書を選んだ。

    単に可愛いというだけで犬や猫を飼うが、
    どこまで真剣に動物の性を考えているだろう。

    自分たちが人を愛するのと同じ感覚で、動物を愛して、動物にも性欲があり、それをどう受け止めてあげることができるか、を考える人たちがいる。
    動物性愛。
    これを動物虐待と呼んでいいのか。

    動物の声や気持ちを正確に分からない人間が、「それ」が愛なのか、虐待なのか、「それ」を法律や社会が決める事はできるのか。

    自分にまったく発想もできない価値観に出会えることこそ、読書の醍醐味。

    どこまで真剣に自分たち人間の性について考えているだろう、というところまで踏み込んで書かれており、作者さんの粘り強い取材のおかげで、深く、多面的な見方を学ばせていただいた。


    性を扱うからこそ、人間の本質に迫ることができていると思う。

    0
    2024年09月29日

    Posted by ブクログ

    これは頭ぶん殴られた気分になる本。動物性愛といっても、さまざまにある。数週間動物性愛の「ズー」と共に暮らすことで、理解から入る。その愛が真実と語られるが、しかし、さまざまな視点からその性愛についてスポットライトを当ててゆく。どの立場の人たちの言葉にも理がある。反する立場の人たちにも別角度の理がある。そしてそれぞれに矛盾や都合の良い解釈がある。しかし、それは人間同士の性愛に対してもだ。遠い世界かと思っていたら、距離を詰められて殴られる感覚。一度読んでみてほしい。

    0
    2023年03月13日

聖なるズー の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

集英社文庫 の最新刊

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

同じジャンルの本を探す