動物性愛だけではなく、人間同士における「関係性」や「愛」、パーソナリティなど、様々なことを改めて考えさせられた。
動物を無意識的に子ども視してしまっていたこと、それ故に、動物にも存在し得る性的欲求やセクシュアリティについて見事なまでに見落としてしまっていたこと。迂闊、というか、稚拙、というか。自分の
...続きを読む想像力の足りなさを痛感した。
「動物からは言葉の合意が得られない。だから、実際に動物が人間とのセックスをどう感じているかは想像できない。ゆえに、セックスを含む如何なる動物性愛も許されない。」という言説に対して、「言葉での合意があれば性暴力ではない、なんてことはない。」という著者の返し方には唸ってしまった。確かに、言葉ではYESと言っていても、それが本心からのYESなのか、雰囲気に流されたYESなのか、そう言わざるを得ない状況下で苦し紛れに発されたYESなのかは分からない。そもそも、言葉によって全ての関係性における問題が解決されうるなら、人間社会はこんなに腐っていないだろう。だからと言って言葉を軽視している訳では断じてないけれど、コミュニケーションは言葉だけでは完結されない、ということも肝に銘じる必要がある。