作品一覧

  • 無機的な恋人たち

    小説・文芸

    3.9
    1巻1,815円 (税込)
    あの『聖なるズー』の著者が、ふたたびタブーに挑む 「人は無機物と愛し合えるか?」 2019年、人間と動物の性愛を描く『聖なるズー』で鮮烈なデビューを果たしたノンフィクションライター・濱野ちひろ。 待望の書き下ろしノンフィクションとなる今作のテーマは、「人と無機物のセックス」。 人は「人以外」と愛し合うことはできるのか? セックスロボットが普及すると人々のセックス観はどう変わるのか? AIに恋をする人々が出てきている今だからこそ、 「無機物とのセックス」を通して、近未来社会の「性と愛」を予見する。 【本書の内容】 第一章 シンテティックな愛は永遠に シンテティクス(合成物質)でできた無機的な妻・シドレと暮らすデイブキャット。 この界隈では世界的に有名な夫婦である「二人」に、 著者は「参与観察(生活をともにして観察・記録する手法)」を試みる。 第二章 裏切りと喪失の経験 妻の不倫によって離婚したジムは、等身大人形のアンナを見つめながら言う。 「アンナは嘘をつかないし、秘密を持たない。唯一無二のパートナーなんだ」 裏切らないことーーそれが等身大人形に求められる最大の美点なのだろうか? 第三章 フェティシストと夫 「僕にとってドールは芸術品なんだよ。関係性はない」と語るジョゼフ。 「僕がショップから救い出したあの日から、ナタリーは幸せなんだ」と語るロジャー。 ドールフェティシストとドールの夫。二人との会話から見えてきた「愛の輪郭」とは。 第四章 ミクの夫として生きる 普段は公務員として働く近藤顕彦にとって、初音ミクは「イジメのどん底から救ってくれた」存在だった。 「我が家のミクさん」との生活を通して社会に波紋を投げかける近藤には、ある信念があった。 第五章 身体を探して カリフォルニア州サンフランシスコで出会ったミア。 男性から女性になろうとしている最中の、トランスジェンダー女性だった。 彼女はなぜドールを必要とするのか。 第六章 秘密の実験 「絶対に秘密なんだけど」と、デイブキャットは私に言った。 「新しいドールをもう一体買おうと思っているんだ。セックス専用のドールを」 第七章 中国と日本のラブドールメーカー 中国ジーレックス社と日本のオリエント工業。 経営理念が異なる2社の「製造現場」から見えてきたものは…。 第八章 無機物の死 東大阪にある「人間ラブドール製造所」。 そこでは日々、ラブドールの「生と死」が繰り広げられている。 運営する新レイヤへの参与観察。
  • 聖なるズー

    小説・文芸

    4.3
    1巻671円 (税込)
    犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。大型犬を「僕の妻だよ」と紹介する男性。七匹のねずみと「群れ」となって生活する男性。馬に恋する男性。彼らはときに動物とセックスし、深い愛情を持って生活する。過去に十年間にわたってパートナーから身体的、肉体的DVを受け続けた経験を持つ著者は、愛と性を捉えなおしたいという強い動機から、大学院で動物性愛を研究対象に選び、さらにズーたちと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か考察を重ね、人間の深淵に迫る。性にタブーはあるのか? 第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 無機的な恋人たち

    Posted by ブクログ

    聖なるズーを読み、衝撃を受け、濱野さんの新作ということで手に取りました。
    今回も読んで良かったな、と思っています。

    前回も感じたことですが、私は動物や無機物との「愛」が孕む暴力性を考えた時に、どうしても嫌悪感や訝しむ気持ちが多少なりとも出てきてしまいます。
    しかし、濱野さんが相手のパーソナリティにどんどん入っていくため、私の中でもその人に親しみの気持ちが湧いてきて、当事者の方々を、悩んでいる身近な人のように感じられることで、ただ嫌だで済ますのではなく、なぜ嫌なのか、何が違うのか、私がそうでないというだけで尊重されるべきではないか、と思考が進んでいく感覚があり、それがすごく自分にとって良い体験

    0
    2026年08月02日
  • 無機的な恋人たち

    Posted by ブクログ

    前作の「聖なるズー」で、タブーに切り込みつつもマイノリティにフラットな目線で寄り添う著者にとても感動したので、本作も楽しみにしていた。

    本作は何より著者の体当たりの取材が凄かった。英語ができる方なのか?取材対象はほぼ欧米人なのだが、初対面にも関わらずラブドールで埋め尽くされた男性の家に数泊したり、現地の過激なイベントに参加して実体験したり。なかなか日本のノンフィクションライターでもこういうタイプの方はいないので、もっと評価されても良いのでは?と思った。著作がまだ少ないからかな。
    怖いもの知らずというより、偏見がないからこそ体当たりな取材ができてる印象。すっかり著者のファンになってしまった。

    0
    2026年06月02日
  • 聖なるズー

    Posted by ブクログ

    ズーファイル(動物性愛者)について書かれた衝撃のノンフィクション。
    著者の濱野さんの経歴を知ると、この本をまとめる為に費やしたエネルギーに頭が下がる思い。
    生物の多様性について自分の視野を広げてもらえる素晴らしい一冊だった。

    0
    2026年05月17日
  • 無機的な恋人たち

    Posted by ブクログ

     本書でも取り上げられている、初音ミクと結婚した人の存在はなんとなくずっと頭の片隅にあった。偶然この本を発見し、興味を持ったので読んでみることにした。
     ラブドールと愛を育むだなんて、私は思いついたこともなかった。しかし、本書に登場する人物のうち、ラブドールと愛を育む者は全員本気でそれら(彼ら/彼女ら)を愛している。その愛への向き合い方は真摯で、誠実である。それが(いささか当事者に対して失礼だが)興味深く、面白かった。
     ラブドールにアイデンティティを与える。そして、そのアイデンティティは所有者(ラブドールのパートナー)のどこかの一面と共有している。自分の理想をラブドールに投影し、それを楽しむ

    0
    2026年04月27日
  • 無機的な恋人たち

    Posted by ブクログ

    ラブドールを愛する方々をインタビューしたノンフィクション。
    それぞれの個性があり、きちんとパーソナリティを与えて妻としている方もいれば、あくまでもモノとして扱う方もいる。そして今日本にも初音ミクと結婚した方がいる。
    確かに現代は人間中心主義の異性愛が規範とされている。でも人間は思い込みでいのちを見ることが出来る。そもそも日本は付喪神という考え方がありモノにも神が宿るとされている。だったらラブドールにもいのちが宿ってもオカシクは無い。
    色々と考え方があり学びは多かった。

    0
    2026年02月08日

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