【感想・ネタバレ】聖なるズーのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年03月13日

これは頭ぶん殴られた気分になる本。動物性愛といっても、さまざまにある。数週間動物性愛の「ズー」と共に暮らすことで、理解から入る。その愛が真実と語られるが、しかし、さまざまな視点からその性愛についてスポットライトを当ててゆく。どの立場の人たちの言葉にも理がある。反する立場の人たちにも別角度の理がある。...続きを読むそしてそれぞれに矛盾や都合の良い解釈がある。しかし、それは人間同士の性愛に対してもだ。遠い世界かと思っていたら、距離を詰められて殴られる感覚。一度読んでみてほしい。

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Posted by ブクログ 2023年02月26日

価値観を揺さぶる本。本書中のあるズーが語るように、セックスの話題はセンセーショナルだからどうしてもズーの話を性行為に限って取り上げてしまう。そのために動物愛護団体との対立も生じる。しかしズーたちの問題の本質はセックスではなく「動物や世界との関係性」にある。異種への共感、愛情。人間と動物が対等であるべ...続きを読むきとの考え。性愛と対等性というテーマが、著者がかつてパートナーから受けていた性暴力の記憶と結びつき、愛とは何か、性とは何か、関係とは何か、人間とは何か、という問いになっていく。

著者も書いているが本書によって動物の性欲について知ってしまったあとでは、今後の人生で動物を飼うことに抵抗を覚えてしまう。性欲も含めた彼らの存在を丸ごと受け入れるだけの覚悟を持てる自信がない。

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Posted by ブクログ 2023年02月12日

動物性愛の取材というテーマもおもしろいし、さらに筆者のバックグラウンドも合わさってスパイラルのように進む考察もまたおもしろい。
大学院の論文がベースのようだけど、こんなに面白い論文が書ける筆者にはただ脱帽。

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Posted by ブクログ 2023年02月10日

動物性愛についてという、センセーショナルな題材のノンフィクション。とにかく文章がうまく、ぐいぐい読んだ。
いやらしさは全くなく、むしろ真摯で感動的。動物、考え方の違う他者との関係性について考えさせられる。
この本を読んだ後、動物をただ可愛がって性欲を無視する方が、ある意味虐待じゃないかとも思った。
...続きを読む
文庫版あとがきに、「人間は共感すべき対象を無意識にあらかじめ選択しているのかもしれない」という問題提起もあり、興味深かった。
そっちの方面の研究を押し進めた本も、ぜひ著者の濱野さんに書いてほしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月02日

たしかTwitterでおすすめのような形で気になっており、たまたま書店で見つけたので一読。

今まで「動物性愛」について考えてきたことはなかった中で、日常生活でも溢れるペットの性欲の視点は今までになかった。
動物との対等な関係性を考えることは自分自身の他者へ関係の仕方を改めて考えるトリガーになりまし...続きを読むた。
すぐには答えが出ないし、考え続けるべきものであることは間違えない。

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Posted by ブクログ 2023年01月01日

動物性愛者をめぐるノンフィクション。著者の体験からセックスのことを理解したい、という強いおっもいがあり、ただのびっくりノンフィクションとは全然違う、切実な内容。
対等、ってなんだろうなあ。愛がないとセックスってしちゃいけないのかな。etc...
「タブー」とされることに切り込むのがノンフィクションの...続きを読む意義である。必読。
ペットの去勢も、これまでは動物の健康上の理由から当然のことと思っていたが、これを読むとまた考えてしまうな。

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Posted by ブクログ 2022年09月14日

おもしろ半分、興味本位で読んだら痛い目を見る。
愛とは、セックスとは、人間とは。さまざまなことを考えられる一冊。

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Posted by ブクログ 2022年08月25日

夏休み-17

しらひなが、【私が読んだ中で一番ロマンチックで愛のことを真摯に考えた本】と推してくれたから、私は手に取れた。
性暴力を受け続けた著者が、セックスと愛を捉え直すために、ドイツで動物性愛について調査をする。ズーと呼ばれる動物性愛者と寝食を共にしながら、彼らの考えや、それを否定する愛護団体...続きを読むの声や、人間のセックスについても広く耳を傾けながら、考え続けるノンフィクション。
テーマが衝撃的/未知の世界すぎて、正直読むのが怖かった。(セックスという言葉が出てこないページがない)なんかまだ、自分の言葉で語れないけど、動物の性欲にも目を逸らさず、丸ごと愛す生き方を一貫しているズーたちの言葉が、なんかたしかに非現実的でどこまでもロマンティックだなと思ってしまった。
でも著者は一冊を通して(あとがきでさえも)常に冷静で、ズーのことを受け入れたい、理解したいという気持ちでありつつ、どれか一つのセクシュアリティを肯定したり、否定したりしない。自身の経験から何か一つの正解に縋りたい気持ちではあろうに(ごめんなさいこれは勝手な見解です)、ありのままの彼らの言葉を受け止めて、濱野さんなりの考察をすすめていく考え方/書き方が、とてもよかった。

朝井リョウ「正欲」を読んだときには、"水"に性的興奮を覚えるセクシュアリティ(言い方合ってるかな)が大きく扱われていて、でもこれは「どうしようもないもの」であり、それを受け入れられない世の中に閉口するしかない/諦めた当事者のやるせなさを痛感した。

セクシュアリティ関連といったらそうだが、この本の中には、「ズーという生き方を知って、ズーになった」という人物が出てくる点で、「正欲」とは全く違うと確信した。「これはクルトの個人的な、性差別に抗う政治活動なのだ」という文、これだ。私たちは(少なくとも私は)限りなく狭いセクシュアリティと性に対する価値観しか知らない中で生きてきたということを突きつけられた。

最後には、人間より明らかに短い動物の寿命と死、出会ったズーの一人一人と向き合い続けたことによってできたパーソナリティ、ここまできてなお、ズーのパートナーとなるのは言葉でコミュニケーションを必要とする/裏切る「人間」ではなく、言葉の要らない/一生裏切らない「動物」と感じていることなど、考え続けて何年経っても湧き続ける疑問や新しい現実が畳みかけてくる。ぜんぜんまとまらないけど、とにかく読んでよかった。しらひなありがとう。

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Posted by ブクログ 2022年06月15日

・ドイツではかつてユダヤ人への虐殺が行われており、それに付随する形で同性愛者などへの弾圧も激しかった。そのため戦後のユダヤ人差別の撤廃運動に伴い、様々な「性」を背景とする人々の抗議活動が活発化し、ドイツ社会そのものが性に関する活動にも寛容?(ある程度受け止める、認めるための土壌が構成されるよう)にな...続きを読むった。
→これまでドイツは性に寛容というか、SMなどを含む性活動に他の国よりも積極的なイメージがあったが、それが戦後の抗議活動を基とするものだとは思ってなかった。

・作者が「暴力は意外にも生産的な行為である(怒り、悲しみなどを産むから)」と述べていたが、上記の性に寛容な文化の形成のように、戦争とDVも規模が違うだけで同じ性質を持っているのだと改めて感じた。

・動物(パートナー)をありのままに受け止める・対等になることがズーの方たちの愛し方で、セックスはあくまで発生する事象に過ぎないというところが興味深かった。
セックスを愛に付随するものとして大切にしている人にとって、何かしらの理由・言い訳が必要な刹那的なセックスを肯定できないというのは動物性愛/人間性愛に関わらず理解できる価値観だと思った。

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Posted by ブクログ 2022年02月08日

理解出来たかと読み終わってかなり考えてしまいました。差別はしないし、批判もしないけれど…本当の意味で理解は出来ていないのだと思います。日本だから攻撃とか酷い批判が無かったのではないか、と考えました。アロマンティック・アセクシャルがドラマのネタになるくらいなのでこの本も理解はされづらくはあっても批判は...続きを読む来ないのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

動物に愛着、ときに性的欲望を抱く「動物性愛」をテーマにした本書。
動物性愛擁護団体「ゼータ」のメンバー中心に、動物性愛者、通称「ズー」に密着したノンフィクション。

まず私も勘違いしていたことだが、「獣姦」と「動物性愛」は似て非なるものだ。
獣姦は動物とのセックスそのものを指し、そこに愛があるかどう...続きを読むかは全く関係がない。そのため、ときに動物への暴力行為をも含むとされる。
一方で動物性愛は、心理的な愛着が動物に対してあるかどうかが焦点となり、決して動物に危害は加えない。

ズーは動物ならなんでもいいわけではない。
ズーは自分の愛する特定の動物の個体を「パートナー」とし、パートナーはズーひとりにつき一頭の場合が多い。なぜならばその一頭だけがそのズーにとって特別な存在だからだ。
ズーはパートナーである動物にパーソナリティを見出し、自分との対等な関係性を愛する。

動物性愛を紐解く鍵は対等性にある。
対等性とは、相手の生命やそこに含まれるすべての側面を自分と同じように尊重することだ。
動物性愛を語るときにしばしば話題にあがる小児性愛。
人々がこの二つを並べがちなのは、「人間と動物」、「大人と子ども」という違いはあれど、いずれも「対等ではない関係」という認識があるからだろう。
動物は言葉を話せず、小児も小さければ小さいほど言葉を操れない。
日本でも飼い犬を我が子のように扱う「犬の子ども視」は一般的だ。
一方、ズーは成犬を「成熟した存在」として捉え、対等に扱う。
ズーは小児性愛を「性的な目覚めがない相手に性的行為を強いる間違った許せないもの」として嫌悪し、動物性愛を「成熟した動物には性的な欲望とその実行力があり、人間の大人と対等である」と正当性を主張する。

ズーは「パートナーとの対等性」を重視するためパートナーにセックスは強要しない。
セックスのための性的なトレーニングも行わない。
セックスするときはパートナーが誘ってきたときだけだ。
そのためズーの中にはパートナーとのセックスを一度も経験したことがない人も多くいる。

この「犬などの動物が誘ってくる」ということが私には理解できなかった。
ズーのいう犬の性欲は、犬がごはんを食べたがるのと同じくらいわかりやすいそうだ。
自分も犬を飼った経験から犬には発情期があるので性欲が存在することは理解できる。
でも、その性欲の対象が人間に向くことはあるのだろうか。
あったとしてもそれはその犬が人間社会の中で生きているため、他の犬とセックスする機会を持てないから人間に向いただけなのでは、という疑問が残る。

ズーのなかにも、色々な違いがある。
まず、性的対象となる動物の種類。
犬をパートナーとする人が圧倒的に多く、次いで馬が多い。
猫は人間との体格差が大きく、かつ性器も小さいのでセックスが成り立たず、パートナーとする人はいない。
ズーは動物を愛し、危害を加えない。
だから動物のサイズの問題は大きく、猫にとどまらず小型の動物はパートナーとはならないのだ。

次に、性的対象となる動物の性別。
自身が男性で、パートナーがオスの場合は「ズー・ゲイ」、自身が女性で、パートナーがメスの場合は「ズー・レズビアン」、パートナーの性別を問わない場合は「ズー・バイセクシャル」、自身とは異なる性別を好む場合は「ズー・ヘテロ」となる。
また、パートナーとのセックスでの立場が受け身の場合は「パッシブ・パート」、その逆を「アクティブ・パート」という。
つまり、ズー・ゲイの男性がオスのパートナーとセックスときは動物のペニスを自身の肛門に受け入れる方法をとる。
このとき自分のペニスを動物に挿入することはない。

その次に、自身がズーであると自覚したなり立ち。
ズーたちの大多数は、生まれながらの動物性愛者だそうだ。
しかし、自ら考え抜いて「ズーになることを選んだ」人もいる。
彼らはすべての時間と経験をパートナーと共有することでまるごと向き合い、共に生きるための新たな生き方としてズーになることを選んだという。

ズーは自分たち動物性愛者のことをラグジュアリーだと考える。
なぜならばパートナーの一生を、最初から最後まで受け止めることができるからだ。
動物をパートナーとする以上、どうしても人間との寿命の違いの問題がつきまとう。
最愛のパートナーを看取ることは辛く悲しいことではあるが、そのズーの考え方は素敵だなと思った。

動物性愛は、ある人にとっては犯罪に等しい行為であり、ある人にとっては人間と動物の境界を再考させる行為とされる。
私はこの二つの間で揺れ動いているが、この本を読むことで後者の考え方を知ることができてよかったなと感じる。
ぜひたくさんの人に、この本を読んでもらいたい。

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Posted by ブクログ 2022年01月11日

人間の性愛、動物との関係性に関する自分の中の常識や思い込みに、まったく違う視点が与えられた気がします。
DV被害者である著者が、犬や馬をパートナーとする、いわゆる動物性愛者へのインタビューを通じ、人間の性愛や暴力性について思索していくノンフィクション作品です。

動物性愛という言葉自体は初耳でしたが...続きを読む、世の中にはいろいろな性があるから、動物に性的興奮を覚える人もいるのだろうな、ということはなんとなく考えていました。

一方で獣姦という言葉や行為も自分は知っていて、そうした人たちと、その行為を半ば無意識的に自分の中で結びつけて、そうした人を一種の性的倒錯者のように思っていたところも、今思うとあったように思います。

実際に読んでみると、動物性愛者の人たちは決して異常な人ではない。LGBTの人たちが自身の性自認に悩んだように、彼らも自身の性自認に悩み、パートナーに対しても、決して性的快楽を得るための道具として扱うのではなく、人間のパートナーと変わらない愛情や慈しみを注ぐ。

その姿は人間そのものだと思うし、著者自身も思うようにある意味では人間の関係性以上にロマンチック、あるいはイノセンスなものを感じさせる気もします。

実際に読んでいると、自分たちは動物と性というものを切り離して考えていることにも気づかされます。日本ではペットの去勢は普通のこととして受け取られているものの、それは倫理的に正しいのか。動物であるパートナーの性を考えている彼らの方が、ある意味では動物愛護の姿勢としては正しいのではないか。
社会の常識、自分の中の概念が、そんなふうに揺らぐことが読んでいるうちに何度もあったように思います。

性的志向や関係性は暴力や支配とも結びつきます。著者が取材した動物性愛者の団体「ズー」はドイツにありますが、ドイツでも動物とのセックスは動物愛護法と人々の自由や権利との間で揺れ動いています。もちろん動物性愛者に対しての視点は社会的にも厳しいのが現状。

動物たちは本当に人間との性的関係を望んでいるのか? そこには全く暴力的なものも、支配の感覚もないのか?

個人的にズーの人たちの言い分は説得力あるものもあるし、同意できないものもあります。ただ著者はそこで思考停止するのではなくさらに思索を深め、人間が持つ性に対する偽善的な部分や、支配・被支配、力関係、暴力性に焦点をあてていきます。

著者自身の体験によるものもあると思うけど、その思考があるからこそ、この本は下世話な表層的な部分で終わるのではなく、人間の本質の部分に触れるような作品になったように思います。

正直最初は、自分も下世話な好奇心からこの本を手に取ったところがあります。それでも読み進めていくうちに、この本が問いかけたかったものが心の中に降りてきて、否が応でも考えさせられたように感じます。

第17回開高健ノンフィクション賞

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Posted by ブクログ 2021年12月31日

読む前は動物との性愛というイメージから嫌悪感を抱いていたが、読んでみると想像していた嫌悪感は感じられなかった。そもそも、「動物性愛」と「獣姦」が似て非なるものだと知らなかったからだ。

「動物に対して感情的な愛着を持つ」というのはわかるが、「性的な欲望を抱く性愛」とは理解しにくいところだ。しかし、人...続きを読む間に対してであれ、動物に対してであれ、愛するという行為は人それぞれだ。

動物性愛者の存在、そして動物にも性があるということへの理解を通して、自分自身の視野が広がったような気がする。だから、読書は面白い。

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Posted by ブクログ 2021年12月16日

以前に単行本で読んでいたので、文庫版あとがきと解説を読みました。ズー達のその後が知れて良かった。解説もわかりやすく、面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年12月16日

ここ数年でいちばん面白く、刺激的な本でした。
2〜3ページおきに目から鱗が落ち続け、この3日でデスク周辺に鱗の山ができた気がします。生まれ変わったように、視界が開けた。
濱野氏の冷静で穏やかな取材は、言葉を引き出すに止まらない深い観察眼を得て、この研究に辛く苦しい動機を持つ彼女にしか到達できない知の...続きを読む淵に我々を泳ぎ着かせてくれます。
すべてのセクシャリティ問題に、社会的マイノリティ問題に、性役割問題に、アンコンシャスバイアス問題に、これまで考えたこともなかった、重大かつ本質的な視点があることに気付かされる内容でした。
衝撃的な内容ですが、とても平易な言葉で読みやすく、構成も見事で引き込まれます。

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Posted by ブクログ 2024年01月11日

読んでよかった!!!
不思議な納得感とあわせて、最後愛について痛烈に批判した後、しかし果たして「愛なしで対等でいられたことがあったのか」「むしろ人間同士の方が対等であることの方が難しいのでは」と裏返っていくのが興味深い。

言及されているように、「対等性」が自分にとっても一番大きい問題点だったように...続きを読むおもう。
言語や体格や種を凌駕して対等であるには、「動物は動物である必要がある」点こそ、「対等性」を解決しているようで、結局「支配」ともとれる余地を内包してしまっている。

>ズーたちにとって、ズーであることは、「動物の生を、性の側面も含めてまるごと受け止めること」だった。

これから生きていくにあたって、↑の文章が心に刻まれたのは間違いない!


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Posted by ブクログ 2023年12月29日

動物性愛者「ズー」を取材したノンフィクション本。ペット等と暮らした事がないので、最初は具体的な動物への性愛についてどこか遠い世界の事の様に読んでたけど…読み進めていく中で抽象度は高くなり、それは動物と人間の関係性だけでなく、人間と人間の関係性にも通じていき面白かった。愛とは何か?どうやって相手との対...続きを読む等性を維持するか?など、「愛」についての考え方の土台が揺らぎ、再構築された気がする。
愛は創造的である事を知った事や、新たな価値観をインプットできた事が良かった!

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Posted by ブクログ 2022年10月28日

ズーや性に関する、筆者のインタビュー活動を基にした文章はまるで論文を読んでいるかのよう。
性にまつわる過去の傷があったからこそ、ズーを通してそれを考え直すことを選んだそう。
動物にも性欲があるのか…。「彼らがそう主張しているだけでは?」と思ったが、確かにたまに発情期とか見る。
これから拡大し、議論が...続きを読む起こっていく性的指向であることは間違いなさそうだ。

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Posted by ブクログ 2022年08月07日

ドキュメンタリーであるが、筆者の文章や描写が非常に上手く小説のように読めた。
愛や対称性ついてなど…いろんな角度から考えることの多いテーマだけど、読む価値あり。おすすめできる一冊。

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Posted by ブクログ 2022年06月26日

自分以外の生き物との対等な関係とは何だろう?
答えはまだ見つからないけど、考え続けたいと思った。
著者から切実な問いをいただきました。

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Posted by ブクログ 2022年06月13日

著者の渾身の文章に引き込まれた。
動物の性欲を尊重し、動物と性行為をする人々が存在するということに驚かされたが、読み進めていくうちにそういうこともあるのかも知れないと思えた。
セックスとは何なのかということに対してもう一歩踏み込んで欲しかったが、自分の常識が覆される貴重な体験が出来る本だった。

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Posted by ブクログ 2022年06月11日

動物性愛者を取材し、考察し、一緒に生活もしてみた筆者のノンフィクション。
少しだけエグい描写はあるが、色々と勉強になったし、考えることが増えた。筆者も述べているが、動物を飼う、一緒に暮らすということについて、ハードルが上がってしまった。
パートナーである犬や猫とは対等な関係だと、人間が言っており、そ...続きを読むこら辺はどうにも。対等とは。

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Posted by ブクログ 2022年04月18日

すげぇ本です。このテーマで本にしたところがすげぇ。性虐待をテーマにしているのかと思いきや、読み進めると、虐待は性の一つの姿で、性(ジェンダー)そのものをテーマにしている。し、考察が深い。動物愛という超超少数派を対象を仔細に観察することで、ジェンダー全体に思慮が及ぶというスキームが素晴らしい。
動物愛...続きを読むをヘンタイとして差別視することを否定も肯定もしておらず、(公平な考察のため、友好的なインタビュー関係を築くため、動物愛を肯定発言するシーンは多いが、それに影響うけることなく、冷静な視点が続く。と同時に、否定もせず、筆者自身が受けて来た性虐待と動物愛はどちらが醜悪か比較するシーンもあり、さらに性虐待すら悪いと言ってない節すらある。)最後まで読み進めると、動物愛がヘンタイか差別対象か醜悪か、などの議論が、もはや「どうでもよくなる」という不思議。その境地に至って初めて触れることのできる「性(ジェンダー)」の真理がある気がする。、、、って、気にさせてくれる。。。

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Posted by ブクログ 2022年03月18日

ノンフィクションライターで、人類学のセクシュアリティ研究者、濱野ちひろによる、彼女の修士論文を土台としたノンフィクション。ズーフィリアのある団体に所属する人たちを中心に行った人類学的調査の記録。ズーフィリアの人たち(本書では、「ズー」と略される。本稿でも以降、ズー。)は、日本語で動物性愛者といい、一...続きを読む般的には異性愛や同性愛のように、動物への性的な興奮を覚える人のこと。本書では、一般的に「異常」「動物虐待」と捉えられかねない動物性愛のイメージに反して、聖人のように厳格な倫理のもとで動物を愛するズーの人たちを描いている。これを読むことで、ズーといわゆる獣姦と何が違うのかがわかる。また、全体を通してズーではない人間が社会をどう規定しているか、パーソナリティとは何なのか、愛とは、と多くのことについて自分の常識が狭い枠組みにとらわれていたことに気づかされる。

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Posted by ブクログ 2022年03月06日

こんな愛もあるのかと衝撃だった。私も最初の頃の筆者同様、ゼータの人々に対して偏見や多少の緊張を持ちながら読んでいたが、動物へ無理やりという訳では無く安心してしまった。固い内容かと思ったがどんどん続きが気になって読み進めてしまった。

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Posted by ブクログ 2021年12月05日

知らなかった世界を垣間見る。
構成が平易でわかりやすい。著者とともに、考えていく過程を辿っているかのように感じた。
人とは、人間とは何かを改めて考えることになる。人と動物の関係だけでなく、社会の在り方そのものへの、問題提起。
著者の取材にも脱帽。ドイツのセクシュアリティ状況も、日本からは考えられない...続きを読む
犬を連れている人を見ると、少し考えてしまう。
しかし人間は裏切るが、動物は裏切り らない。友情は理解することであり、理解されること。動物にもパーソナリティがあり、それを発見することが愛なのか。

ホロコーストの対極の動物愛護のナチス、価値観だけでは計り知れないセクシュアリティは、今後も深く考えていく必要がある。想像以上に刺激を受けた作品。

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Posted by ブクログ 2023年10月13日

動物と性行為を含めた恋愛関係を築くズー。共感はできないけど、この本を読んで少し理解できた気がする。気がするだけ。登場するズーたちの懐が深く、知的な人柄が印象的だった。

相手と対等に在るというのはすごく難しいと思う。色々と考えちゃったな。

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Posted by ブクログ 2022年05月26日

思ってたよりエグくなくて助かった。

ズーたちが理論武装してる感じにずっとモヤモヤしながら読んでいたが、第6章末文でそのモヤモヤが的確に言語化されていてスッキリした。

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Posted by ブクログ 2022年02月18日

全て理解は出来ないが、今までの自分の世界にはない考えに触れられた
新聞の読書欄で知ったが万人にすすめられるかというとそうではないような……

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月04日

動物を性の対象として接する人、動物愛護団体からは動物虐待と言われ、世間からも差別の目を向けられる。

読んでいるうちに、この「ズー」の人たちは、共感能力が高い人たちなんだなと感じた。
子どものようにかわいがるのではなく、動物と同じ立場で対等であろうとしている。

筆者の書いていたけど、この中で登場す...続きを読むる「ズー」の人たちは、動物と対等の立場になれることのすばらしさを語っているけれど、みな動物から受け(挿入される)側であることが多い。
受け入れる立場に立つことで、他人から見た動物虐待や性欲の発散と思われることに防衛線を引いでいる。(自分の価値観を動物に押し付けているのではないと・・・)
むしろ、攻め側の人を見下している人もいる。

挿入するというある意味の攻撃性を回避することで、自分が攻撃的でないことを保証している。
でも本当にそうなのか?

人間のSEXでも男性には攻撃性があるのか?
それに対して、女性側はある意味の被害者になるのか?

SEXだけがすべてではないのだけれど、重要なことではあるのかな

もし知人に言われたら、受け入れられるか
たぶん受け入れられないかも

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