春暮康一のレビュー一覧
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読書備忘録943号。
★★★★★。
ひまわり師匠殿がレビューを上げて下さったお陰で出会えた作品です。
脱帽のハードです!
コアもすごいです!アボカドの種レベルです!
即ちハードコアSF(エスエ"フ"!ここ重要!)です。
★以下、テキトーにネタバレ粗筋含む!★
主人公、鮎沢望。
子供のころ、父親に連れて行って貰った天文台で覗いた望遠鏡の世界に全てを持っていかれた。
父親曰く「お前の名前は遠くを見るという意味で名付けた」と。
そして望は名前の通り、遠くを見続けた!
望遠鏡小説です!
ファーストコンタクト小説です!
望遠鏡に魅せられた望は、高校時代からの天文部仲間、千塚 -
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久しぶりのSF!
そしてハードSF
うーん、「分かる」気持ち良さ
まずこれね
色々読んでおいてえがったな〜って思うw
だいたい分かるわいすごい!って思いながら読んでます(だいたいかよ!)
はい、主人公の想いは結局「遠くを見たい」ってことなんよ
そんでとてつもない遠くを見るためにどうしたか?
答え
とてつもなく遠くに行きましたw
そして全てのモノを見尽くしたと思われた時に主人公がとった行動がね
またそして最後そこに繋がるのか!ってのはけっこうありがちとも思えたけど、やっぱそう来たか〜とも思いました
だってね
全て先回りされているような感覚…その先にある種明かしは…ね
『一億年のテレス -
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小松左京氏の未完の小説『虚無回廊』の完結編という感じを得た。ファーストコンタクトもので、ハードSFの傑作と言って良いだろう。
各章は「遠未来」、メインエピソード、そして「遠過去」から構成されている。「遠未来」は一組の母子が、大始祖の伝説を検証するために、銀河を横断する旅に出る。その伝説では、大始祖は大昔に星々に〈梯子〉をつなげ、最終的にブラックホールに飛びこんだといわれている。「遠過去」は、二千億の星からなる宇宙空間を〈飛行体〉は探査をおこなっている。〈飛行体〉はいくつもの知性体を見つけ、それらがたどる運命を観察する物語。
メインエピソードは、少年の頃から地球外文明に興味を抱いてき -
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学生男女3人の天文サークル青春SFかなって余裕かましてたら、ドカンとやられましたよ。遠未来、現在(から未来と言おうか)、遠過去と、3つの時代・空間が一章というセットで、第9章まで物語が展開するのだけど、その怒涛の展開たるや、こんな人(作者)が地球にいたのかと驚くしかないほどだ。が、宇宙が舞台の数億年に及ぶ物語ではあるのだけど、あくまで主人公の望(のぞむ)は天文サークルの学生マインドな純粋さで時代を、空間を、そしてアレを軽々と渡っていく。その等身大さと物語の壮大さのギャップが起こす目眩を楽しめるのは、まったくもって幸せな経験だなとしみじみ思うわけです。
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「法治の獣」の春暮康一の最新作「一億年のテレスコープ」は先行してSFマガジン8月号に冒頭170枚を掲載するという早川書房の熱の入れようを感じた。作者初の長編とのことなので、この続きは単行本を買って楽しんで下さいということだ。巨大な電波望遠鏡(テレスコープ)を作るために宇宙を旅するのかと思いきや、全く想像のつかない話に展開していくという、作者の途轍もない発想力に脱帽した。これは今度の星雲賞を筆頭としてあらゆる賞を総なめしようと目論んでいるな。まあ、それに相当することは間違いないだろう。小松左京のようなスケールの大きさや光瀬龍のような宇宙の寂寞感も感じ取ることができる一方で、語り口は現代調でとても
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・・・これは・・・オラフ・ステープルドン「スターメイカー」???・・・
と思ってしまうぐらいスケール極大な表題作をはじめとして、異星生物を主なテーマとしたハードSFの中編3編を収めた作品集。あのハル・クレメントをもじったペンネームを冠する作者ならではの、直球王道どストライク、本寸法のハードSFです。
如何にも春暮氏らしいのは、異星生物の生態系や思考回路を冷静に丁寧に描き出すことによって、それに対峙する地球人類(ソラリアン)の問いや課題を引き出す、内省的な作風です。一言でいうと「エモい」です。
ただ、氏の前作「法治の獣」と比較すると、こちらの方がより「エモい」ですね。おそらく、設定上は前作よ -
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ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作の表題作と単行本収録の「虹色の蛇」を大幅に加筆修正したもの。加えての書下ろしの「滅亡に至る病」からなる。表題作は〔完全版〕をうたっている。
いづれも、人類が太陽系外にその目と手を伸ばしていた未来の物語。作者命名の《系外進出》(インフレーション)シリーズに属する。人類は異星の知的種族と《連合》を作る。人類から独立した人工知能は、《知能流》というネットワークを作りだす。なぜか人工知能は人類から集団で離れていくのだが、他のSFでもこういう設定があったなあ。<ハイペリオン>とか<天冥の標とか>。まあ人類に公然と敵対されても困るが。
解説の林譲治氏は、作品から -
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春暮康一との出会い方は、最近出会った上田早夕里と全く同じだった。カバーの色も同じ青緑色。現在、この2人の過去の作品を順序だてて読む準備を進めている。これもアンソロジーに積極的に取り組んだ結果である。今後の読書生活に潤いを提供して戴き、本当に2人には感謝している。
春暮康一といえば地球外生命とのファーストコンタクトのオーソリティー、しかもコンタクトに当たっては緻密で複雑な検討・思考実験を行っており、臆病なくらい相手の生命体の尊厳を考えているという設定。JAXAとは雲泥の差、爪の垢を煎じて濃縮して大量に飲んで欲しいものだ。リュウグウに剣を突き刺してサンプルを持ち帰るとは・・・微生物の親子が突然爆 -
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ネタバレ壮大なスケールで、SFファンの間で評判が良いのも判る。過去・未来・現在の構成も巧みで、過去編、未来編をあとから読み返して悦に入れる。星5が妥当なのだが、展開が速すぎて感動する暇がない。2クールのアニメ化して感動エピソードをAIに書いてもらうのが良いのかも。次作は感動するエピソードがもっとあることを期待して星4つ。
以下 ネタバレ
男二人と女一人のジュビナイル小説かと思いきや・・・・
第三部76頁で いきなり100歳超えて精神をアップロードされて、もうラブラブはない?望遠鏡を太陽系に作ってVLBIによるファーストコンタクト物語かと思えば、第四部で164頁で既にコンタクト終了。そのままセカンドコ