春暮康一のレビュー一覧
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オ―ラリメイカー:壮大なスケールで物語が展開され、最初は理解するのに精一杯だったが、最後は何とかなった。星系のスケールで播種をめざす生命体のアイデアは昔からあるが、本能で播種を行う生命体とそれを観察する知性体というのは面白い。惑星間航行を容易にする惑星エレベータとか、恒星系を丸ごと船にするというアイデアは初めて知った。太陽系惑星まで、銀河系内、他の銀河で宇宙旅行の難易度は大きく違うのですね。ヤマトだとワープがあれば同じなのですが・・・
虹色の蛇:稲妻の惑星での生意気な少年と外交官の話。誘雷樹と彩雲が見えるよう。短編アニメ向きのおはなし。
文庫本では改訂されているらしい。読まねば。 -
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ファーストコンタクトにおける常識を問うような展開が面白い!そうですよね、SF作品では当たり前になっているからスルーしてしまいますけど、冷静に考えれば地球外生命体が二足歩行したり、話しかけてきたりと、こちらの常識で計り知れる存在であると信じてしまうことがおかしいんです。そんなことに気づかせてくれたことが衝撃でした。
そして、こちらの常識を疑うような生物(特に「方舟は荒野をわたる」に出てくるまさに方舟と呼ぶしかない生物群)に対する考察の深さや、コミュニケーションの是非を問うような物語の展開がとてもユニークで、非常に面白かったです。
総評として、三体にまったく引けを取らない読み応えの生物学メイン -
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ネタバレむちゃくちゃおもしろいだけでなく、ミステリーの中核となるテーマがわたしの関心ごとにベストマッチしており、驚き満載だった。作者の年齢を見てまた驚き。
「主観者」については、巻末ノートの内容もかなり興味深い。「そういうところから発想するんや〜」という驚き。ただ、光学的サトラレが単独で存在することは可能と思われる。言語の発生を研究している学者はこれに似たようなことを考えているらしく、“言語の出現“とは、話す能力が先か、聴く能力が先かというニワトリ卵問題があげられる。主流派?の見解では、「聴く能力が先に現れる」と考えられているらしい。なぜなら、他人の行動を観察して、「今あいつおなかすいてるな〜」と考 -
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ファーストコンタクトをテーマとした短編3篇。筆者のペンネームはあのハル・クレメントからいただいたそうで、異星人だけでなくその住む世界も丸ごと構築してスケールの大きいヴィジョンを描くのが得意だったハル・クレメントばりの、実に直球ストレートなSFです。清々しいですね。
ただし、異星人と人類の交流を通して血湧き肉躍る冒険譚を繰り広げるハル・クレメントの作風とは、全く異なります。
この短編集においても、異星生物と人類の接触は描かれますが、人類側は異星生物の生態環境に悪影響を与えないよう厳しいルールの下で異星生物との接触を慎重に行っており、それにも関わらず悲劇的な展開となる場面が描かれます。異星生物の -
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作者のペンネームは、ハル・クレメントに由来するそうだ。短編2中編1からなる中短編集。ツボにはまれば、気に入るだろう。
人類は太陽系外にその目と手を伸ばしていた未来の物語。作者命名の《系外進出》(インフレーション)シリーズ。
異種生物への危害を禁ずる<人類の憲章>により異星の生物へのコンタクトは超限定的で、観察が主となっていた…
本書の解説にもあるとおり、堀晃氏の作品を読んだ時と同じ印象を持った。ペンネームの由来からしても、ハードSF作家と呼んで差し支えないだろう。あ、この山岸真氏の解説は必読です。表紙カバーイラストが加藤直之氏なのも嬉しい。 -
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なんとか最後まで読み切った。
SF初心者としてはかなりハードな内容でした。終盤までは退屈さを感じながら読んでいたので、読み終わった時には酷評してやろうと考えていました。だけど終盤につれてしっかりと引き込まれる物語にされていたので、全体としては良かったと思います。
SF小説を紹介している雑誌でランキング1位になっていたので、試しに買ってみたものの自分の好みでは無かったと感じました。銀河系全体を股にかける壮大なスケールなので、ただただついていくので必死で物語に深く入り込めないのもきつかったです。
まあ評価的には中間ってところです。誰にでもおすすめって感じではなくて、玄人好みではないかと思いま -
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ネタバレ観測できる世界は宇宙からまた違う果ての宇宙までどこまでも広がっていて、想像以上に多くの生命体が存在して、その生命体を観測することで社会を知り、また大きな別の生命体が存在することがわかったのならどうするか。地球人はちっぽけな情報体のひとつにすぎないし、宇宙旅行を安全なコースで行ったって新たに掴める情報は少ない。観測しなければ何も見つからないから、遠くへ行き観測をすることを繰り返す。主人公は望む、その名は遠くを見ることと親に与えられたとおりに。疲れるような長い話だが、望は情報の全てを使って延々と観測する。観測し終える日は来ないと理解して全てを注ぎ込んでいる。