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Posted by ブクログ
読書備忘録943号。
★★★★★。
ひまわり師匠殿がレビューを上げて下さったお陰で出会えた作品です。
脱帽のハードです!
コアもすごいです!アボカドの種レベルです!
即ちハードコアSF(エスエ"フ"!ここ重要!)です。
★以下、テキトーにネタバレ粗筋含む!★
主人公、鮎沢望。
子供のころ、父親に連れて行って貰った天文台で覗いた望遠鏡の世界に全てを持っていかれた。
父親曰く「お前の名前は遠くを見るという意味で名付けた」と。
そして望は名前の通り、遠くを見続けた!
望遠鏡小説です!
ファーストコンタクト小説です!
望遠鏡に魅せられた望は、高校時代からの天文部仲間、千塚新と八代縁と共に壮大な望遠鏡を作り上げるサークルを立ち上げる。
サークル名は「彗星VLBI計画サークル」!
なんじゃこれ?ってなりますわね。
VLBIは超長基線電波干渉計ネットワークなるものです。
原理は既に実現されている開口合成技術がベースです。
良く耳にする電波望遠鏡って、光学望遠鏡に比べると解像度が悪いんです。平たく言うとボケている。
ただ、遠隔に複数並べた電波望遠鏡の観測データを合成すると解像度が高くなるんです。
そして重要なのは、電波望遠鏡間の距離(基線長)が望遠鏡レンズのサイズになるという点。
1km離れた電波望遠鏡を合成すると、口径1kmの望遠鏡になる訳です!
今でも人工衛星からの地表観測や、防衛分野で合成開口レーダーとして実用化されています。
望たちは遠くを見る為に強大な電波望遠鏡を作ろうと思った。さてどうやって基線長を伸ばすか・・・。
そうだ、彗星に望遠鏡を乗せれば、楕円軌道の遠日点が基線長になるやんか!となった。
彗星が近日点を通る時に望遠鏡を打ち上げて設置。それを20基くらいくるくる運用すれば、遠日点の連続運用が可能になる!これだっ!
そして、VLBI天体が100基を超え、基線長が60億キロとなった時、文明の気配を感じる天体を見つける。
C-1と名付けた。70光年の彼方!
さあ!地球外文明に会いに行くぞ!
土星から旅立つ恒星間宇宙船「ディヴィンヌ」望、新、縁を含む47人を乗せて!
ところで、ここまで技術革新の末VLBIネットワークが出来上がるまで何年掛かった?100年とかの話じゃないですよ。人間の一生の間に出来上がるレベルの話ではないです。
でも望も新も縁も生きているんです!
この時代、人類は肉体の呪縛から解放され、アップローディという存在となって量子コンピュータ内の仮想空間で生きているんです。
ということで、搭乗員47人もディジタル情報となって、船に乗り込む。
到着した現地で活動する為の肉体をその都度作る万能プリンタを積み込んで!
到着したC-1。
もうね。魅力的な天体なんですよ。作者の設定が俊逸!
訪れる天体と文明はこの作品の肝なので一切割愛!
そして、C-1にも望遠鏡を設置。
地球圏の望遠鏡と時刻合わせを行い(ここ重要!)、基線長70光年の電波望遠鏡を完成させる。
そして観測!そしてC-2へ。
そして望遠鏡を大きくして観測!そしてC-3へ。
以下繰り返し!
次々と観測される文明の兆候。
しかし、そこは光速という絶対的な壁が立ちはだかる。
遠い観測データであればあるほど過去の観測値。
そうです。そこに到着したけど文明は既に・・・。
そこで望は考えた。
そうだ。時刻合わせに時間軸の概念を加味すれば良いんだと。
はい。作品タイトルの完成です。
そして物語はクライマックスに!
約束の地にたどり着く。1億年に渡る観測データから見つけた、誰一人たどり着いたことのない、見えないけど存在する暗黒天体に。
ここからは凄かったですね。
まあね、結局望は遠くを見たかった。行きたかったんですね。どこまでもどこまでも。いつまでもいつまでも。師匠の仰る通りです。望くんですからね。
そして、種明かしのあと読み返しましたわ。遠過去パートを。
師匠殿がレビューを上げて下さらなかったら絶対に出会えなかったマイナーなハードコアSF。
感謝しかないです!
最後に。
遠未来パートの母子に幸あれ!
遠過去パートは飛行体に乗る人はそういうことなのね。輪っかだから。彼に幸あれ!
紀元前4年。ベツレヘムの星へのこじつけもイイ感じでした。幸あれ!
Posted by ブクログ
久しぶりのSF!
そしてハードSF
うーん、「分かる」気持ち良さ
まずこれね
色々読んでおいてえがったな〜って思うw
だいたい分かるわいすごい!って思いながら読んでます(だいたいかよ!)
はい、主人公の想いは結局「遠くを見たい」ってことなんよ
そんでとてつもない遠くを見るためにどうしたか?
答え
とてつもなく遠くに行きましたw
そして全てのモノを見尽くしたと思われた時に主人公がとった行動がね
またそして最後そこに繋がるのか!ってのはけっこうありがちとも思えたけど、やっぱそう来たか〜とも思いました
だってね
全て先回りされているような感覚…その先にある種明かしは…ね
『一億年のテレスコープ』に込められたメタファーにちゃんと気付いたとき
なんかちょっとゾワっとしました
ハードSF読んだわ〜
Posted by ブクログ
小松左京氏の未完の小説『虚無回廊』の完結編という感じを得た。ファーストコンタクトもので、ハードSFの傑作と言って良いだろう。
各章は「遠未来」、メインエピソード、そして「遠過去」から構成されている。「遠未来」は一組の母子が、大始祖の伝説を検証するために、銀河を横断する旅に出る。その伝説では、大始祖は大昔に星々に〈梯子〉をつなげ、最終的にブラックホールに飛びこんだといわれている。「遠過去」は、二千億の星からなる宇宙空間を〈飛行体〉は探査をおこなっている。〈飛行体〉はいくつもの知性体を見つけ、それらがたどる運命を観察する物語。
メインエピソードは、少年の頃から地球外文明に興味を抱いてきた鮎沢望が、大学生のとき天文でつながった千塚新と八代縁とともに、太陽系の複数の天体に電波望遠鏡を設置し、そこから得られたデータを総合して、遠い宇宙を観測するVLBI(超長基線電波干渉計)を計画するところから始まる。そして望たちが寿命を迎える前に、精神アップロードの技術が実用化し、仮想的な人格として太陽系VLBI建設に取り組むことになる。そして、別の恒星系からの有意な信号をキャッチすることに成功する…
うちの町にVLBIの観測施設があることもあり、非常に興味深く読めた。しかしながら、前述のような構成をとっており、決して読みやすい作品ではない。我慢して第三部まで読み進めると、作品の全体像がわかってくるだろう。
Posted by ブクログ
学生男女3人の天文サークル青春SFかなって余裕かましてたら、ドカンとやられましたよ。遠未来、現在(から未来と言おうか)、遠過去と、3つの時代・空間が一章というセットで、第9章まで物語が展開するのだけど、その怒涛の展開たるや、こんな人(作者)が地球にいたのかと驚くしかないほどだ。が、宇宙が舞台の数億年に及ぶ物語ではあるのだけど、あくまで主人公の望(のぞむ)は天文サークルの学生マインドな純粋さで時代を、空間を、そしてアレを軽々と渡っていく。その等身大さと物語の壮大さのギャップが起こす目眩を楽しめるのは、まったくもって幸せな経験だなとしみじみ思うわけです。
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