森口佑介のレビュー一覧
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ネタバレ発達格差の起こる要因を色々な研究を元に論じた本。
子どもへの直接支援(非認知能力を鍛える、等最近流行ってるもの)だけでなく環境を整える(家庭の安定、親の関わり方)という点は当たり前だけど難しいことだな。
教育書を読む親は、関心が高い親だ。関心の低い親、そしてその子どもを救うのは難しい。
なるほど、と思ったのは、幼児期から小学校低学年くらいは教師もアタッチメントの対象となり得る点。養育者には敵わないと思うが、関わり方を改めて気をつけていきたい。
そしてやはり学級作りや雰囲気は大事だ。影響がないわけではない。
幼子のいる親や教育に携わる人は特に読む価値ありだと思います。 -
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今話題の非認知能力の概要についてよく分かる本です。
科学的なエビデンスをしっかりと示しながらも、それら全てを鵜呑みにしないよう、読者に呼びかけているのが素敵。
さて、非認知スキル
•思考の実行機能
•感情の実行機能
の2つに大きく分けることができます。
特に思考の実行機能ら学力との相関性もあることが確認されており、近年注目を集めているそうです。
さて、こういった実行機能の鍛え方として、今のところ
ゲーム、運動、マインドフルネスなどがあげられています。
モンテッソーリ教育なども注目されていますね。
学校ではテストなどのIQ重視の教育ばかりに赴きをおかれますが、実行機能を鍛えるという観点から -
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ネタバレ・子どもの将来に影響する能力
①実行機能…未来に向かう力、目標に向かって自分をコントロールする力
②向社会的行動…自発的な思いやり
・発達格差
今を生きる子どもと、未来に向かう子どもの格差
→今を生きることが悪いわけではない
貧困家庭などでは、今を生きることが環境への適応
・マシュマロテストは他者への信頼も表している
後で本当に2つもらえるかわからない
・青年期に衝動的になるのは、アクセルが先に発達するから
ブレーキはゆっくり発達しており、後で追いつく
・非認知能力という曖昧な表現
筆者なりの定義「自分や他者と折り合いをつける力」
中核にアタッチメントがある
・支援
子どもの実行機能 -
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自分をコントロールする力。自制心の方がわかりやすいが、ここでは実行機能としている。実行機能には思考(ハンドル)と感情(ブレーキとアクセル)の2種類があり、幼児から成人になるにつれ発達していくが、青年では感情の実行機能のアクセルとブレーキの発達がアンバランスになり、一時的に低下してしまう。
実行機能は幼児期の環境に影響され、特にネグレクトは悪い影響を及ぼす。アタッチメントを築き、支援的な子育て(適切な足場かけ)で実行機能は育まれる。家庭での教育を補う幼児教育・保育も実行機能の発達に意義があり、集団での育ち、「心の道具」というプログラムで実行機能の向上を支援できる。具体的には①物理的な道具による外 -
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根拠の乏しい議論になりがちな子供の発育に関する本の中で、かなりフェアな語りをしてくださっていると感じます。
教育や発達に関する研究はデザインやデータ、設定など素人目に見ても難しそうと感じますが、この中で紹介されているような一歩一歩がどこかで実を結ぶのだと信じて止みません。
未来志向、現在志向の子供についても、有名なマシュマロ試験の問題点など共感できる部分が大きかったです。結局それぞれの子供の背景や行動の意図が違うため、科学としてデータに向かう面ももちろん重要なのですが、個別性に目を向けた人間の解像度を高める視点も重要に思えました。
自分の家庭の子育てを考える上で大事な学びがあったと感じます。
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ネタバレ本書で繰り返し説かれる「実行能力」。これはコヴィーさんの「7つの習慣」の「第1の習慣」で登場する「主体性」と言い換えて差し支えないだろう。ダニエル・カーネマンさんに言わせると「システム2」とも言える。つまり認知バイアスに囚われず、理性的な態度を維持させるということだ。これは自己啓発系の核心と言って良い。
そしてこれは2023年以降では、「ChatGPTやBardなどの生成AIに冷静に相談できる実行能力」とも言えるだろう。自分に何か問題が降り掛かった直後に(思わず)反射的に行動してしまうか、実行能力を働かせた理性的な行動を選択できるか、である。 -
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・実行機能は自制心と似た概念で、目標達成のために誘惑を跳ね除ける力
・目標達成に主眼を置いている点において、自制心とは異なる
・実行機能の重要性を裏付ける研究:ダニーデンの長期縦断研究
・実行機能が低いと、健康面・経済面・家庭面で起こす可能性が低くなる
・半年後の学力に影響を与えるのは、IQよりも実行機能
・実行機能には、①感情の実行機能(ラーメンを食べたいけど我慢してサラダランチにする)、と②思考の実行機能(環境が変わった際に無意識の行動を制御せる)がある。マシュマロテストは感情の実行機能を調べたもの
・大人でも実行機能は伸びるが幼児期に比べるとその伸びはわずか。大人は実行機能を伸ばすことよ -
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■メモ:
・貧困が子供の発達に影響を及ぼす。
理由1:ストレスの影響。貧困家庭で生まれた子は生後半年で慢性的なストレスを感じがち。ストレスは前頭前野の働きを鈍くする可能性がある。
理由2:親子のやり取りの少なさ。親子の会話や交流の少なさが、前頭前野を未発達にさせてしまう。
・子どもは無力で無能な存在ではなく、自分で世界を探索する活動的な存在である。(by ジャン・ピアジェ)
・「同化」と「調節」。
同化は新しいものに出会ったときに、子供が既存の知識や概念の中に取り入れること。調節とは、新しいものに出会ったときに、子供が既存の知識や概念の中に取り入れることができなために、自分の知識や概念を変