あらすじ
「女の子はおとなしくていいな~。男児はもう怪獣だから!」――親同士の会話でよく聞くフレーズである。大人は無意識に子どもの性格の原因を性別に求めるが、それは本当に正しい態度なのか。性差についての心理学・脳科学の膨大な先行研究をベースに、子どもの「好みの性差」「空間認知の性差」「言葉の性差」「学力の性差」「攻撃性の性差」「感情の性差」をデータで分析。「男女差の科学」で性差の謎を解く!
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Posted by ブクログ
性差は、かなり生得的ではない。むしろ養育者のステレオタイプが子供に内面化されるという構造が科学的に説明されている。ジェンダーがどのようにできあがるのか、見えてきた。
Posted by ブクログ
いかに自分がメディアや周囲に影響されていたかが分かり、少し落ち込んだ。
特に数学的能力に関しては女性だから苦手だと思い込んで碌に勉強してこなかったので反省。
意外だったのは関係性攻撃(仲間外れなど)に男女差はあまり見られなかったということ。女児に顕著に現れると思っていたので驚いた。
著者の言うとおり、男児女児以前に子供を1人の人間として尊重していきたい。難しいかもしれないが性別に囚われずに接していきたい。
Posted by ブクログ
意外な研究結果も紹介されており、面白く読んだ。いささか、筆者の志向か女尊男卑の嫌いがあるような点がやや気になったが、男女が個人差以上に性差を持つかというと、男女どちらも育てている経験の上では個人差の方が大きいかと感じている。環境や社会性の影響がかなり大きいという感覚的には筆者に同意する面が大きい。
Posted by ブクログ
女の子らしさ、男の子らしさといったものがどのように作られるのかを、研究データや統計から検討する1冊。男だから、女だからこれが得意で苦手で、というようなことは無い。あったとしても僅かな差で、社会の中でどのように扱われるかの方が影響すると思う。自分の性を見つめ直したり、自分が他人に対してどんなジェンダーフィルターをかけているかも考えられた。
Posted by ブクログ
2025.4.3
今まで女性脳、男性脳はあると信じていたけどそれは周りの環境が作っていた…?
参考文献が全部英語のもので、色んな論文を集めて日本語にしてわかりやすくまとめてくれたんだなと思った。
色んな研究もあって面白かった。
・身体的な攻撃性は男性に高い。(犯罪者も男性が多い)
・意図的な仲間関係にダメージを与えるような攻撃は女性の方が強い。
・親の関わり方やジェンダーに対する考え方が子どもの攻撃性の性差を促進している。攻撃性すら親の関わりが作り出している可能性がある。
・親、教師、メディアなど周りの大人の信念が気がつかないうちに子供に伝わり子供自身が苦手科目や得意科目を作ってしまう。得意!と思えば成績は上がりその逆もある。
Posted by ブクログ
表題の通り、一部科学的に若干の性差がある側面もあるけど、基本的には性差は生まれつきあるわけではなくて、大人が無意識に植え付けてしまっている可能性があるという内容。
お腹の中の赤ちゃんがお腹を蹴った時に「蹴った〜男の子かな??」とか、男の子が転んだ時に「泣かないの!男の子でしょ??」とかいう言葉が出てくるのって、絶対悪気なくナチュラルに出てきてしまうものだと思うけど、そういうところを少しずつ意識して変えていかない限り、性差による偏見や不平等のスパイラルからは抜け出せないんだな、と思った。
子供に対して、性差の認識を植え付けてしまうような表現をしないためにも、個々人の興味関心とか個性に目を向けることが大事って書いてあって、
これって性差に限らず、血液型とか兄弟構成とかによる科学的根拠の無いバイアスから解き放たれるための方法でもあるなあ、と感じました!!