岩内章太郎のレビュー一覧

  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    エポケーで判断を積極的に保留すること、ネガティブなことをありのままに引き受けること、これらの方法により、独断主義と相対主義の狭間を進んでゆくことが肝要。他者との摩擦は、私の存在を意識させるため、ひいては他者の「私」に意識を向けるために必要なものなのであった。

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    2026年09月26日
  • 本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話

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    ほんしつかんしゅ、と読むみたいです。
    人が他者と共に生きるうえでの大切なこと、そしてその理由が書かれている。
    相互承認と共通了解、これこそがコミュニケーションの本質。民主主義や世界平和にもつながるすごい考え方を学びました。対話による解決をあきらめてしまうということは、力による解決を選ぶということにほかならない。多様性ってこうゆうことなんだなと理解した。

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    2026年04月23日
  • 本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話

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    相互承認の原則に基づき共通了解を図る「本質観取」。
    この多様な世の中で、対話によって共に暮らしていくために、とても大切な考え方だと思いました。多くの方に読んでいただきたい一冊です。特に学校の先生など、教育に携わる方におすすめしたい。

    子どもの頃から、対話を通じて相互承認と共通了解を得ようとする態度を育てることは、大袈裟ではなく世界平和にもつながっていくのではないでしょうか。

    前半では、プラトン、デカルト、フッサールなどの哲学者が紹介されており、その説明もとてもわかりやすかった。
    「哲学」と聞くと、小難しく理屈をこねくり回すものというイメージ?を持たれがちかもしれませんが、本書を通して、哲学が民主的な合意形成にも役立つものであることを実感しました。

    本書の続編として本質観取の実践集をぜひ出版してほしい!

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    2026年04月04日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    個人的にはすごく良かった。

    社会という空間の中で宙に吊るされた〈私〉を、確かに取り戻してくれた気がした。意識しないと、また宙吊りになってしまいそう。

    〈私〉の絶対性と有限性は、覚えておきたい。

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    2025年08月11日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    学生時代不勉強だった私は、読み進めるうちに、わからない語句を調べる、文章に戻る、調べる戻るを繰り返し、ようやく読み終わりました。
    現代にある問題にも通じ、生き方や考え方に大きく影響を与えてもらいました。
    わからない事を保留し、そのままわからない状況でも不安にならない事、そして決めつけない。更に人は不完全であるから、不満あっても付き合える友人がいることの素晴らしさを再認識させて貰いました。

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    2025年07月12日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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     他者の視点や判断に身を委ねるうち、〈私〉という自己イメージが曖昧になってくる感覚を覚える人は多いだろう。その〈私〉を取り戻すためには、逆説的だが、自分が自由にできる〈私〉という自己イメージを手放す必要がある、というのが本書の主張。全般的にやや繰り返しが多く少々くどい感じがするが、認識論、現象学、経験論などを幅広くカバーしている割には論旨が一貫しており、おかげで理解がしやすい。自身の身の上話から本書が始まるのも共感できる(本書の要諦を体現しているとも言える)。

     かつて社会を支えていた共同体が果つるところで立ち現れた〈終わりなき日常〉(宮台真司)では、当該共同体で必要とされるコミュニケーション能力なき者は、ひたすらに自己の快楽のみを追求するしかない。すると、間主体的な批評の対象となるような「物語」よりも、それを構成するフェティッシュな個々の「要素」のみに着目し、共通理解を拒むかのような「自己のエロス」に閉じこもる〈動物化〉(東浩紀)が生じる。そのような「なんでもあり」の状況では、人間は克服すべき課題や障壁を見失い、理想や欲望の所在が不明瞭となる〈退屈〉(國府功一郎)に苛まれることとなる。

     著者はこれらの背景に〈善への意志〉、すなわちもう一度他者との関係性の中で普遍性倫理を取り戻そうとする回帰的な欲望の作動を見る。マルクス・ガブリエルの新実在論を引き合いに、ポストモダン的構築主義に倦厭した人々が、自らの自由を手放し外部規範に隷属することを欲しているのだと喝破しつつ、これが自らの〈内なる声〉に耳を傾けることなく他者の評価に拘泥する、現代人の病理の根源であると指摘する。

     この「自己の放逐と他者への依存がもたらす空疎さ」に対処すべく著者が提唱するのが、経験論哲学の系統を継ぐ〈新デカルト主義〉だ。畢竟、〈私〉は現象学的な「見え」から脱却することができない。〈私〉は〈私〉の自由には必ずしもならないのだ。そうであればとにかくこの「見え」から出発し、同じく個々の「見え」に依拠するしかない他者の認識を認めた上で間主観的な合意を探っていくしかない。その際重要になるのは、物事に対する判断を一旦保留するピュロン主義の〈エポケー〉である。複数の真実が暫定的に共存しているという状況を認め、安易な臆見を差し控える。そこにあるのは自己の認識能力の限界に対する強い自覚であり、これがデカルトの提唱した〈方法論的懐疑〉に通ずるというのだ。

     自己と他者の認識が高々現象学的な「見え」に依存するという意味において対等である、という前提にたてば、「真実はいかなるものであるのか」という問いはその基盤が揺らいでくる。それよりは「私とあなたの認識がどのような意識体験から生じたのかを検討し、対話を通じて共通点を探ろうではないか。そのためには時間が必要だから即断は避け、問題を単なる信念対立から本質洞察に昇華させよう」と著者は提唱するのだ。

     私の主観的・現象学的「見え」ではなく、外部の〈善のパッケージ〉に判断を委ねてしまうと、理性と情動に訴えかけてくる陰謀論に容易く取り込まれてしまう。そうではなく、この〈私〉がどう感じどう考えるかを観照し、同型の認識が他者でも成り立っていることを認めた上で共通理解を探る。その際、〈私〉が感じた違和感や摩擦が外部的対象の成立を担保しているのだから、そのようなネガティブネスから目を逸らしてはならないというのだ。

     面白いと思ったのは、サイバースペースでやりがちな〈私〉のドレスアップを続けるうち、どうしても改変できないものが残るのだが、それこそが〈私〉のコアである可能性に言及していること。なるほどと思った。

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    2024年07月29日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    【主な目次】
    第1章 デフォルトの〈私〉
    ――――動物になるか、善い人になるか
    ・ミニオンズの憂鬱
    ・パッケージ化された善に警戒せよ
    ・目を閉じて、〈私〉の声を聴く

    第2章 〈私〉を取り戻すための哲学的思考
    ・「新デカルト主義」宣言
    ・判断しなくてよいという判断
    ・批判的思考のプロトタイプ

    第3章 ポスト・トゥルースを終わらせる
    ・SNSを気にする学生
    ・「正しさをめぐる争い」は終わりにする
    ・陰謀論は理性と情動に訴える

    第4章  ネガティブなものを引き受ける
    ・対話とネガティブ・ケイパビリティ
    ・アルゴリズムと自己消費
    ・「弱いロボット」から考える

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    2024年04月02日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    星4.5かな。
    相対主義、構築主義の時代にあって、力に押し切られないために、<私>という確かな場をもつこと、そのことを自分だけでなく、あらゆる<私>に見出し、普遍の基盤を広げる。そこに倫理の基盤もある。
    背景には、スマホ時代の<私>からの逃避も捉えられている。

    デカルト、フッサールの哲学を参照しつつ、<私>という基軸を打ち立てる手法を説得している。

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    2024年01月09日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    <私>を取り戻す哲学は、世界を取り戻す闘いでもある。一人ひとりが、<私>の内側に視線を移し、内省すること。それは、「スマホ」を介した外側の世界との接続ではなく、<私>の意識体験を見つめることだ。そこから、「よい」世界は創られていく。

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    2023年12月31日
  • <普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか

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    神々の争いになってしまっている「新実在論」を乗り越えるため、フッサール現象学に立ち返り、「普遍性」の地平を目指す。

    前著『新しい哲学の教科書』と併せて読みたい。問題意識は共通だが、それぞれ違う位相で書かれているから。

    最終章の自由と実存主義の関係についての記述が鋭い。

    全体的に難易度は高め。現象学について基本的なことは知っておいた方が良い。

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    2022年06月28日
  • <普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか

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    フッサール現象学を普遍性をつくるための認識論として読み込むことで、実感に適った普遍性を目指すコミュニケーションを提案している。普遍性やフッサール現象学が現代に置いてこれほど生き生きと語れるのかと感銘を受けた

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    2022年02月13日
  • <普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか

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    構築主義と本質主義の二項対立を避け、狭い隙間をかけ抜けて「自由」に生きぬき、おそらくやがて死ぬための、英雄的でありながら地道なロジックとエシックスにしびれました。スピノザ以来です。

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    2021年10月28日
  • 新しい哲学の教科書 現代実在論入門

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    本書は間違いなく、私にとっての「座右の書」になった。

    「高さ」と「広さ」は今の自分にとって、切実な問題だった。この世に、至高性と普遍性はない、と嘆く自分に嫌気がさしていた。

    今を生き、今を嘆く自分。まだ嘆きがあるだけいいのだろう。いま、ここではない、どこかを望めるだけ「まし」なのだろう。

    しかし、「まし」だという感覚だけでは生きていけない。絶対なものを持たない人生。また、共有は一時的な現象。そのような感慨は、憂鬱しかもたらさない。

    エピローグで「エモさ」について、深めた論考が秀逸。
    哲学は不可能性の論証から、新たな可能性の道を切り拓く。
    素晴らしい「哲学」である。

    タイトルからはうかがい知れないほどの可能性に満ちた本だった。

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    2020年07月12日
  • 新しい哲学の教科書 現代実在論入門

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    メランコリー、メランコリストという枠組を提示され、さも自分を言い当てられてるかのようだった。

    メイヤスー、ハーマン、テイラードレイファス、ガブリエル…彼らの思想が現代の若者にどれだけ強力な武器になるのか。

    著者には今後さらに期待が持てる。

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    2020年07月03日
  • 新しい哲学の教科書 現代実在論入門

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    ポストモダン以降の悪しき相対主義/独断主義を問い直すことから始まる現代実在論について、普遍性と超越性をキーワードに紹介、論考した一冊。そこで描かれている世界像が量子論やリトルピープル論とパラレルに見えるのも、きっと偶然ではないのでしょうね。

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    2020年02月23日
  • 新しい哲学の教科書 現代実在論入門

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    著者の処女作。現代の哲学の状況をこの1冊でわかりやすくまとめつつ、「メランコリスト」という概念を提唱して現代人の「心のあり様」を表現し、最新の哲学の成果を踏まえた私たちの行く末を提案してくれる著作。個人的にフィットする内容が多く、特にエピローグに関しては感動的な体験でした。

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    2019年11月29日
  • 本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話

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    なかなか学習が進まないフッサール現象学の重要概念である本質観取をテーマとした対話本が出たということで気になって読んでみた。哲学対話を一歩進め、本質観取が旨とする共通了解をつくるということまで目指すというのが本書の基本的な内容。前半が本質観取の理論的な解説編で、後半は本質観取の対話を行うための実践編ということでファシリテーションのコツや事例紹介などが収められている。後半の実践編についてはまぁワークショップの解説本として特段目新しい内容ではないが「良いケアとは何か」「自律とは何か」など事例として挙げられているテーマ自体がそれなりに面白いのが良い。前半の理論編がこれ以上ないというぐらいのフッサール現象学の入門解説という感じになっており、個人的にはこの前半が興味深かった。個人的には対人支援における参加型評価などに本質観取の視点を取り入れたいと常々考えており、フッサール現象学のどこをどのように紹介するのが良いか頭を悩ませていたので、今後参考にさせてもらおうと思う。

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    2026年10月05日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    今流行りのドラマ「Tシャツが乾くまで」と繋がる気がしてならない。私について、人と人との関わりについてを哲学を通して熟考できます。特に、INFJの人に是非読んでもらいたい。少し生きやすくなります。

    帯に<なぜスマホを見続けてしまうのか>とタイトルよりもでかでかと書いてあって(そちらには余り刺さらなかったので)勿体ないと思った。
    菅野仁さんの「友達幻想」も読んでみたいと思った。

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    2026年08月19日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    この本が出てから2~3年の間に、インターネットはますます底なしの欲望を与え、一面的な善に導こうとしてくるようになったような体感がある。
    こうなるともう振り回されないようにするには自分の意志だけではなかなか難しくて、「〈私〉とは?」を考えるための標がないと流されてしまいそう。
    その標となる考え方の例をくれる、今だからこその名著だと思う。

    難しかったけど、まだ全部は飲み込めてないけど、読んでよかったと思う。

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    2026年06月15日
  • 〈私〉を取り戻す哲学

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    内容的にはとても難しい本でした。哲学用語や経済系の用語などがたくさん出てきます。しかし、どこかでまとめてくれていて、そこを逃さず理解できれば著者が言いたいことがわかるようになってます。少し読み進めて、難しいだけで途中リタイアすることなく、全部読んでみて欲しいです。必ず得るものがあると思います。

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    2026年06月09日