【感想・ネタバレ】<普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るかのレビュー

あらすじ

マルクス・ガブリエルの次へ!

今世紀に入って、カンタン・メイヤスー、マルクス・ガブリエル、グレアム・ハーマンらの「新しい実在論」が一世を風靡した。これについての鮮やかな解説書で好評を得た新鋭哲学者が、オリジナルの哲学マニフェストを書き下ろす! 閉塞感ただよう時代、とくに若者は「自己実現の自由」に飽いて、個々人の「小さな幸福」に閉じこもる。しかし社会的「自由」を放棄すればカネの力やハラスメントがのさばり、「幸福」も脅かされる。幸福、そして自由を確保するためにいま必要なのは、哲学がもつ「合意を形成する力」だ――。現代実在論からポストモダン思想へ遡り、近代哲学の可能性を捉え直して、真の「多様性」を守るための哲学の原理を示す。

〈内容〉
現代の普遍論争
第一章 新しい実在論の登場――普遍性は実在する
第二章 構築主義の帰結――普遍性を批判する
第三章 現象学の原理――普遍認識の条件
第四章 現象学的言語ゲーム――普遍性を創出する
終章 もう一度、自由を選ぶ

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

神々の争いになってしまっている「新実在論」を乗り越えるため、フッサール現象学に立ち返り、「普遍性」の地平を目指す。

前著『新しい哲学の教科書』と併せて読みたい。問題意識は共通だが、それぞれ違う位相で書かれているから。

最終章の自由と実存主義の関係についての記述が鋭い。

全体的に難易度は高め。現象学について基本的なことは知っておいた方が良い。

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

フッサール現象学を普遍性をつくるための認識論として読み込むことで、実感に適った普遍性を目指すコミュニケーションを提案している。普遍性やフッサール現象学が現代に置いてこれほど生き生きと語れるのかと感銘を受けた

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

構築主義と本質主義の二項対立を避け、狭い隙間をかけ抜けて「自由」に生きぬき、おそらくやがて死ぬための、英雄的でありながら地道なロジックとエシックスにしびれました。スピノザ以来です。

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2021年10月28日

Posted by ブクログ

〈普遍性〉という言葉に惹かれて読んだものの、読後の素直な感想は「完敗」。
それぐらい今の自分には内容が難しくついていけなかったです。。。

ただ気になって付箋貼った箇所だけもう一度読んでみると、あら不思議、意外とわかるかもしれない。そして納得度も高い。

〈普遍性〉、つまり、世の中には絶対的な善的幸福があって、人間はそれを求める自由を持っている、そして、その精神でいれば、周りに振り回されることなく自分の自由もみんなの自由も守ることにつながるんだよね、ということだと理解しました。

この考え方は、最近触れたアリストテレスの哲学とも通ずるし、何より人間は自由のために学ぶし、幸福のために生きてるんだという、私自身の読書エネルギーの源泉に立ち戻らせてくれる良本でした!

なお、私は、1回目はがーっと読み進めて気になったところに付箋はる、時間置いて今度は問いを立てて付箋貼ったとこだけ読み進めて本のエッセンスを受け取る、という読み方にたどり着いてます。

難しい本を読んでいるとその時は沼にはまっている気持ちになりますが、一読後全体を削ぎ落として、付箋貼ったポイントだけ読んでいくと、「そういうことかー!」とわかったりするから、結構おすすめです。

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2025年11月27日

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