結城昌治のレビュー一覧

  • 終着駅

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    ぽろぽろと人が死に、悲惨だが不思議に明るい。
    「成さずに死ぬこと」に対する恐れと諦観は語られるが、終末の描写は一切無く、回想として語られる。淡々とした進行が気持ち良い。終章美しい。

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    2009年10月04日
  • ひげのある男たち 郷原部長刑事シリーズ1

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    ひげのある男たちがいっぱい出てくる。

    ひげばっか。

    しかし、内容はひげを中心にしっかりとした推理小説である。

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    2025年04月06日
  • 長い長い眠り 郷原部長刑事シリーズ2

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    長篇なんだけどまとまりがないというかダラダラ展開してゆく。
    といってつまらないかというとそうではない。物語の大半がモノローグで進むから拒否感があるのかな?

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    2023年09月25日
  • 暗い落日

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    国産ハードボイルドの黎明期を飾るとされる長編。あからさまにロス・マクである。重い空気感は悪くないが、悲劇の根幹にある秘密に、ひねりがなさ過ぎる。この程度の真相なら、もっと早くに看破してもらいたい。それと、自分の方は他人を信用せずに、嘘ばかり吐いてるくせに、他人には自分を信用してもらいたがる探偵の身勝手さが、微妙に神経に障る。

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    2022年03月19日
  • 通り魔~昭和ミステリールネサンス~

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    ネタバレ

    *東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。だが、警察の捜査は捗らず、ついには婦警を囮に犯人を誘き寄せたが…。法の抜け穴をついた巧みな構成が光る表題作を始め、著者の記念すべきデビュー作「寒中水泳」、国際情勢を加味したスパイ小説「風の報酬」など、名手の腕が冴える傑作集! *

    よく練られた、読み応えのあるお見事な作品です。
    ただ、いかんせん1990年代モノなので、設定が古い・・・それも含めての魅力ではありますが、読む層は選ぶかも。

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    2021年02月15日
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選

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    実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。

    「裏切りの明日」は読んだような気がするが、こちらは初めてだと思う。長編ももちろんいいが、短編がいずれも切れ味があり、読ませる。

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    2018年04月30日
  • 振られた刑事

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    ショートショートミステリという、変わったテーマ。この前に花村萬月を読んでいたので、軽くて軽くて不思議な文章に思えた。

    ショートショートといえど、ちゃんとミステリなので、最後の最後まで謎解きをしながらきちんと落とすのはなかなか秀逸で新鮮。ただ、時代が時代だけあって、やたらと不倫、やたらとガス自殺(当時は燃料用ガスで窒息死できた)という展開で、続けて読んでいると「またか」と思わされることがある。

    また、どうしても謎を謎らしくして犯人がわからないようにするため、無駄に登場人物を増やすというところが有り、若干げんなりした。

    1本1本をバラで読めば、それなりに楽しめるので、電子書籍で読むのをおすす

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    2015年08月05日
  • ひげのある男たち 郷原部長刑事シリーズ1

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    ヒゲを巧みに使った小説、うーん、書き出しはこの展開に頭が回らないかとおもいきや、意外と単純な流れであった。
    最後の結末は、ナンジャイみたいで、何で?かな、休日には頭休めで、持って来いの推理小説であった(^-^)

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    2010年12月25日
  • 白昼堂々

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    「あんな暮らしは人間の暮らしじゃない。ネズミだってもっとましに生きている」
    「あたりまえだ」
    「しかし、おれが彼らを更生させるにはたった一つの方法しかなかった。度胸があって手先の器用そうなのを選び、それでまずケッパーの買い方から教えた」
     スリの専門用語で、ズボンの尻ポケットをケッパー、同じく横ポケットをテッポーという。上着の内ポケットが内パーで、外ポケットなら外パーである。そしてスり取ることを買うと称し、初心者は平場(交通機関以外の雑踏する場所)でこの技術をおぼえ、やがて練達して箱師となる。
     勝次自身は箱師として知られ、仲間うちの評判だけではなく、かつては警視庁スリ係の刑事たちの間でもその

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    2009年10月04日
  • 仲のいい死体 郷原部長刑事シリーズ3

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    「そうだろう。きみの考えそうなことだ。しかし,きみはその2人がほんとうに心中したと思っているのか」
    「ちがうんですか」
    「死体を見たのはきみだ。わたしは見ていない。だからきみにたずねている」
    「おかしいですね」
    「何がおかしいんだ。きみはうらやましいくらい気楽な男だぜ。警察官になって何年になるか知らないが,そんなことで刑事の飯が食えると思っているのかね。死んだ女は持田加代,町でも評判の美人だ。しかもブドウ畑から温泉が噴きだして,明日にも大金持ちになろうという未亡人だ。世の中が楽しくてしようがなかったにちがいない。一方,心中の相手は駐在にくすぶっている草場巡査,五十二という年よりも老けてみえる。

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    2009年10月04日
  • 長い長い眠り 郷原部長刑事シリーズ2

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    「わたしは犯人を女と限定したわけではありません。悲鳴をあげさせぬためには,猿ぐつわをはめてから,無理に毒薬を飲ませてもいいでしょう」
    「なるほど。しかし,猿ぐつわのはまった口に,どうやって毒薬を飲ませるかね」
     部長はそこまで言うと,足を速めて鬼頭刑事を離した。鬼頭刑事の考えていることは,少なくとも一人前のおとなの考えることではない、。部長は腹立たしさよりも,悲しさが先に立った。彼は最低の刑事を部下に持ったことを知ったのである。
    (本文p.56)

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    2009年10月04日
  • ひげのある男たち 郷原部長刑事シリーズ1

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    「とにかく,問題はひげの男だな。そいつをはっきりさせんことには,どうにもならんね」めぼしい成果のあがらぬ警察の捜査を,佐原検事は軽く責めるように言った。「タバコ屋のおかみが見たひげの男,少女が見たひげの男,新川和代が見たひげの男,この三人のひげの男は同一人なのか,それとも,三人とも別人なのか。香月栗介にひげがある,平野清司にひげがある,その後剃落していなければ磯貝浜造にもひげがあるはずだ。それに二宮伸七にもひげがあるというじゃないか」
     郷原部長は検事の言葉を聞いて,思わず自分のひげに手を伸ばした。そして言った。
    「たしかに,ひげの男が問題です」

    ※ひとこと※
    1959年上梓の長編推理小説。

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    2009年10月04日
  • ひげのある男たち 郷原部長刑事シリーズ1

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    確かに予想外の犯人なんですが、突拍子のなさを感じてしまいました。理屈だけ並べれば彼が犯人でおかしくないけど、なんか腑に落ちない。コナン・ドイル「緋色の研究」も予想外で突拍子もない人が犯人だったけど、ちゃんと納得はできたんですよね。ひげも事件を混乱させる道具ではあるけど蓋をあけてみたらそれほど重要ではなくて。もやもや感が残りました。

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    2009年10月04日