古ぼけたアパートの一室で発見された、若く美しい女性の変死体。ひげが自慢の郷原部長刑事は捜査に乗り出すが、事件にはつねにひげのある男の影がつきまとう。犯行当日、アパートの周辺で目撃された不審なひげのある男。被害者と旅館へ頻繁に出入りしていたひげのある男。これらの男は同一人物なのか?果たして犯人なのか?一人のひげのある男によって惹き起こされた事件は、一人のひげのある男によって解決される――。著者のデビュー長編にして、ユーモアと堅固な論理とひげに満ちた傑作ミステリ。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
「とにかく,問題はひげの男だな。そいつをはっきりさせんことには,どうにもならんね」めぼしい成果のあがらぬ警察の捜査を,佐原検事は軽く責めるように言った。「タバコ屋のおかみが見たひげの男,少女が見たひげの男,新川和代が見たひげの男,この三人のひげの男は同一人なのか,それとも,三人とも別人なのか。香月栗...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
確かに予想外の犯人なんですが、突拍子のなさを感じてしまいました。理屈だけ並べれば彼が犯人でおかしくないけど、なんか腑に落ちない。コナン・ドイル「緋色の研究」も予想外で突拍子もない人が犯人だったけど、ちゃんと納得はできたんですよね。ひげも事件を混乱させる道具ではあるけど蓋をあけてみたらそれほど重要では...続きを読む