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古ぼけたアパートの一室で発見された、若く美しい女性の変死体。ひげが自慢の郷原部長刑事は捜査に乗り出すが、事件にはつねにひげのある男の影がつきまとう。犯行当日、アパートの周辺で目撃された不審なひげのある男。被害者と旅館へ頻繁に出入りしていたひげのある男。これらの男は同一人物なのか?果たして犯人なのか?一人のひげのある男によって惹き起こされた事件は、一人のひげのある男によって解決される――。著者のデビュー長編にして、ユーモアと堅固な論理とひげに満ちた傑作ミステリ。
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Posted by ブクログ
「とにかく,問題はひげの男だな。そいつをはっきりさせんことには,どうにもならんね」めぼしい成果のあがらぬ警察の捜査を,佐原検事は軽く責めるように言った。「タバコ屋のおかみが見たひげの男,少女が見たひげの男,新川和代が見たひげの男,この三人のひげの男は同一人なのか,それとも,三人とも別人なのか。香月栗介にひげがある,平野清司にひげがある,その後剃落していなければ磯貝浜造にもひげがあるはずだ。それに二宮伸七にもひげがあるというじゃないか」
郷原部長は検事の言葉を聞いて,思わず自分のひげに手を伸ばした。そして言った。
「たしかに,ひげの男が問題です」
※ひとこと※
1959年上梓の長編推理小説。当時はひげ男が結構たくさんいたのかな?
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