松岡健太のレビュー一覧
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左手のための二重奏
若干、設定に無理があるかなぁ。ピアノはそう簡単には弾けないからなぁと思いながら、耳の良さがこれから先の展開に影響するんだろうなって楽しみでもあります。
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Posted by ブクログ
一つの章が終わり、新たな章が始まる巻といった印象
クリフトン・ラノの後継者たるグレゴと御影。御影はその演奏によって、グレゴは教育者になる事によって二人はようやくラノの背中へ辿り着いた
その二人の目線がシュウに向いている構図は熱くなるね。二人共シュウが関わった事で自分の音を取り戻した。そしてシュウは灯と一緒に鍵盤を叩き続けてきたから、ラノ達がいる舞台まで辿り着いた
ここには継承の構図が見えるね。ラノが奏でた過去の意思、グレゴと御影によって現在へ語り継がれ、シュウ達の居る未来へ至った
そういった背景も有ってか、27話ではそれまでの流れから一転して、若い者達の物語が語られているね
久遠もノエルも未 -
ネタバレ 購入済み
不思議な話
不思議な話ですね。一緒に事故にあって亡くなった灯がシュウの左手の中に生きている。灯のためにそれまで荒んでいたシュウがピアノ(右手だけ)に挑む。ふつうは全くやったこともなかったら、いくら左手がすごくても無理なような気がしますが、どうやらシュウは耳の感覚がとても優れているようです。何とかなっていくのでしょうか?それまで生きる意味さえ見いだせなかったようなシュウですが、これを機に変わっていけばいいな。
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Posted by ブクログ
1巻ほぼ丸々シュウと灯による演奏会とはこれまた豪華な。作者が作品を始めた時から書きたかったエピソードというだけあり、かなりの力の入れようとなっているね
正式なコンクールなどの演奏会ではないけれど、クリフトン・ラノが主催する時点で立派なリサイタル。それこそ、これに選ばれなかったことを残念に思う奥村の存在が判りやすい
だからこそ、シュウの存在は浮いてしまうわけだね。シュウは自分がこの舞台に選ばれるに相応しい人間と思っていないし、客を満足させられる人間とも思っていない。そもそも左手に宿る灯に追いつけたとも思えない
シュウにとっては、この舞台を通して自分の音楽を確かめる点がメインとなる機会となるわけ -
ネタバレ
面白いけど、もう少しピアノ上達の工程に現実味がほしいかな。
右手にも基礎は必要だと思う。それだけ素質に満ち溢れてたってことだろうけど、弓月親子が基礎は要らないってアドバイスするのは違和感。 -
Posted by ブクログ
グレゴに師事する事になったシュウ
本格的なシュウ向けの練習が始まる中で問題となってくるのは「シュウは何を弾きたいか」という点
これまでは灯の音楽を再現する、世に広める目的が有ったからそれを意識して我武者羅に努力すれば良かった
けれど、自分の中の何かを表現したくてピアノ弾きになったわけではないシュウにとって、自分が何を弾きたいかなんて難しい問題。その問題を意識したから昔の夢を見てしまったのかな
灯の音を消させない為にピアノを始めたシュウが自分の音として弾きたいものは自分を誰かに覚えていて貰いたいという望み
全く異なる来歴の二人だけど、良い感じにリンクする弾く理由を見つけられたようだね
そうし -
Posted by ブクログ
たった一ヶ月の練習でコンクールの舞台に上がった周介の度胸には驚嘆してしまうけど、平気なように見えていただけで彼も緊張してしまうのか
けど、その緊張を止めるのは音理がくれたカイロでも言葉でもなく、音理の悲鳴のようなピアノがきっかけとなるのは何とも彼らしいと感じられる描写だった
周介を突き動かす燃料となるのは基本的に灯なんだよね。生き続けるべきだった灯が死に、自分の右手に宿った日から周介を生かしているのは灯に為すべき事をさせるという強い覚悟、そして灯が叶えたいと願ったものを変わりに、そして二人で叶えたいという強い衝動
覚悟を明確にした瞬間から周介からは緊張が完全に消えてしまうのは面白い
それにし