松岡健太のレビュー一覧
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匿名
購入済み予想外!
全く想像もしなかったストーリーの展開、予想外でおもしろいです。
さらには弓月父、融通性、柔軟性、人間性ありすぎやろ。
そして若すぎ。
でもかっこいいから許せます。
この父にして、灯ちゃんありって感じのいい親子。 -
Posted by ブクログ
前巻にて彰を連れ回していたシュウ。どうにもその理由は友達作りに有ったようで
時折忘れそうになるけど、シュウって元々は手の付けようがない不良だったんだっけ。だから普通に友達を作る遣り方を知らないし、同年代に自分をアピールする方法も知らない
彰にはその言葉少ない不器用さが合っていたわけだけど、他の者にはそうではない
転校早々に不良のレッテルを貼られ、財布泥棒疑惑まで
シュウには唯でさえ高いハードルが更に高くなった形。けどその不利を不利と思わずに、楽しい学校生活にしたいと猛進するシュウの姿には好感が持てるね
彼が言うようにピアノも友達作りも同じなんだろうなぁ
本格化していくピティカ予選、その渦中に躍り出るのはシュウと一緒に修行した自称姉のルカですか
シュウにとって姉弟子に当たる存在。当然のようにピアノの腕はシュウより良いし、シュウの振り回し具合も中々のもの
シュウに本選出場は無理と断言する彼女のピアノはこれまでと次元の異なるものだったね
ていうか、爪を尖らせるように弾くってトンデモナイ弾き方だな……
シュウは確かに短い期間にかなり上達した。けれどそれは上手く弾ける様になったという話で、ルカが見せるのは技術より上の話
ここで『解釈』というクラシックを語る上で外せない要素を『残響』という形で描くのは面白いね
圧倒的な『解釈』を他の演奏者、審査員に聞かせることで他の『解釈』や響いた音を塗り潰してしまう
シュウが知らない新境地。高校生編ではこれを土台にピアニスト達の共演を描いていくことになるのかな?
当然、シュウに求められるのは独自の『解釈』。それを見た事もない「モルダウ」によって形作るなんていきなり難易度の高い……
おまけに左手に宿る灯は既に「モルダウ」の『解釈』を持っている。中学生時代は単純な技量によりシュウを置いてけぼりにしていたというのに、『解釈』でもシュウを置いてけぼりにしてしまいますか
『解釈』とは自分の感情の発露。それは意図的に『解釈』を曲に載せていなくても人に伝わる事が有る。ルカの場合はシュウのピアノから寂しさを感じ取ったようで
でもそれはシュウにとって誤った『解釈』だから、逆に自分がどのような演奏を披露しなければならないか、灯と共にどのような道を進んでいきたいかがはっきりする
シュウを弟として可愛がろうとするルカ。彼女に自分の音楽とは何かをはっきり示した展開は素晴らしいね
ピアニストへの道をシュウは自分の夢として何処まで目指せているのか
その疑念を自分の中にあるのは「影」ではなく「灯」だとの『解釈』を示したシュウは既に一端のピアニストだよ -
ネタバレ 購入済み
3人の演奏の行方
的場くんはグレゴからの課題である選曲に大苦戦します。そんな彼は幼い頃の父親にいないものにされたことと、久遠の「あの時の音が耳に残っている」という言葉からみんなに覚えていてもらえる曲が弾きたいと自分の方向を定めることができました。
「1万時間。何かで結果を出す時、最低限必要な時間だとよ」具体的に言葉になるとその時間の重さを感じます。その時間に焦りを感じる的場くん。そんな彼にプロも素人も決して納得のいく演奏なんてできないとグレゴは語ります。同じ舞台にに立つ条件は「完成した曲」を持っていることのみ。
奮闘する彼にクリフはリサイタルへの参加を提案しました。
リサイタルに出ることを決意する的場くん。拒否して再度自分の殻に閉じこもるグレゴ。2人をあの夜から解放するためにも、最後のリサイタルを開くことを決意するクリフ。クリフは病気にかかっており残された時間があとわずかです。その事実に2人はいつ気付くのか…。互いが互いを思い交わらない3人。そんな彼らを的場くんは再び混らわせます。
それぞれリサイタルにむけ準備を進める3人。
リサイタルの行方がどうなるのか気になります! -
ネタバレ 購入済み
撃鉄のグレゴ
聞いたままの音を再現できるほどの才能、技術を持つノエルくん。彼は灯を世界に連れていく為、その再現度を高めるために日々灯の家で情報収集を行います。
「灯の音を紡ぐ」と彼は宣言しました。
事故後久しぶりに的場くんは学校へ行きます。
ピアノのコンクールに出たことが記事にされていることを学校の生徒に知られます。
知られることに問題はないものの、周りからは「罪滅ぼしのつもり」と冷たい視線を投げかけられます。
喧嘩しかなかった俺にピアノという他の道を教えてくれた弓月に感謝している。俺が楽しいからピアノを弾いているんだとみんなにピアノで語ります。
ノエルに「撃鉄のグレゴ」を紹介された的場くん。
酒場のピアノを弾く酔っぱらいのグレゴは堕ちたピアニストに見えましたが、その実力は健在でした。
グレゴの本名はグレゴリーザハロフ。
灯ちゃんのお父さんの音大生時代の先輩でした。
灯ちゃんのお父さんをピアニストの舞台に立たせるため支えとなる実力をつけたい的場くんはグレゴリーに先生になってくれと告げます。
しかし、グレゴリーは「音楽で人を変えることはできない」と先生になることを拒否します。
人を殴ることに抵抗がないグレゴリーの姿は以前の的場くんの姿に見えました。そんなグレゴに的場くんは金貸し屋の暴力に耐える形で対応し、先生になってくれと引き続き説得を図ります。
説得は成功するものの、練習の方法は「ブラックベルベットを作ること」!?
弾き方を身につけることができるのか今後の展開が楽しみです。 -
ネタバレ 購入済み
久遠の灯
弓月ちゃんのお父さんの説得に成功し、ピアノの道を進み始めた的場くん。
ピアノを始めて1ヶ月でピアノのコンクールに参加します。事故から日付が経っていないこともあり、周りからは好奇の目で見られます。
そんな視線をものともしない的場くん。
「目標は久遠に勝つそれだけ」と言い切ります。
ピアノというほぼ未知の世界を突き進む中、目標を定め芯をぶらさずに突き進む姿からは私も頑張らなきゃと力を分けてもらいました。
久遠ちゃんは純粋に灯とコンクールで競え合えることを楽しんでいました。しかし、大人は2番となった久遠に厳しい言葉を向けます。
「1番じゃなきゃ聞いてもらえない」と考え、久遠ちゃんピアノをやる意味を見失います。そんな久遠を救ったのも灯ちゃんでした。
灯ちゃんと約束したことを叶えるため、ピアノを続けることを決意しましたが、灯の死後意味を見失ってしまいます。
その久遠に対してピアノで的場くんと灯ちゃんは語りかけます。その演奏は未完成でもみんなの心に語りかけました。
その未完成の曲は世界的に有名な作曲家クリフトン・ラノに届くほど素敵なものでした。
いつ完成する?と聞かれた時にいつまでと期間を答えるのではなく、世界一の舞台でと答える的場くんは不安定な未来ではなく自分の目標を見据えているのだと思いました。とてもカッコいいです。
未完成ながら注目の人になった的場くんに今後どのような展開が待ち受けているのかとても楽しみです。 -
ネタバレ 購入済み
狼少年の後悔。
“天使の左手”と呼ばれている天才ピアノ奏者、
弓月灯と暴力で謹慎をもらうほどの問題児、的場周介。
真逆のタイプの2人はある日電車を乗り過ごします。彼女のコンクールに間に合わせるため的場くんは自転車を「借りて」二人乗りで帰宅。
カリパクではなく、本当に借りてしまう弓月ちゃんの真っ直ぐな性格は素敵だなと思いました。
夜に道を歩いていた2人は中学生。
予想通り警察に補導されてしまいます。
問題児の的場くんはは弓月ちゃんの評判を汚さないため、コンクールに遅刻させないために全て自分のせいだと嘘をつきます。
普段の行いから決めつけられその嘘を警察に
信じられた時はなんとも悔しい思いになりました。
その後の事故でもそのせいで弓月の父や周りの視線は冷たいです。
日頃の行いは大切と言いますが、とても悲しくなってしまいました。
生き残ってしまった的場くんは後悔し、自殺を決行します。その時に事故で動かなくなったはずの左手が動き出します。
交わり出した2人はピアノという世界でどこまで行けるのかとても楽しみです。 -
ネタバレ 購入済み
4分の成長
いよいよリサイタルのスタート!
クリフのリサイタルには的場くんの先生や同級生など多くの人が見にきてくれます。学校での彼の演奏がみんなに届いたのだと思うと嬉しく思います。
先をゆく人たちと同じ舞台に立ち的場くん自身は何を刻むことができるのか…。
4分間の旅路の中で迷い、足掻き、揺れる的場くん。その旅路の中でそれぞれの道を歩んでいた灯ちゃんと的場くんはリサイタルの中で成長し、重なり、一つの道を歩み始めます。
2人の音が重なった時、灯はグレゴとの特訓の成果を出します。2人で完成させた初めての二重奏。
その鐘の音は第一歩。夢の合図。世界中を笑顔にできるはず。そんな楽しい未来の風景がみえ、とても嬉しく思いました。
いよいよ始まる、灯のお父さんの演奏。
的場くんの「鐘」のアンサー曲「ラ・カンパネラ」をどうひきあげるのかとても楽しみです。 -
Posted by ブクログ
シュウが己の過去から編み出した『壊す』解釈は聞く者を恐れさせるだけでなく己すら壊すもの
ここで彼が孤独であれば、自らが生み出す衝動に飲まれて終わってしまったかもしれないが、灯という存在が左手に宿ってくれていたお陰で立ち直れる展開は良いね
二人は左手と右手でピアノを弾いてきた。それがピアノ以外の面で最も活きたシーンで有るように思えるよ
だから、その意味がシュウにとって別の意味を持っているなんて考えもしなかったけど……
思い返してみれば、シュウが事故から戻ってきて最初に悩んだのは御影にどう償いすれば良いのかという点だった。その後、左手に灯が宿った為に彼女をピアノの世界に戻す事が彼の目標となった
でも、それって遣り方が違ったとしても償いである事に変わりないかもしれなくて
破壊の音はそれはそれで表現法として自分も周囲も受け容れてくれるかもしれない。けれど、灯を死なせてしまった事実を自分は受け容れられない
それこそがシュウが過去を否定したがる根源だったのか……
そこへ彰が勝負を仕掛けてくる流れは意外だったな
彼はシュウの影響でピアノの弾き方を大きく変えた人間。その上で駄目になること無く、本戦に食い込む程の実力へと昇華させた。なら、彼は過去の弾き方を否定しているのかと言うときっとそんな事はなくて
過去を踏まえた上で『今』を受け容れている彼の解釈は充分にシュウの心に届くわけだ
そうして意味合いを変えたシュウの償いは立派にピアノに向かい直させるものとなったようで
また、シュウにとって悔いしか存在しないあの夜の出来事に対して御影が感謝を伝える事が起こり得るなんて想像もしなかったなぁ…。過去は変わらないが、今を変えれば過去の捉え方は変わる。そのように感じられたよ
43話と44話は本作の集大成だね
あの日の出来事を音のない形として描き直しつつ、助かった形にする。それはきっとシュウが心の中で何度も望んだ光景で
でも、シュウが辿り着くべきは灯だけをピティカの舞台に立たせる事ではなかった筈で
灯とシュウが奏でるラフマニノフはシュウの人生が全て詰まっているし、灯という掛け替えのない存在もそこに居る
二人で奏でた奇跡
というか、てっきりあの流れで灯が成仏してしまうかとちょっとビクビクしながら読んでいたのだけど、そうはならなくて一安心…
シュウの行動が遠因となって命を落としてしまった灯。けれど、シュウの為だとか御影の為だとかではなく、もっと自分勝手な「生きたい」「ピアノが弾きたい」という願いの為に左手に在り続けるというのは如何にも彼女らしくて良いなぁ
ピティカの結果は描かれず。けれど、左手と右手で多くを叶えられるようになった二人なら今よりもっと様々な光景に出会える、そう思えるラストでしたよ -
Posted by ブクログ
実際に見えたわけでも言葉を交わしたわけでもないけど、シュウの『解釈』から灯を見たルカはやはり高レベルのピアニストだね。また、自身の『解釈』を打ち破って別の『解釈』を披露したシュウを評価できる点も彼女の強さを示唆している
……その割に灯の存在を感じ取って泣き叫ぶのはちょっと幼く感じなくもないけども(笑)
ルカがシュウを評価したように世間もシュウを評価し始める。そりゃ、不良が2年程度でピアノコンクールの全国へ登り詰めたら注目されるというもの
同様に学校での評価も変わり始めるけど、前巻での騒動で仲良くなった梅田等が変わらぬ距離感で接してくれたのは良かったね
シュウはピアニストとして未熟だけど、それと同じく普通の学生としても未熟だから
そうやって全てが上手く回っていたから忘れてしまっていた問題。シュウがそもそも不良になった理由
家族の繋がりというのはそう簡単に消せるものじゃないし、更生等によって解決できるものでもない
両者共に逃避の形で一旦は解消していても、遭遇してしまえば強い繋がりは復活する。それは新たな世界へ邁進するシュウには堪らないもの。以前と変わらぬ態度で接してくる父親なんかシュウは認められない。既に終わった関係として扱おうとする
でも、その程度の扱いで消えてくれるなら、親子なんて、過去の罪なんて軽いもの
シュウが認められなかった重さが御影をあのような目に遭わすなんて……
御影の負傷によって予定変更となったリサイタル、きっとシュウの内面は大嵐だろうに、それを表面に出す事なくプログラムを進められるのはピアニストの端くれなのだと感じさせる
でも、それはプログラムの最中に自分の内面と向き合っていないだけかもしれなくて
それを刺激するのが奥村勉ですか。再登場シーンは印象が変わり過ぎてて誰だか全く覚えてなかったよ。奥村がラノのリサイタルの件を持ち出した時にようやく彼が誰だったか思い出せたくらい
そして読み直して改めて印象の変わり具合に驚いてしまった
そんな彼が語るのは「選ばれた者」によって夢を諦めた「凡人」の恨み。そして紡ぐ『解釈』は「虚無」
セミファイナルで最高評価を得られる程の実力者でありながら絶望する彼を越える為にシュウは無理なレベルアップを迫られた形
本来は御影のリサイタルを成功させる事を最優先に考えれば良かったのに、直前の出来事がシュウの意識を変えてしまったね。つまりは、自分はピアニストに成ろうとしているとの志向
だからピアノを恨む奥村を許容できない
その対立に有るは破壊衝動。壊すという点に限ってはシュウの過去に幾らでも引き出しがある。父親に、母親に、クラスメイトに、そして周囲に何度も壊されてきた。だから右手を振り返した
それこそがシュウのピアノにおける根源的な『解釈』という事になってしまうのかな…
今回は奥村の『解釈』を破壊する点では役立った。でもそれは同時にシュウの夢も壊すもの
シュウが独りだったらそのまま「破壊」に落ちていくだけだったろう。これを灯の「笑顔」はどう覆すのだろうか…?