河岡義裕のレビュー一覧
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読むのに時間がとてもかかった。
もう若くないなーと痛感した一冊、もう少し若い頃ならばこれくらい興味深い内容ならば、一気読みも楽々出来たのに……
まあ、そんな愚痴は別として、これは素晴らしい良書だった。以前から見かけていて、一読したいなあと思っていた一冊だったわけだけれど、今回満を持す感じで読めました。科学の世界はどんどこ進んでいるので、ちょっと目を離すと新しい知見が出てくるわけですが、この本は特にそれを顕著に感じました。
20名の科学者が自分の研究を紹介していくという構成で、本文が約P300ですから、ざっとひとりあたり15頁前後の配分なのですけれども……それが、ものすごく濃い。
面白い!
発行 -
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2009年のインフルエンザのパンデミックの恐れがあったときに出版された本。
当時多くの書籍が、インフルエンザウイルスを防ぐハウツーの本多かった中、本書はウイルスと免疫の関係、ウイルスの増殖やタミフルなどの薬の仕組みなお、ブルーバックスらしく原理等を明らかにして、対策を提示している。
今回のH1N1型、非常に怖いといわれている鳥インフルエンザのH5N1型などの違いや現在の医学の2009年時点での最前線がわかった。高校生物程度の基礎知識は必要だが、逆に言えば、基礎知識をもったうえで、ウイルスの原理原則がわかれば対策もとりやすいと思う。類書に比べて難しいが、読むことができれば非常に有益な本になる -
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[ 内容 ]
21世紀のパンデミック(世界的大流行)が突如発生、ウイルスは瞬く間に世界に伝播した。
はたして新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか。
ロベルト・コッホ賞を受賞した世界的権威らが、最新の研究成果をもとに、インフルエンザウイルスにまつわるさまざまなミステリーを解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 パンデミック発生!
第2章 インフルエンザウイルスはどのように感染するのか?
第3章 「種の壁」を越えた感染はなぜ起きるのか?
第4章 ウイルスの病原性が突如強まるのはなぜか?
第5章 H5N1亜型ウイルスがパンデミックを起こす可能性はあるのか?
第6章 スペイン風邪は、なぜ史上最悪の被害 -
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シンパシーとは寄り添うこと、エンパシィは思いやり、他者の気持ちを推し量って配慮し行動すると言う意味、忖度、昨今先回り服従と言う悪いスティグマがついてしまった。
小説を読んで、主人公に共感しました、本当の読書とは言い難い。自分とは異なる立場の人の心情も理解できて初めて読書体験は豊かになる。
ジャックアタリ氏の利他の精神、エンパシィによる他者理解の精神、利他主義は合理的利己主義に他なりません。自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要がある。私はしばしば利己的でありながら利他的にもなれる、
合理的な利他主義、希望を持って最善を尽くして生きる。楽観主義ではなくポジティブに考え -
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ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 新型コロナウイルスの研究最前線
第2章 ウイルスと共に生きる
第3章 ウイルスと私
<内容>
世界的なウイルス学の権威、河岡先生の話を、ノンフィクションライター河合香織氏が聞き書きをしたもの。大変分かりやすく、コロナウイルスの何が怖く、何をしてはいけないのか、大変分かりやすい。その後の状況などから、「コロナウイルスが季節性があるかもしれない」などは、外れている可能性があるが(8月に第2波が来ているので)、第2章はよく参考になるし、マスコミのもしくはネット上の情報が、如何に杜撰かもよくわかるので、冷静になることができる。研究者なので、大胆な踏み込みはないが、コ -
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新型インフルエンザの流行が懸念されるこの頃。
本書はインフルエンザ基礎研究の第一人者の一人が、一般向けに新型インフルエンザやインフルエンザ一般についてわかりやすくまとめたもの。
最新の研究結果も、理解しやすいストーリーとともに提供している。
Natureを初めとして、トップクラスの雑誌に多くの論文を発表し、多忙を極めているに違いない著者、河岡義裕氏。実際にまとめたのは、研究室の堀本研子氏であり、ブルーバックスの編集者であるとのことだが、「新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同程度にしか怖くない」という世評に警鐘を鳴らそうとの本書の意図は意義深い。
図版も豊富だし、インフルエンザについて -
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Posted by ブクログ
トランプ大統領の新型コロナウイルス感染症罹患のニュースはとても衝撃的だった。
一方、東京都の発表では、5月までに比べて6月以降の方が確実に死亡率は下がっているという。
今、新型コロナウイルス感染症がどのようなフェーズにあって、どう向き合っていけば良いのか難しいところだ。
確かな知識がほしい。
本書は、ウイルス学の世界的権威がコロナについて、これまでにわかって来たこと、分かっていないことを比較的冷静に伝える内容。
ほんとは、「正しい知識を身につけて、恐れることなくウィズ・コロナを実践してほしい」と、言いたいところだけど、これから起こることが予測できないので、「恐れることなく」とは言えないそうだ -
Posted by ブクログ
昨年のGW直前に新型インフルエンザ(当時は豚ンフルエンザ)が急にはやりだして、修学旅行や各種行事が中止になったのは記憶に新しいことですが、夏の間に猛威を奮ったインフルエンザが、冬になってそれほど騒がれていないのはなぜなのでしょうか。ワクチンが効いたから?皆の免疫ができたから?と思ったりするのですが、本当のところはどうなのでしょう。
この本ではインフルエンザを長年研究されてきた河岡氏が、インフルエンザの歴史を含め、今回のインフルエンザ対策も含めて解説しています。インフルエンザの予防には”うがい”よりも”アルコールによる手洗い”である(アルコールはウィルスの膜を壊す効果がある、p158)理由が