あらすじ
2009年に執筆された本ですが、内容は全く色あせておらず、むしろ、コロナと対峙する際に、参考になることが多数見つかります。パンデミックというと未知なる体験のように思われがちですが、人類は、1918年のスペイン風邪や2009年の新型インフルエンザなどを既に経験しているので、その時の歴史を学び、経験を生かすべきです。
この書籍の中で、
1. 新型ウイルスの何が怖いのか
2. どのように変異が生まれるのか
3. どの程度PCR検査をするべきなのか
4. 感染者数に一喜一憂するな
などの、現在私たちが直面している問題の解決策につながる洞察が深く掘り下げられています。
【本書に関する参考ブログ】 http://www.kenjikabashima.com/
京大医学部の椛島先生のブログです。
ロベルト・コッホ賞を受賞したインフルエンザの世界的権威が書いた衝撃の科学ミステリー。変幻自在なインフルエンザウイルスの謎に迫る! 21世紀初のパンデミック(世界的大流行)が突如発生、ウイルスは瞬く間に世界に伝播した。はたして新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか。ロベルト・コッホ賞を受賞した世界的権威らが、最新の研究成果をもとに、インフルエンザウイルスにまつわるさまざまなミステリーを解き明かす。
第1章 パンデミック発生
「新型」の何が怖いのか
ウイルス学の基本をおさえる ほか
第2章 インフルエンザウイルスはどのように感染するのか
インフルエンザウイルスの発見
電子顕微鏡が映し出したウイルスの正体 ほか
第3章 「種の壁」を超えた感染はなぜ起きるのか?
人獣共通感染症としてのインフルエンザ
「変異」はこうして起きる ほか
第4章 ウイルスの病原性が突然高まるのはなぜか?
第5章 H5N1亜型ウイルスがパンデミックを起こす可能性はあるのか
第6章 スペイン風邪は、なぜ史上最悪の被害をもたらしたのか?
第7章 ワクチン接種で感染を予防できるのか
第8章 抗ウイルス薬は感染拡大を食い止められるのか
第9章 新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか?
疑問1 どのようにして新型インフルエンザウイルスが誕生したのか
疑問2 H1N1亜型のウイルスにもかかわらず、パンデミックを起こしたのはなぜか
疑問3 これから新型インフルエンザは大流行するのか
疑問4 季節性インフルエンザと何が違うのか
疑問5 病原性が高まることはないのか
疑問6「六〇歳以上の人には新型ウイルスに対する免疫がある」は本当か
疑問7 新型インフルエンザに抗インフルエンザ薬やワクチンは有効か
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
インフルエンザの権威がまとめたインフルエンザについてわかる一冊。医学は全くの門外漢ながらすいすい読み進めることができ、非常に読みやすい。
よくニュースで香港型とかソ連型とか、HxNx型とかいうが、それが何を指すのかも全然わかっていなかったが、この一冊でそれが意味するところを理解できる。
鳥や豚のインフルエンザがなぜヒトに感染するのかも解るし、とりあえず予防接種は受けたほうがいいと思った。
Posted by ブクログ
2009年のインフルエンザのパンデミックの恐れがあったときに出版された本。
当時多くの書籍が、インフルエンザウイルスを防ぐハウツーの本多かった中、本書はウイルスと免疫の関係、ウイルスの増殖やタミフルなどの薬の仕組みなお、ブルーバックスらしく原理等を明らかにして、対策を提示している。
今回のH1N1型、非常に怖いといわれている鳥インフルエンザのH5N1型などの違いや現在の医学の2009年時点での最前線がわかった。高校生物程度の基礎知識は必要だが、逆に言えば、基礎知識をもったうえで、ウイルスの原理原則がわかれば対策もとりやすいと思う。類書に比べて難しいが、読むことができれば非常に有益な本になると思う。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
21世紀のパンデミック(世界的大流行)が突如発生、ウイルスは瞬く間に世界に伝播した。
はたして新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか。
ロベルト・コッホ賞を受賞した世界的権威らが、最新の研究成果をもとに、インフルエンザウイルスにまつわるさまざまなミステリーを解き明かす。
[ 目次 ]
第1章 パンデミック発生!
第2章 インフルエンザウイルスはどのように感染するのか?
第3章 「種の壁」を越えた感染はなぜ起きるのか?
第4章 ウイルスの病原性が突如強まるのはなぜか?
第5章 H5N1亜型ウイルスがパンデミックを起こす可能性はあるのか?
第6章 スペイン風邪は、なぜ史上最悪の被害をもたらしたのか?
第7章 ワクチン接種で感染を予防できるか?
第8章 抗インフルエンザ薬は感染拡大を食い止められるのか?
第9章 新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか?
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
2009年秋に日本で爆発的に流行った新型インフルエンザは春になってめっきり患者数が減ったようだが今後どうなるのか気になる。このまま収束に向かうのか。今までやってきていた季節性のインフルエンザはどうなったのか。ロベルト・コッホ賞を受賞した著者が書き下ろしたので難しいところも多々あったがためになり読み応えがあった。
Posted by ブクログ
新型インフルエンザの流行が懸念されるこの頃。
本書はインフルエンザ基礎研究の第一人者の一人が、一般向けに新型インフルエンザやインフルエンザ一般についてわかりやすくまとめたもの。
最新の研究結果も、理解しやすいストーリーとともに提供している。
Natureを初めとして、トップクラスの雑誌に多くの論文を発表し、多忙を極めているに違いない著者、河岡義裕氏。実際にまとめたのは、研究室の堀本研子氏であり、ブルーバックスの編集者であるとのことだが、「新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同程度にしか怖くない」という世評に警鐘を鳴らそうとの本書の意図は意義深い。
図版も豊富だし、インフルエンザについての基礎を知るにはよい本だと思う。
新型インフルエンザに対して、決してパニックになることはないけれど、甘く見るのも禁物。
今後の報道で右往左往しないためにも、一読しておくのは損ではない。
Posted by ブクログ
…一般向けに精一杯わかりやすく書こうとしている努力は凄くよくわかったんだけど…正真正銘凡人にはそれでも専門用語が多くて理解しきれない…というか興味をそれ以上に抱けなかった…でも、とにかく季節性インフルエンザと新型が全然別物で軽視すべきでないということだけはわかりました。うがい、手洗い、早めの治療。心がけます。