山崎光夫のレビュー一覧

  • 鷗外青春診療録控 本郷の空

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    森鷗外が町医者だった本の数年を切り取ったミステリ風味のお話。大物文学者でも軍医でも学生でもない森鷗外を摂取できるのが嬉しい。『奏鳴曲』読んでから森鷗外推しなんだよね〜。

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    2025年05月08日
  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    題材として歴史小説にまでは至らない時代感と、日陰に置かれがちな側面に光を当てることで、2匹目を狙うにしても稀有な作品となっているが引き続き物語を重ねて行ってほしい。

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    2023年07月30日
  • 鷗外青春診療録控 本郷の空

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    父親の手伝いをしながら将来を模索する若き鴎外。今回は人との関わり合いと父親に対する尊敬と苦面して医学部で学ばせてくれたことの感謝が随所随所に書いている。家族を大切に思っているのと友人を患者を大切に思っているのがよく分かる。納得できなくても父親の鷹揚な接し方を模範にし丁寧を心がける。大塚製薬の広報のコラムだからか患者を大切にする、家族を大切にするを一貫して話が流れている。
    そして関係ないが、底辺でもがいて一生を終わるより、てっぺんにいて経営者や著名人と交流する方がうるおいのある生き方だよなぁと
    うらやましく思う

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    2023年07月27日
  • 藪の中の家 芥川自死の謎を解く

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    『Xという患者』の参考文献として挙げられていたので気になり、あまりの面白さに一気読み。
    学生時代『唯ぼんやりとした不安』という言葉は「わかるようなわからないような、いやわからない」と思っていたけれど、彼のことを知るほどに、一言では言い表せないような深い闇が浮かび上がる。他人に問われればそうとしか表現しようがないのだろうなということも。
    そして昭和2年と令和2年にいくつか不穏な共通点を見出してしまい、彼の生きた時代の空気もこんな感じだったのかな、と思いを馳せる。
    時折文壇の男たちの仲が良すぎる場面も描かれていて微笑ましく、少しだけほっとした。

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    2020年08月28日
  • 日本の名薬

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    ネタバレ

    この本中に出てくる薬はきいたことのあるものも
    結構あるのではないでしょうか。
    トクホンとかは使っている人も多いですし…

    病気を治すことは大事だけれども、
    それを予防することはもっと大事。
    あとは化学成分では説明のできない効果も
    もたらされているのには驚きでした。

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    2020年07月09日
  • 開花の人―福原有信の資生堂物語

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    資生堂創業者福原有信が薬学を邁進し、薬局の開局、化粧水を扱うまでに至ったストーリーを小説仕立てで記述した本。奥様のちょっとした言葉から気づけるところが、実業家の肝なのですね。

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    2013年05月13日
  • 明治二十一年六月三日 鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

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    ネタバレ

    何気に手に取ったのですが、自分の中ではかなーり良かったです。
    ルポが好きな方にはいいかも。
    明治の留学生の集合写真なのですが、一番端っこに立っている、森林太郎氏を中心に、上司・友人・ライバルなどの人間関係を丁寧におっている本です。

    「エリス事件」の真相
    「舞姫」のモデル
    留学生同士の相談に乗ったり、助け船を出したり

    森氏のあれこれが分かります。
    ちなみに、森さんのペンネームは森鴎外
    研究も出来るし、周囲に気配りも出来るし、文学も愛好してるし
    で、くたびれ果てたこともあったのでしょうね。
    上司にくってかかったり、留学仲間のことを怒ったり
    もしくは、仲間のことを思って泣い

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    2012年12月25日
  • 薬で読み解く江戸の事件史

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    江戸時代における“薬”をキーワードに、
    事件や歴史、人物や人生哲学を解き明かす。
    第1部 薬にまつわる江戸の裏話~家康から新選組まで
    第2部 知られざる江戸医学の知恵~将軍から庶民までの健康話
    第3部 スーパー老人・貝原益軒の旅・財産・死に方
                 ~その未公開資料を読み解く
    ・あとがき ・主要参考文献有り。

    メインは江戸時代の薬についての話と考察。
    徳川家康の長寿の秘訣となった座右薬。
    島津斉彬の急死(50歳)はお由羅騒動での毒殺か?病気か?
    それとも医療ミスだったのか?
    若き土方歳三が行商した石田散薬の効能は?
    天然痘に罹った孝明天皇を回復に向かわせた
    幻の薬「紫水」

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    2024年03月11日
  • 鷗外青春診療録控 本郷の空

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    待ってました!
    不幸なアクシデントで卒業試験に思うような成績を残せず、
    父の診療所を手伝う若い日の鷗外こと森林太郎。

    本書は父の診療所での日々の第二弾。
    第一弾が面白かったので、期待していた。
    良かったなぁ~~~

    何が良いって、父と鷗外のやりとりがいい。
    森家の静かな、ゆるがないあたたかさがよい。

    今回もどれもよかったのだが、とりわけ印象に残ったのが、火事場の話。
    「忘れえぬ声」。
    火事場で足の悪い母親を助け出したのは誰???
    から始まるストーリイ。

    深夜、林太郎が火事場へ応急処置のため駆けつけ・・・
    父は、重傷者のために、診療所で寝ずの番をする。
    帰ってみると脱ぎ捨てたはずの着物がき

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    2023年07月28日
  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    父親の手伝いをしながらドイツの留学をどうにか行けないか模索。体調不良で上位に入れず留学枠から外れたから父親の仕事ぶりを間近でみて患者に対する態度や接し方を学んだと思うし頭がいいのにそう感じさせない、高飛車ではないのが好感がもてる。ドイツ留学を念頭において周りの意見に振り回される事なく自分で解決しようとしていて意外な一面も知れた。森鴎外は眼中に全くなかったけど作品を読んでみようと思う

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    2023年07月25日
  • 鷗外青春診療録控 本郷の空

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    淡々とした語り口で描かれる、明治の穏やかでささやかで逞しい庶民の生活ぶりと、その渦中の林太郎と教科書に載るような歴史的な事件や有名人との交差の様子が面白かった。漢方と西洋医学が混在している当時の医療や薬の事情が垣間見れるのも興味深くて。迷いつつ悩みつつ、20歳の林太郎の青春の日々が微笑ましかった。

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    2023年07月23日
  • 鷗外青春診療録控 本郷の空

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    日本には確とした伝記小説が少ないと、いつかの開高健が語っていたが
    伝記小説としての必要条件の定義はさておき、物語の題材をそのようなものに求めることで時代背景や周辺人物への造詣を深めることにも繋がり、骨の折れるリサーチの対価は読者にも多く還元されうるように思う。

    「応天の門」のような漫画の領野も含めれば、既に先鞭をつけた作品も一定数存在するのだろうが
    かような掲載誌でこういった試みが営まれていることに、文芸作品の裾野は際限なく広がっているのだなと思わされる。

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    2023年07月23日
  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    9つの短編からなる、東大卒業から陸軍に勤務するまでの数ヶ月間、父親の診療所を手伝う19歳の鴎外の青春物語。
    西洋医学と漢方を取り混ぜた医療の様子や市井の人たちの生活ぶりがイキイキ描かれていて、道場の花が一番読み応えがあった。国事があの人を必要とした、というさなの言葉に動乱の幕末を経た明治の時代を生きる人々の思いを感じた。
    続きもぜひ!

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    2022年07月24日
  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    「大塚製薬」の関連誌に連載というのも納得。
    若き日の森鷗外が、父の診療所を手伝い、町医者をしていた頃を舞台にした
    短編集。
    後に歌舞伎研究者となる三木竹二、女性文学者の小金井貴美子や
    明治の著名人などが、続々登場。
    西周とのすれ違いなども、納得の描きぶり。
    千葉さなが登場のエピソードに一番感激!

    日常にひそむ、ささやかなミステリーを若先生が解決していくのだが、
    父・静男の静かな姿勢が、小説全体に、穏やかな安らかさを与えてくれている。

    一方・・・
    いつも裁縫中の穏やかな母・峰子が
    いずれ嫁姑問題の渦中の人となるのだろうか、と
    不思議な気分で読んでいたw

    今から次の巻が楽しみ♫

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    2021年09月13日
  • 藪の中の家 芥川自死の謎を解く

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     主治医のスタンスを超え、芥川と昵懇の下島勲(いさおし)医師。その日記に、誰ひとり注目していなかったのは不可解だ。
     達筆すぎて読めない日記の解読を縦糸に、死へ向かって逡巡し、疾走する芥川の動きが描かれる。
     自殺に至る要因が多すぎて、真犯人が特定できない。私なら5回は死んでいるだろう。
     芥川が周囲から愛されていた様子が窺えて、一つの涼味になっている。

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    2019年11月17日
  • ドンネルの男・北里柴三郎 上

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    ネタバレ

    生まれは、肥後の国小国。骨太の肥後もっこす。コッホを慕ってドイツに6年間留学。
    福沢諭吉の支援を受け

    来日したコッホは75日間日本の各地を周り、日本の文化に触れて日本通になった。忙しい柴三郎は、恩師のためにまごころを持って接待した。師弟愛には心を打たれる。
    北里研究所の設立時にほとんどの研究員が柴三郎を慕って安定した職場から

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    2016年12月12日
  • 明治二十一年六月三日 鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

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    一葉の写真がある。明治二十一年六月三日。ベルリンで撮影されたその写真には19名の日本人が写っている。官費・私費でドイツ留学を果たした医学留学生達である。
    当時の留学生達は皆選ばれしエリートであり事実、帰朝後は「日本○○学の父」と呼ばれた者が大多数を占める。
    写真の中では若輩に当たる森鴎外をキーパーソンに、写真の19人と4人の鴎外ゆかりの友人を生まれから留学に至る経緯、そして帰朝後の生涯までをつぶさに描くことによって当時の日本の医学界の様子が見事に描き出される。

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    2012年12月02日
  • 健康の天才たち

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      現代の日本という長寿国を創りあげた、先人達の努力の結晶を垣間見ることができる本。まずは、6人の先人に感謝をしましょう。

    新潮新書HPより
    第一章 コンドーム・突撃不倒の男
     腐らない「夢のスキン」を
     寝ても覚めてもゴム、ゴム、ゴム
     全財産をつぎ込んで背水の陣
     「突撃一番」でお国にご奉公
    第二章 水道水・一億人に安全給水した男
     野口英世の発見を支えた顕微鏡
     衛生を生涯のテーマに
     定期検査が東京の水を守る
     水質管理を全国へ
    第三章 ラジオ体操・一億六〇〇〇万人に号令をかけた男
     整列して行進ができなかった日本人
     昭和天皇即位の記念事業
     『ニューズウィーク』と蒋介石
     国民を

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    2010年08月11日
  • 健康の天才たち

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    明治から昭和にかけて、日本人の健康に関わる発明や行動の推進をしてきた6氏の業績をまとめてある。あまり一般的な知名度が低い人たちの生涯がここで明らかにされている。

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    2009年10月04日
  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    森林太郎(鷗外)が、不本意な成績で留学がかなわず、父静雄の診療所で患者と接し、成長していく物語。

    この本を読んでまず思ったことは、登場人物の言葉遣いがきれいなこと、落ち着いていること。父親は市井の人を診察するときも、患者の立場にたっていること。今と比べて技術ではかなわないかもしれないが、人をきちんとみる心の余裕がある。

    林太郎は、父の元で働く期間があり医者としての心構えを学べて、とてもよかったのではと思った。この先、どう繋がっていくのか楽しみだ。

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    2023年07月11日