山崎光夫のレビュー一覧
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『Xという患者』の参考文献として挙げられていたので気になり、あまりの面白さに一気読み。
学生時代『唯ぼんやりとした不安』という言葉は「わかるようなわからないような、いやわからない」と思っていたけれど、彼のことを知るほどに、一言では言い表せないような深い闇が浮かび上がる。他人に問われればそうとしか表現しようがないのだろうなということも。
そして昭和2年と令和2年にいくつか不穏な共通点を見出してしまい、彼の生きた時代の空気もこんな感じだったのかな、と思いを馳せる。
時折文壇の男たちの仲が良すぎる場面も描かれていて微笑ましく、少しだけほっとした。 -
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ネタバレ何気に手に取ったのですが、自分の中ではかなーり良かったです。
ルポが好きな方にはいいかも。
明治の留学生の集合写真なのですが、一番端っこに立っている、森林太郎氏を中心に、上司・友人・ライバルなどの人間関係を丁寧におっている本です。
「エリス事件」の真相
「舞姫」のモデル
留学生同士の相談に乗ったり、助け船を出したり
森氏のあれこれが分かります。
ちなみに、森さんのペンネームは森鴎外
研究も出来るし、周囲に気配りも出来るし、文学も愛好してるし
で、くたびれ果てたこともあったのでしょうね。
上司にくってかかったり、留学仲間のことを怒ったり
もしくは、仲間のことを思って泣い -
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江戸時代における“薬”をキーワードに、
事件や歴史、人物や人生哲学を解き明かす。
第1部 薬にまつわる江戸の裏話~家康から新選組まで
第2部 知られざる江戸医学の知恵~将軍から庶民までの健康話
第3部 スーパー老人・貝原益軒の旅・財産・死に方
~その未公開資料を読み解く
・あとがき ・主要参考文献有り。
メインは江戸時代の薬についての話と考察。
徳川家康の長寿の秘訣となった座右薬。
島津斉彬の急死(50歳)はお由羅騒動での毒殺か?病気か?
それとも医療ミスだったのか?
若き土方歳三が行商した石田散薬の効能は?
天然痘に罹った孝明天皇を回復に向かわせた
幻の薬「紫水」 -
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待ってました!
不幸なアクシデントで卒業試験に思うような成績を残せず、
父の診療所を手伝う若い日の鷗外こと森林太郎。
本書は父の診療所での日々の第二弾。
第一弾が面白かったので、期待していた。
良かったなぁ~~~
何が良いって、父と鷗外のやりとりがいい。
森家の静かな、ゆるがないあたたかさがよい。
今回もどれもよかったのだが、とりわけ印象に残ったのが、火事場の話。
「忘れえぬ声」。
火事場で足の悪い母親を助け出したのは誰???
から始まるストーリイ。
深夜、林太郎が火事場へ応急処置のため駆けつけ・・・
父は、重傷者のために、診療所で寝ずの番をする。
帰ってみると脱ぎ捨てたはずの着物がき -
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「大塚製薬」の関連誌に連載というのも納得。
若き日の森鷗外が、父の診療所を手伝い、町医者をしていた頃を舞台にした
短編集。
後に歌舞伎研究者となる三木竹二、女性文学者の小金井貴美子や
明治の著名人などが、続々登場。
西周とのすれ違いなども、納得の描きぶり。
千葉さなが登場のエピソードに一番感激!
日常にひそむ、ささやかなミステリーを若先生が解決していくのだが、
父・静男の静かな姿勢が、小説全体に、穏やかな安らかさを与えてくれている。
一方・・・
いつも裁縫中の穏やかな母・峰子が
いずれ嫁姑問題の渦中の人となるのだろうか、と
不思議な気分で読んでいたw
今から次の巻が楽しみ♫ -
Posted by ブクログ
現代の日本という長寿国を創りあげた、先人達の努力の結晶を垣間見ることができる本。まずは、6人の先人に感謝をしましょう。
新潮新書HPより
第一章 コンドーム・突撃不倒の男
腐らない「夢のスキン」を
寝ても覚めてもゴム、ゴム、ゴム
全財産をつぎ込んで背水の陣
「突撃一番」でお国にご奉公
第二章 水道水・一億人に安全給水した男
野口英世の発見を支えた顕微鏡
衛生を生涯のテーマに
定期検査が東京の水を守る
水質管理を全国へ
第三章 ラジオ体操・一億六〇〇〇万人に号令をかけた男
整列して行進ができなかった日本人
昭和天皇即位の記念事業
『ニューズウィーク』と蒋介石
国民を