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ここに一枚の集合写真があります。明治21年(1888)6月3日、ベルリンのフリードリッヒ写真館にて撮られたもの。陸軍省医務局長の石黒忠悳が欧州視察の途次、ドイツに立ち寄ったのを機にしての記念撮影でした。写っているのは森鴎外を含む19人、そのほとんどが日本人医学留学生です。彼らはその後、帰国してそれぞれの分野で大きな業績を挙げますが、全員が一堂に会することは二度とありませんでした。その意味でこの写真は近代日本医学史上の「奇跡の一瞬」をとらえたものと言えましょう。しかし、驚くべきことに、ここに写っているのがいかなる者たちだったのか、最近までほとんどわかっていなかったのです。本書は、この一枚の写真に写っているそれぞれの男たちとその周辺、鴎外との関係を追い、近代日本医学のあけぼのを描きます。
...続きを読むPosted by ブクログ 2012年12月02日
一葉の写真がある。明治二十一年六月三日。ベルリンで撮影されたその写真には19名の日本人が写っている。官費・私費でドイツ留学を果たした医学留学生達である。
当時の留学生達は皆選ばれしエリートであり事実、帰朝後は「日本○○学の父」と呼ばれた者が大多数を占める。
写真の中では若輩に当たる森鴎外をキーパーソ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月13日
明治21年にベルリンで撮影された一枚の写真は、そこに若き日の森鴎外や北里柴三郎が写っていることから、歴史に残るものとなった。しかし、その19人は、当時日本から洋行していたというだけでも、エリートであるが、その後の人生は色々で、多くは日本で然るべき地位に着いたが、中にはドイツに客死し、名を残さなかった...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月25日
何気に手に取ったのですが、自分の中ではかなーり良かったです。
ルポが好きな方にはいいかも。
明治の留学生の集合写真なのですが、一番端っこに立っている、森林太郎氏を中心に、上司・友人・ライバルなどの人間関係を丁寧におっている本です。
「エリス事件」の真相
「舞姫」のモデル
留学生同士の相談...続きを読む
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