山崎光夫のレビュー一覧

  • 鷗外青春診療録控 千住に吹く風

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    鴎外の「カズイスチカ」が好きな人は本書をオススメしたい。
    大学を卒業し、留学のツテが決まらず悩み奔走し、一方で町医者である父の診療所を手伝っていた頃の鴎外が生き生きと描かれています。当時の20才の青年の青春譚としても面白い。
    大塚製薬の医家向け情報誌でこんな面白いもの連載してるんですね。連載はまだ続いているみたいで二冊目がそのうち出るんでしょうかね? 楽しみです。

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    2022年02月25日
  • ジェンナーの遺言 絶滅病原体を追え

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    1979年に根絶宣言をなされたはずの天然痘が、東京で発症。
    患者はハワイ帰りの成田空港から都立病院に搬送。
    感染源は?同行の医師の行方は?
    描かれているのが何年なのか(1990年代?)、この微妙な差が
    まどろっこしいというか、なんというか。
    携帯電話があるかないかということで、流れに違いがでる

    中編の表題作よりも、短編2作がおもしろかった。
    「いびき教授」と「夜行金沢行」
    いずれも、お医者さんものでした。

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    2012年12月13日
  • 明治二十一年六月三日 鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

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    明治21年にベルリンで撮影された一枚の写真は、そこに若き日の森鴎外や北里柴三郎が写っていることから、歴史に残るものとなった。しかし、その19人は、当時日本から洋行していたというだけでも、エリートであるが、その後の人生は色々で、多くは日本で然るべき地位に着いたが、中にはドイツに客死し、名を残さなかった人もいる。著者は、その全員を探し当てるとともに、鴎外との関係を中心に、各人の一生を描いてみせた。中々の労作であり、ドキュメンタリーのようでもある。登場人物の多くは、医者であり、また、軍関係者であって、全体的には同質的であるから、一人一人の個性が記憶に残るというものでもないが、鴎外の日記を繰り返し引用

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    2012年09月13日