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腐らないコンドームを作った岡本巳之助、蛇口をひねれば安全な水が飲める日本を築いた遠山椿吉、計量カップで一流料理を家庭に普及させた香川綾、脂っこい西洋料理の汚れを簡単に洗い落とせる亀の子束子を発明した西尾正左衛門など……。明治維新以来、日本の近代化を支え、長寿大国の礎を築いたのは、西洋の新しい文化と日本古来の文化の狭間で、日本人の健康のために心血を注いだ六人の天才たちだった。
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Posted by ブクログ
現代の日本という長寿国を創りあげた、先人達の努力の結晶を垣間見ることができる本。まずは、6人の先人に感謝をしましょう。 新潮新書HPより 第一章 コンドーム・突撃不倒の男 腐らない「夢のスキン」を 寝ても覚めてもゴム、ゴム、ゴム 全財産をつぎ込んで背水の陣 「突撃一番」でお国にご奉公 ...続きを読む第二章 水道水・一億人に安全給水した男 野口英世の発見を支えた顕微鏡 衛生を生涯のテーマに 定期検査が東京の水を守る 水質管理を全国へ 第三章 ラジオ体操・一億六〇〇〇万人に号令をかけた男 整列して行進ができなかった日本人 昭和天皇即位の記念事業 『ニューズウィーク』と蒋介石 国民を健康にした号令 第四章 計量カップ・一流料理を家庭に普及させた女医 ご飯の炊き方の研究からスタート 料理も科学も一緒 和洋中の名人技も計量化 栄養学を陽の当たる大通りに 第五章 西式健康法・六大法則の男 目標「まず二〇歳まで生きる」 三井の団琢磨に見いだされる 東京の地下鉄の立役者 心臓はポンプではなくタンクである 第六章 亀の子束子・台所に清潔革命を起こした男 二三歳で棕櫚縄業を継ぐ ひらめきは妻の掃除から 西洋料理の脂に勝てるたわし 偽物対策で亀の子束子を紙に包む 6人の中でも、一番面白かったのは、第6章の亀の子タワシを作った西尾正左衛門の話。実は、数ヶ月前にカンブリア宮殿でも紹介があったので、少し予備知識はあったけど、改めて本を読むと、彼の凄さが伝わる。 妻の食器洗いの光景にヒントを得て、亀の子タワシを作り上げる。そこから模倣品との戦いの中で、実用新案、特許、デザインといった戦略で勝ち抜いていく。こうして100年以上経った現在でも、タワシのスタンダードとして使われている。読んでいるだけで、壮大なドラマを見ているようで感動が込み上げてくる。 健康とは生活のインフラ(基盤)であり、一度インフラとして認定されれば、半永久的に使われることを示している。インフラアイテムの壮大さを感じる。エンジニアのはしくれとして、インフラアイテムを生涯、ひとつでもいいから開発したいとしみじみ感じた。
明治から昭和にかけて、日本人の健康に関わる発明や行動の推進をしてきた6氏の業績をまとめてある。あまり一般的な知名度が低い人たちの生涯がここで明らかにされている。
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健康の天才たち
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山崎光夫
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